この記事では二期作と二毛作の違いについてみていきます。どちらも田んぼや畑を有効に活用して、収穫を増やすための方法なんです。違いはずばり同じ作物を二回作るのか、異なる二種類の作物を作るのかにあるみたいです。今回はそんな田畑の活用方法について、間違えやすい輪作や、テストにも出る二期作と二毛作の覚え方についても雑学好きライターtotoと一緒にみていきます。

ライター/toto

中高生男子を育てる主婦。日常で子供達が使う聞きなれないことばや新語などを調べてはインプットして楽しんでいる。普段は違いがよくわからないままやりすごしていることばのちがいを、丁寧にわかりやすく説明していく。

二期作と二毛作の違いとは?

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二期作と二毛作は、どちらも有効に田畑の耕作地を活用して、収穫量を増やすための方法なんですよ。一年で同じ田畑で一つのものを育て収穫するより、二回収穫できたり、二種類収穫できた方が収益が上がりますよね!そのような耕作地利用についてみていきましょう。

二期作:一年で同じ作物を二回つくること

二期作は同じ田畑で、一年に同じ作物を二回作ることなんですよ。コメに対して使われることが多いことばです。しかしコメの生産量が需要よりも多く、1969年から国が稲の作付けを休止するなど生産調整がとられたため、コメの二期作は今の日本ではほとんど行われていません。

二毛作:一年で二種類の作物をつくること

二毛作は同じ田畑で、一年に二種類の作物を作ることです。日本ではコメと、コムギなどの麦類の二毛作が広く行われていました。短期間で生育する野菜を育てると、三毛作や四毛作などの多毛作もできるのですよ。

夏には野菜がよく育ちますよね。その夏に育てる主作物を表作(おもてさく)、その後の秋冬に育てる作物を裏作(うらさく)と呼びます。コメとコムギの二毛作ではコメが表作、コムギが裏作ですね。

二期作と二毛作の特徴と、輪作について

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二期作は台風の影響をさけてコメの生産量を増やすために広まったものです。また二毛作は年貢でコメを納めていた農民が、自分たちの食料を確保するためにコメ収穫後の耕作地を利用したものだったのですよ。また輪作は二毛作と混同しがちですが、耕作地の地力を安定させるためのものなのです。これらの特徴をそれぞれみていきましょう!

\次のページで「二期作の特徴」を解説!/

二期作の特徴

二期作は台風の影響をさけて、温暖な地域でコメの生産量を増やすために広まりました。年間を通して気温が平均16度以上あるような地域(沖縄、鹿児島、高知など)で行われていたのですよ。

今も東南アジアや中国ではコメの二期作が行われていますが、日本ではほとんどみられません。国が生産調整によってコメの供給量を調整したこと、二期作では品質のよいコメを作るのが難しいことなどが理由です。

今は関東地方の栃木県や神奈川県では、家畜の飼料収穫のためトウモロコシの二期作が行われています。また長崎県ではじゃがいもの二期作が行われているのですよ。

二毛作の特徴

二毛作は鎌倉時代にはじまり、室町時代にかけて西日本から全国に広まりました。農民が年貢をおさめた後の土地で、ムギなどを栽培して自分たちの食料を確保したのです。

鎌倉時代には鉄製農具や家畜の牛などが農業に利用されるようになりました。また田畑に水路を使って水を引く灌漑設備(かんがいせつび)や、草木灰(そうもくばい)などの肥料が発達したことで農業が大きく効率化され、二毛作が広まったのですね。

二毛作には収穫量が増えるというメリットもありますが、二度も作物を栽培するために土地の栄養分が奪われ土地がやせてしまうというデメリットもあるのですよ。

輪作とは?

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ナスを毎年同じ場所で育てるとすぐ枯れてしまったり、品質の悪いものができたりしますよね。同じような性質の植物を同じ場所で長期間育てると、偏った成分だけが成長に利用され土壌のバランスが崩れて土地がやせてしまったり、病害虫の好む環境が作られてしまうのです。これを連作障害(れんさくしょうがい)と呼びます。

作物を続けて栽培するためには、耕作地の地力の低下を防ぎ、回復させることが大切なのですよ。作物の相性も考えながら、一定の順序で周期的に作物を交替で栽培し土壌の養分や微生物のバランスを整え、地力を安定させることを輪作(りんさく)と呼びます

たとえばジャガイモ、コムギ、ダイズを順番に輪作をすると、マメ科のダイズは根に持つ根粒菌で地力を回復させ、収穫量を向上させたり害虫の発生をおさえたりしてくれるのですよ。

二期作と二毛作の覚え方

学力テストにも出てくる二期作と二毛作、よく似ていて覚えにくいですよね。これらは漢字の意味の違いや、気候など地理や歴史にからめて覚えておくといいですよ。二期作も二毛作も、もともとはコメを基本に作っていたので、コメで考えると頭の中が整理されますよ。

二期作:二つの期間

二期作は、一年に二つの「期間」栽培する方法となりますよね。地理の教科で問題にされます。つまり、一年で同じ作物を二回栽培することです。二期作は一年でコメを二回作る方法だったと覚えましょう。今も暖かい東南アジアなどでは、コメの二期作、三期作なども行われていますよ。

\次のページで「二毛作:二つの作物」を解説!/

二毛作:二つの作物

二毛作の「毛」には作物という意味があります。このため二毛作は一年に二つの「作物」を栽培する方法となりますね。二毛作は鎌倉、室町時代の歴史に関係があります。農具、肥料、灌漑設備の発達によって農業の生産能力が上がり、人々の生活が豊かになっていったのですね。

二毛作はコメとムギの2種類の作物を作る方法だったと覚えましょう!土壌の地力を回復させるため、一定の順序で周期的に作物を交替で栽培する輪作と区別して理解してくださいね。

二期作と二毛作は、耕作地利用の違いだった

二期作と二毛作は、どちらも耕作地からより多くの収穫を得るための方法でした。二期作は同じ作物を二回作り、二毛作は二種類の作物を作るのでしたね。

連続して同じ土地で作物を栽培すると、土地がやせよい品質のものが取れなくなります。そのため、農業の分野では土壌改良や品種改良が盛んに研究されているのですよ!

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3分で簡単にわかる二期作と二毛作の違い!輪作や覚え方についても雑学好き主婦ライターがわかりやすく解説

この記事では二期作と二毛作の違いについてみていきます。どちらも田んぼや畑を有効に活用して、収穫を増やすための方法なんです。違いはずばり同じ作物を二回作るのか、異なる二種類の作物を作るのかにあるみたいです。今回はそんな田畑の活用方法について、間違えやすい輪作や、テストにも出る二期作と二毛作の覚え方についても雑学好きライターtotoと一緒にみていきます。

ライター/toto

中高生男子を育てる主婦。日常で子供達が使う聞きなれないことばや新語などを調べてはインプットして楽しんでいる。普段は違いがよくわからないままやりすごしていることばのちがいを、丁寧にわかりやすく説明していく。

二期作と二毛作の違いとは?

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二期作と二毛作は、どちらも有効に田畑の耕作地を活用して、収穫量を増やすための方法なんですよ。一年で同じ田畑で一つのものを育て収穫するより、二回収穫できたり、二種類収穫できた方が収益が上がりますよね!そのような耕作地利用についてみていきましょう。

二期作:一年で同じ作物を二回つくること

二期作は同じ田畑で、一年に同じ作物を二回作ることなんですよ。コメに対して使われることが多いことばです。しかしコメの生産量が需要よりも多く、1969年から国が稲の作付けを休止するなど生産調整がとられたため、コメの二期作は今の日本ではほとんど行われていません。

二毛作:一年で二種類の作物をつくること

二毛作は同じ田畑で、一年に二種類の作物を作ることです。日本ではコメと、コムギなどの麦類の二毛作が広く行われていました。短期間で生育する野菜を育てると、三毛作や四毛作などの多毛作もできるのですよ。

夏には野菜がよく育ちますよね。その夏に育てる主作物を表作(おもてさく)、その後の秋冬に育てる作物を裏作(うらさく)と呼びます。コメとコムギの二毛作ではコメが表作、コムギが裏作ですね。

二期作と二毛作の特徴と、輪作について

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二期作は台風の影響をさけてコメの生産量を増やすために広まったものです。また二毛作は年貢でコメを納めていた農民が、自分たちの食料を確保するためにコメ収穫後の耕作地を利用したものだったのですよ。また輪作は二毛作と混同しがちですが、耕作地の地力を安定させるためのものなのです。これらの特徴をそれぞれみていきましょう!

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