この記事では市販品のマスクの説明書きに書かれている不織布とポリプロピレンについて違いをみていきます。この2つはどのような違いがあるのか、素材や生地の織り方などについて異なるようです。インフルエンザなどの流行病や花粉症持ちの人にも効果があるのか気になる人もいるでしょう。今回はそんなマスクの違いについて、通年性の鼻炎に悩む文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

通年性の鼻炎と花粉症に悩まされて、一年中マスクの利用が欠かせない文学部卒ライター。

マスクの不織布とポリプロピレンの違いとは?

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ドラッグストアやスーパーなどで市販されているマスクには、綿素材の粗く織られたガーゼの従来のタイプ、不織布のマスクなどが見られます。近年ではポリプロピレン製のマスクが出ていて、風邪や花粉を口の中に通しにくいなどと言われて購入を検討する人も増えていますね。では、不織布とポリプロピレンとどのような点で異なるのでしょうか。

不織布:織らずに圧着した布

「不織布」(ふしょくふ)とは、機械などで織っていない布という意味。では、どのように布のようにするかというと、熱や接着剤を用いて繊維同士を圧着させてたり、針に通して上下に動かし繊維同士を絡ませたりして、1枚の布状に仕立てるという方法が一般的です。

マスクのフィルターで使われる不織布は、繊維を溶かして吹き付けて作られます。繊維同士の隙間の間隔が狭くなり、なるべく口や喉にウィルスや花粉が付かないようにできるということです。

使用例:フェルト・メガネ拭きなど

不織布が使われる身近な例は、フェルトやメガネ拭きなどです。マスコットや雑貨作りに使うフェルトは織っていないので切りっぱなしでも端がほつれにくいのが特徴。そのため、子供の工作作りにも向いていますね。

メガネ拭きも端をピンキングばさみで切ってギザギザにしておけば、ほつれることがほぼありません。圧着されて細かい隙間部分に汚れが絡め取られるため、レンズが汚れても傷つけることなくきれいに拭けます。

\次のページで「ポリプロピレン:プラスチック樹脂の繊維」を解説!/

ポリプロピレン:プラスチック樹脂の繊維

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マスクにポリプロピレンと書かれているものは、薄い紙のような素材で、白を中心に青やピンクなどのカラーもありますね。ポリプロピレンは素材を表しています。紙は木などを原料にしていますが、ポリプロピレンはプラスチック樹脂から作られた繊維です。

元々は粒状の形ですが、それを熱して液状に溶かして糸のように細長くして繊維として使っていきます。

マスクで使われる場合、表側、中間のフィルター(ウィルスやほこり、花粉をキャッチするもの)、内側と3層の構造になっているタイプがほとんど。マスクに使うポリプロピレンに静電気を発生させる処理をすると、外部から入ってきたホコリなどを吸着する効果が高くなります。

使用例:紙おむつなど

ポリプロピレンを繊維として使う例は、紙おむつなどが見られます。もれにくく薄くて軽いので、布のおむつよりも取り扱いしやすいです。使い切りで衛生的ですね。また、外出時でも持ち運びしやすいでしょう。繊維としてではありませんが、ポリプロピレンはペットボトルの素材にも利用されます。

ポリプロピレン製の不織布マスクの特徴

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ポリプロピレン製の不織布マスクは、フィルターが密でウィルスなどを防げる高性能な医療用から、ホコリや花粉を防げる一般用までさまざまです。従来型のガーゼのマスクと比較して、主な特徴について、みていきましょう。

1.薄くてフィットしやすい

ポリプロピレンの素材を使った不織布マスクは、フィルターが付いた3層構造でも薄くて顔にフィットしやすいのが特徴です。メガネをしていても曇りにくいタイプ、鼻とマスクの隙間を狭くできるようにノーズフィットが内蔵されているタイプもあります。

プリーツ型や立体型、サイズもジュニア用、レディース用、メンズ用と細分化しているものもあり、使用感や好み、大きさに合わせて選択肢が多くなっているようです。マスクゴムも一体型になっていて、長時間つけていても耳が痛くなりにくいものもあります。

2.花粉やウィルスを通しにくい

ホコリだけでなく、花粉やウィルスを通しにくいタイプを探している方におすすめです。パッケージを見て、数値を確認することをおすすめします。「%」で表示され、数値が大きいほうがより性能が高いです。主な表示は以下の通り。

\次のページで「3.耐久性が低い」を解説!/

マスクの性能を表すもの
・花粉(花粉を集める効果)
・PFE(黄砂・PM2.5)
・BFE(細菌の飛沫)
・VFE(ウィルスの飛沫)

3.耐久性が低い

ガーゼのマスクは手洗いをして再利用が可能です。ただ、生地が粗めに織られているため、強く洗うと縮んでしまう可能性が高いでしょう。一方で、ポリプロピレン製の不織布マスクは再利用が難しいです。店頭から品切れしている場合、手洗いで漬け置きをして洗う方法もあります。しかし、フィルターの効果が落ちてしまうとのこと。

湿度や温度が低い時期に乾燥や冷えから守るつもりで使うなら問題ありませんが、生地が変質して肌当たりも良くなくなることも。できれば、1回限りの使用にしたほうがよさそうですね。

4.長期間の使用が難しい

不織布のポリプロピレン製マスクは繊維同士の隙間が少なく、薄くても外部からの有害物質の侵入を防ぐことができる反面、長時間の連続使用が難しい場合があります。隙間が少ないので、肌とマスクが摩擦を起こして肌荒れしたり、雑菌が繁殖して嫌なニオイがしたりすることも。特に暑い時期には要注意ですね。

できれば、ニオイが気になりだしたら、新しいマスクと取り替える、肌荒れが気になるなら少し大きめサイズを選ぶなど対策すると良いかもしれません。

マスクの不織布は布の形状・ポリプロピレンは繊維の名前

不織布は、織っていない布という布の形状のこと。一方、ポリプロピレンとは素材の名前で、プラスチックから作られた素材です。不織布は生地が密になるため、隙間が小さくて薄くても外から入る物質を通しにくい、ポリプロピレンは電気を帯びると物質を吸着しやすくなるのが特徴。織り方と素材を組み合わせてマスクに使うと、外部から有害な物質が口や鼻から入りにくくするメリットがあります。

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雑学

簡単でわかりやすいマスクの不織布とポリプロピレンの違い!素材や生地の違いも文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では市販品のマスクの説明書きに書かれている不織布とポリプロピレンについて違いをみていきます。この2つはどのような違いがあるのか、素材や生地の織り方などについて異なるようです。インフルエンザなどの流行病や花粉症持ちの人にも効果があるのか気になる人もいるでしょう。今回はそんなマスクの違いについて、通年性の鼻炎に悩む文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

通年性の鼻炎と花粉症に悩まされて、一年中マスクの利用が欠かせない文学部卒ライター。

マスクの不織布とポリプロピレンの違いとは?

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ドラッグストアやスーパーなどで市販されているマスクには、綿素材の粗く織られたガーゼの従来のタイプ、不織布のマスクなどが見られます。近年ではポリプロピレン製のマスクが出ていて、風邪や花粉を口の中に通しにくいなどと言われて購入を検討する人も増えていますね。では、不織布とポリプロピレンとどのような点で異なるのでしょうか。

不織布:織らずに圧着した布

「不織布」(ふしょくふ)とは、機械などで織っていない布という意味。では、どのように布のようにするかというと、熱や接着剤を用いて繊維同士を圧着させてたり、針に通して上下に動かし繊維同士を絡ませたりして、1枚の布状に仕立てるという方法が一般的です。

マスクのフィルターで使われる不織布は、繊維を溶かして吹き付けて作られます。繊維同士の隙間の間隔が狭くなり、なるべく口や喉にウィルスや花粉が付かないようにできるということです。

使用例:フェルト・メガネ拭きなど

不織布が使われる身近な例は、フェルトやメガネ拭きなどです。マスコットや雑貨作りに使うフェルトは織っていないので切りっぱなしでも端がほつれにくいのが特徴。そのため、子供の工作作りにも向いていますね。

メガネ拭きも端をピンキングばさみで切ってギザギザにしておけば、ほつれることがほぼありません。圧着されて細かい隙間部分に汚れが絡め取られるため、レンズが汚れても傷つけることなくきれいに拭けます。

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