簡単にわかる「質量」と「重量」の違い!単位や重力との関係も工学系院卒ライターがわかりやすく解説!
質量の単位
質量の基本的な単位はkg(キログラム)で、SI単位系(国際単位系)で定められた7つの基本単位の1つです。このほか、SI単位系の質量単位としてkgの1000分の1のg(グラム)があります。
18世紀当時、1kgの定義は「水1Lの質量」でした。しかし水の体積は温度や気圧に依存することが分かり、1889年国際キログラム原器が当時のkg定義に基づいて作られます。以後130年間、この原器は世界中のはかりの基準として利用されたのです。
原器は安定性と耐腐食性のあるプラチナとイリジウムの合金製で、二重になったガラス容器に保管されていました。が、それでも表面吸着などにより1年で1μg程度増加していると判明します。この不確かさをなくすため、2019年にkgの再定義がなされ、プランク定数h=6.062607015×10-34J・sに基づくことになったのです。
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SI基本単位は長さm(メートル)、質量kg(キログラム)、時間s(秒)、電流A(アンペア)、温度K(ケルビン)、物質量mol(モル)、光度cd(カンデラ)の7つになります。また、プランク定数hは量子力学の基礎となるもので、光子の持つエネルギーと量子のエネルギーと振動数の比例定数です。
重量の単位
重量には力の単位を用います。力の基本的な単位はSI単位系であるN(ニュートン)です。1N=1kg・m/s2で、「質量1kgの物体に1m/s2の加速を生じさせる力」を意味します。
また、前述のkgfまたはkgw(キログラム重、重量キログラム)は、質量と重量が同じ数値になるため関係性をイメージしやすく、以前は学校でも教えられていましたが、SI単位系が導入されてからはほとんど使われていません。1kgf=9.8Nで、質量60kgの人の重量は60kgf=588Nになります。fは力を意味する「force」、wは重さを意味する「weight」の頭文字です。
質量の単位いろいろ
生活に必要不可欠な質量の単位は、世界各国で独自の発展を遂げました。代表的な例として、日本とアメリカ・イギリスの単位を紹介しましょう。
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