今回は吹奏楽とオーケストラの違いを解説していきます。学生時代の部活で吹奏楽部があり、馴染みがある人も多いでしょう。オーケストラは敷居が高いイメージを持っている人もいるかもしれない。しかし改めて違いを聞かれると、明確に説明するのは難しいのではないでしょうか。違いはズバリ楽器の編成の違いなのですが、演奏する曲やメインとなる楽器など違いがいろいろあるようです。今回は定義から確認しつつ、元オーケストラ団員の篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

文学部卒の元オーケストラ団員。ヴァイオリンを担当していた。今回はその経験をもとに、詳しく解説していく。

違いその1.編成

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吹奏楽とオーケストラの大きな違いは演奏している楽器の編成です。ここからはそれぞれの編成と、使われている楽器の例をみていきましょう。

吹奏楽:管楽器・打楽器

吹奏楽は管楽器と打楽器で編成され、管楽器による演奏がメインとなっています。主旋律を担当する楽器はクラリネットです。そしてオーケストラとの大きな違いは弦楽器がいないことですが、コントラバスという弦楽器が入ることも。複数人で同じ楽器・同じパートを担当するのが特徴で、個人の演奏は目立ちません。以下は吹奏楽で使われている楽器の例です。

金管楽器
・トランペット
・ホルン
・チューバ
・ユーフォニアム
・トロンボーン
木管楽器
・フルート
・オーボエ
・クラリネット
・サクソフォーン
・ファゴット
打楽器
・ティンパニ
・シンバル
・バスドラム
・スネアドラム

オーケストラ:管楽器・打楽器・弦楽器

オーケストラは管楽器・打楽器に加え、弦楽器も含みます。主旋律を担当する楽器はヴァイオリンです。吹奏楽とは違い管楽器で1人が1つのパートを担当するため、個人の演奏が目立ちます。またオーケストラにはサクソフォーンとユーフォニアムが使われていないのも特徴で、これはクラシックの作曲家たちが生きていた時代には、この2つがまだ生まれていなかったことが理由です。

以下はオーケストラで使われている弦楽器の例となります。

\次のページで「ブラスバンドとの違いは?」を解説!/

弦楽器
・ヴァイオリン
・チェロ
・コントラバス
・ヴィオラ

ブラスバンドとの違いは?

ではブラスバンドとの違いはなんでしょうか。日本ではブラスバンドと吹奏楽を同じものと思っている人も多いようですが厳密にいうと、この2つは使用する楽器の種類が違います。ブラスバンドでは金管楽器と打楽器のみで編成されていて、主旋律を担当する楽器はコルネット(トランペットに似た金管楽器)です。

違いその2.演奏する曲

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身近なイメージの吹奏楽と、敷居の高いイメージのオーケストラ。演奏する曲にも違いはあるのでしょうか。ここからは、それぞれが演奏する曲を紹介していきます。

吹奏楽:いろいろなジャンルの曲

吹奏楽ではクラシックやジャズ、流行りの曲などいろいろなジャンルの曲を演奏します。吹奏楽コンクールや学校行事などで演奏するので、聴く人みんなに親しみを持ってもらうための曲を演奏しているのですね。

オーケストラ:クラシック

オーケストラではクラシックをメインに演奏します。交響曲や管弦楽曲と呼ばれるジャンルがクラシックの代表です。例えば「威風堂々」や「カノン」などは有名なので、聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。ただし映画の曲やゲームの曲など、親しみのある曲を演奏する場合もあります。

\次のページで「違いその3.歴史」を解説!/

違いその3.歴史

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吹奏楽やオーケストラは、どのようにして始まったのでしょうか。ここからは歴史の違いをみていきましょう。

吹奏楽:軍楽隊が発足したのが始まり

日本での吹奏楽の歴史は、明治時代にまでさかのぼります。1869年に陸軍・海軍の軍楽隊が発足し、大正時代になると学校音楽でも吹奏楽が取り入れられることに。その後一般市民にも浸透していき、昭和時代になると演奏会やコンクールが行われるようになりました。平成に入ると人気テレビ番組で吹奏楽が取り上げられ、吹奏楽の知名度が一気に上がったのです。

オーケストラ:オペラの伴奏として演奏したのが始まり

オーケストラの語源はオルケーストラ(ギリシャ語)が由来で、これは舞台と観客席のあいだの半円型のスペースを指しています。そしてオーケストラの原型になったのは、バロック時代のオペラの伴奏として演奏したのが始まりです。その後、金管楽器や打楽器が加わって、大規模な今の形となりました。

特徴を知って音楽を楽しもう!

ここまで違いをみてきて、吹奏楽とオーケストラの編成の違いは弦楽器があるかどうかということがわかりました。そのほか演奏する曲や歴史にも違いがありましたね。音楽に興味のある学生さんはぜひ、吹奏楽部も体験してみてください!そしてオーケストラは敷居が高いと思われがちですが、機会があればコンサートやCDで演奏を楽しんでみるのはいかがでしょうか。

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雑学

簡単でわかりやすい!吹奏楽とオーケストラの違い!ブラスバンドとの違いも元オーケストラ団員が詳しく解説

今回は吹奏楽とオーケストラの違いを解説していきます。学生時代の部活で吹奏楽部があり、馴染みがある人も多いでしょう。オーケストラは敷居が高いイメージを持っている人もいるかもしれない。しかし改めて違いを聞かれると、明確に説明するのは難しいのではないでしょうか。違いはズバリ楽器の編成の違いなのですが、演奏する曲やメインとなる楽器など違いがいろいろあるようです。今回は定義から確認しつつ、元オーケストラ団員の篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

文学部卒の元オーケストラ団員。ヴァイオリンを担当していた。今回はその経験をもとに、詳しく解説していく。

違いその1.編成

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吹奏楽とオーケストラの大きな違いは演奏している楽器の編成です。ここからはそれぞれの編成と、使われている楽器の例をみていきましょう。

吹奏楽:管楽器・打楽器

吹奏楽は管楽器と打楽器で編成され、管楽器による演奏がメインとなっています。主旋律を担当する楽器はクラリネットです。そしてオーケストラとの大きな違いは弦楽器がいないことですが、コントラバスという弦楽器が入ることも。複数人で同じ楽器・同じパートを担当するのが特徴で、個人の演奏は目立ちません。以下は吹奏楽で使われている楽器の例です。

金管楽器
・トランペット
・ホルン
・チューバ
・ユーフォニアム
・トロンボーン
木管楽器
・フルート
・オーボエ
・クラリネット
・サクソフォーン
・ファゴット
打楽器
・ティンパニ
・シンバル
・バスドラム
・スネアドラム

オーケストラ:管楽器・打楽器・弦楽器

オーケストラは管楽器・打楽器に加え、弦楽器も含みます。主旋律を担当する楽器はヴァイオリンです。吹奏楽とは違い管楽器で1人が1つのパートを担当するため、個人の演奏が目立ちます。またオーケストラにはサクソフォーンとユーフォニアムが使われていないのも特徴で、これはクラシックの作曲家たちが生きていた時代には、この2つがまだ生まれていなかったことが理由です。

以下はオーケストラで使われている弦楽器の例となります。

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