この記事では単利と複利の違いについて見ていきます。どちらも投資や借金などの金融の情報でよく見るワードです。単利と複利の違いは、ずばり最終的に得られる利息の大きさのようです。
今回は投資や借金する時には必ず必要な知識となる単利と複利の違いと、それぞれのメリットとデメリットについてをFP資格を持つWebライターのちょびと一緒に解説していきます。

ライター/ちょび

家計改善の知識になると思い勉強してFP技能資格を取得したお金に詳しいWebライター。貯金が全くできないまま30代になり、FPの知識を活かしてNISAなどの投資をしながら資産形成を続け、数年かけて順調に資産形成中。今回はお金にまつわる「単利と複利の違い」について解説する。

単利と複利の違いとは?

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金融取引において、利息や利回りを正確に計算するためには、単利と複利の違いを理解することが重要です。一般的には、「借入は単利で、投資は複利で」とよく言われています。単利と複利ではそもそもの利息は計算の方法が違い、それぞれに適した使用方法があるので見ていきましょう。

単利:利息は毎期同じ

単利とは、一定の利率が元本にかかり、利息を得られます。その利息が定期的に加算されることで得られる利益のことです。つまり、単利では利息が毎回同じ金額分増えていきます。なので一定割合の金額が元本に加算される計算方法で算出され、利益の増加率は一定的になるので、元本に対して直線的に増加していくのが特徴です。

複利:利息が毎期加算される

複利も単利とおなじく、一定の利率が元本にかかります。ただ複利が単利と違う点は、毎期加算される利率の対象の中に、増えた分の利息も含まれることです。つまり、前期の利息も含めた金額に対して利率がかかることで、元本に加えた利息が再び利息の対象となり、運用する期間分だけ元本と利息を合わせた金額が加速度的により多く増えていきます。

単利と複利の計算方法は?

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単利の計算方法は、常に一定的な利息が加算されるため利息の計算式は単純です。元本に対して利率を掛け、それにn(運用する期間)が毎期一定数で加算されます。以下が単利の計算式です。

\次のページで「単利のメリット・デメリット」を解説!/

元本×(1+利率×n)

ここで「n(運用する期間)」の値は、年、月、日などが入り、年利、月利、などと表されます。

複利の計算方法は、単利と比べると少し複雑です。毎期加算される利息と元本が合わさった金額に対して利息が加算されるため、計算式では元本に利息を加算して、それに対してn(運用する期間)が累乗で加算されていきます。以下が一般的な複利の計算式です。

元本×(1+利率)のn乗

複利は、毎期増える元本に利息が加算されていくことで、元本に比例して利息も一緒に雪だるま式に増えていく構造になっています。

単利のメリット・デメリット

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単利とは、元本に対して毎期支払われる利息が一定的で、支払われたは元本に加算されないタイプの利息の計算方法です。以下に単利を利用する上でのメリットと、注意するべきデメリットを解説します。

単利の利用例

単利は、短期間の投資や融資に利用されやすいです。例えば、1万円を1年間で10%の利率(年利10%)で借りた場合、利息は1,000円になります。同様に、1か月間で1%の利率(月利1%)で1万円を借りた場合には、利息は100円です。また、投資では1年あたりで資金を回収できる利率のことを、年利回りと表現されます。

単利は、利息の増加率が一定であるため、利息の予測が簡単です。そのため、利息が膨れ上がりにくい短期間の投資や融資での利用が適しています。

\次のページで「単利のメリット」を解説!/

単利のメリット

単利のメリットは、短期間の運用に向いていることです。例えば、1年から3年間程度の短期間の投資や、短期間の融資に利用されます。また、単利は、元本が常に一定であれば、利息も同じように一定になるため、投資家には利回りの予測しやすいというのも利点の一つです。

単利のデメリット

単利のデメリットは、複利と同じ期間、同じ利率で運用する場合には、その期間が長期になるほど、複利よりも元本に対する利息が少なくなることです。そのため、単利は元本が少ない場合には、得られる利息も少なくなります。単利運用では、利息が元本に加算されないので、複利運用に比べて得られる利息が少なくなり、総利益が低くなる点は理解しておきましょう。

複利のメリット・デメリット

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複利とは、利息が毎期支払われた場合に、元本と利息の合計額に対して新たな利息が加算される、雪だるま式にどんどん利息の金額が増えていく計算方法です。以下に複利を有利に活用できるメリットと、特に借入の時に注意してほしい最大のデメリットを説明します。

複利のメリット

複利での大きなメリットは、元本に対してより高い利息が得られやすいことです。単利では、利息は毎期一定の金額で加算されますが、複利では前期の利息も含めた金額に対して利率がかかるため、より高い利息が得られます。また、複利がもっとも効果を発揮するのが長期間にわたって複利を利用することです。

複利が有効的に活用されている例をあげると、複利を再投資に回せるインデックス投資の長期的な運用などがあります。これは10年~20年程度の運用を見据えた投資法で、決められた非課税枠で運用できるつみたてNISAが代表例です。

投資で複利を長期間運用することで増えた利息が加算されて元本が膨らみ、さらに利息が加算されていくため、より高い利益が見込まれますが、これらはあくまで投資なので絶対に増えるわけではありません。そこは注意しましょう。

複利のデメリットと注意点

複利のデメリットは、利率が高い場合に元本に与える影響が大きくなり、利率が低い場合にはあまり有利ではありません。

複利の場合、利息を受け取ってもそのまま再投資しなければ、利益は低くなるため、適切に再投資する必要があります。また、借金の返済に複利を使用する場合には注意が必要です。なぜなら、借り入れた元本と利息が加算された合計額が大きくなるため、返済が困難になる可能性があるので複利での借入には十分に気をつけましょう。

\次のページで「単利と複利の使い分け」を解説!/

単利と複利の使い分け

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単利と複利は、それぞれ利息計算の方法が異なるため、効果が発揮される場面も同様に異なります。借入と投資をケースを見比べてみると、現実味を帯びて単利運用と複利運用によってその効果の違いが明確に現れるので見ていきましょう。

短期間の借入・貸出における単利と複利の使い分け

短期間の借入・貸出の場合は、単利の方が利息が少なくなります。

例えば、2年間で200万円を借り入れた場合、単利で年利6%の場合は、利息は年利(6%)に運用期間(2年)をかけて24万円となり、同様に複利でも計算してみると、利息は年利(6%)を運用期間(2年)で累乗するので、24万7200円と、同じ期間の借入でも7200円の差額が発生しました。この差額は借入期間が長くなればなるほど加速度的に大きくなるので注意しましょう。

このように、短期間の借入・貸出の場合は、単利の方が利息が少なくなるため、単利を利用したほうが総支払額を減らすことができます。

長期間の投資における単利と複利の使い分け

長期間の投資の場合は、複利の方が利回りが高くなります。例えば、10年間にわたって200万円を投資して、単利で年利6%の場合は、最終的に得られる利息は120万円となりますが、複利で年利6%の場合には、最終的に得られる利息は158万1695円となり、同じ運用期間でも、単利と比べて38万円も多くの利息が得られる結果に。

このように、長期間の投資の場合には、複利の方が元本に対しての最終的な利回りが高くなるため、複利を使うことで資産形成が加速度的に進んでいきます。

単利と複利の効果は使い分けによる

単利と複利の違いを理解することは、借入・貸出や投資などの金融取引において、利息や利回りを正確に計算するためには重要です。単利と複利の使い分けにより、利息や利回りを最大限に活用することができ、有利な条件を選択できるようになります。

今回のおさらいとして、短期間の借入や貸出には利息を抑えることができる単利が適しており、長期間の投資には利回りの高い複利を活用する。これらの知識はしっかりと覚えておきましょう。

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雑学

簡単でわかりやすい!単利と複利の違いとは?計算方法やメリット・デメリットもFPが詳しく解説!

この記事では単利と複利の違いについて見ていきます。どちらも投資や借金などの金融の情報でよく見るワードです。単利と複利の違いは、ずばり最終的に得られる利息の大きさのようです。
今回は投資や借金する時には必ず必要な知識となる単利と複利の違いと、それぞれのメリットとデメリットについてをFP資格を持つWebライターのちょびと一緒に解説していきます。

ライター/ちょび

家計改善の知識になると思い勉強してFP技能資格を取得したお金に詳しいWebライター。貯金が全くできないまま30代になり、FPの知識を活かしてNISAなどの投資をしながら資産形成を続け、数年かけて順調に資産形成中。今回はお金にまつわる「単利と複利の違い」について解説する。

単利と複利の違いとは?

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金融取引において、利息や利回りを正確に計算するためには、単利と複利の違いを理解することが重要です。一般的には、「借入は単利で、投資は複利で」とよく言われています。単利と複利ではそもそもの利息は計算の方法が違い、それぞれに適した使用方法があるので見ていきましょう。

単利:利息は毎期同じ

単利とは、一定の利率が元本にかかり、利息を得られます。その利息が定期的に加算されることで得られる利益のことです。つまり、単利では利息が毎回同じ金額分増えていきます。なので一定割合の金額が元本に加算される計算方法で算出され、利益の増加率は一定的になるので、元本に対して直線的に増加していくのが特徴です。

複利:利息が毎期加算される

複利も単利とおなじく、一定の利率が元本にかかります。ただ複利が単利と違う点は、毎期加算される利率の対象の中に、増えた分の利息も含まれることです。つまり、前期の利息も含めた金額に対して利率がかかることで、元本に加えた利息が再び利息の対象となり、運用する期間分だけ元本と利息を合わせた金額が加速度的により多く増えていきます。

単利と複利の計算方法は?

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単利の計算方法は、常に一定的な利息が加算されるため利息の計算式は単純です。元本に対して利率を掛け、それにn(運用する期間)が毎期一定数で加算されます。以下が単利の計算式です。

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