この記事ではノーマルヒルとラージヒルの違いについてみていきます。どちらもスキージャンプ競技のイメージがあるよな。違いはずばりジャンプ台のサイズのようですが、調べてみると採点方法にも違いがあるみたいです。今回はそんなスキージャンプ競技のルールの違いを確認しつつ、さらに用具についてもスポーツ好きライターの斉藤佳人と一緒に解説していきます。

ライター/斉藤佳人

お米農家、メカエンジニア、ロボット教室講師、スポーツトレーナーと複数の仕事をこなすマルチワーカー。豊富な知識と経験をもとにライター業にも取り組んでいる。

ノーマルヒルとラージヒルの違いはジャンプ台のサイズと採点方法!

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冬のオリンピックやワールドカップの代表的なスポーツにスキージャンプがありますね。「ノーマルヒル」と「ラージヒル」という言葉がありまが、その違いはジャンプ台のサイズ(ヒルサイズ)と採点方法にあります。まずはスキージャンプ競技についておさらいしてから、2つの違いについて具体的に見ていきましょう。

スキージャンプ競技についておさらい

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スキージャンプ競技はノルディックスキー競技の1つです。急斜面のジャンプ台から滑り降りて助走し、踏み切り台から空中に飛び出して、空中での姿勢の美しさと飛距離を競うスポーツ。飛型の美しさと飛距離をポイント化して合計点を競います。

風の影響などで危険が予測される場合にはスタート地点を下げ、その分だけポイントを加算するゲートファクターと、追い風・向かい風を考慮するウインドファクターも合計点に加味されますね。

着地はテレマーク姿勢と呼ばれる独特のスタイルが定着しています。両手を水平に広げて足を前後に開き片膝が地面につくような形。テレマーク姿勢と呼ばれるのはスキージャンプがノルウェーのテレマーク地方発祥ということに由来します。

違いその1:ジャンプ台のサイズの違い

ジャンプ台のサイズのことをヒルサイズと呼びます。ヒルサイズは踏み切り地点からこれ以上飛ぶと危険とされる着地区域の終点までの距離。ヒルサイズが85mから109mまでをノーマルヒル、110m以上をラージヒルと呼ぶのです。他にもスモールヒル、ミディアムヒル、フライングヒルがあり、まとめると次のように規定されています。

●スモールヒル:20~49m
●ミディアムヒル:50~84m
●ノーマルヒル:85~109m
●ラージヒル:110m以上
●フライングヒル:185m以上

以前はK点を基準としてジャンプ台のサイズが規定されていました。実はルール改正によりK点の意味も変わっているのです。これ以上飛ぶと危険とされる地点のことを、ドイツ語で極限点を意味する「Kritischer Punkt」からK点と呼びました。

現在ではドイツ語で建築基準点という意味の「Konstruktionspunkt」の頭文字。K点を越えると「危険」というイメージを払拭する狙いがあったとされています。

\次のページで「違いその2:採点方法の違い」を解説!/

違いその2:採点方法の違い

競技としてのノーマルヒルとラージヒルでは飛距離の採点のしかたに違いがあります。踏み切り台の先端から着地点までの距離が飛距離。K点まで飛んだ時の点数を60点として、飛距離がK点よりも1m長くなるごとにポイントが加算されます。加算ポイントがノーマルヒルは2ポイント、ラージヒルが1.8ポイント。K点に満たない場合には減点となります。

スキージャンプ競技の用具についても知ろう!

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スキージャンプ特有の用具に、スキーウエアとスキー板があります。順番に見ていきましょう。

スキーウエア

スキージャンプではウエットスーツのようなジャンプスーツの着用が義務づけられています。厚さは4~6mm。ジャンプスーツの表面積が大きいほど空気抵抗が大きくなり飛距離が伸びますね。大きめのスーツを着用して飛距離を稼ぐことを防ぐ目的で、体型に合わせたサイズのスーツの着用が義務づけられているのです。

しかし、選手の体型が変わることにより意図しなくても「大きなサイズ」のスーツを着用していると判断され失格となる場合も。スーツの規定はジャンプ技術や材質の向上とともにたえず議論が行われています。

スキー板の規定

スキー板の長さも飛距離に大きく影響するため、ルールで規定されています。規定に使われるのは身長とスーツを着用した時の体重から算出されるBMI。BMIは「体重÷身長÷身長」によって求められる数値です。

BMIが21以上の選手の場合は、身長の145.0%の長さの板を使うことができます。21%以下の場合はBMIが0.125減るごとに0.5%を145%から引いた長さの板を使うのです。仮にBMIが19.5%の選手は、身長に対して139%の長さのスキー板を使用できることになりますね。

飛距離を伸ばすためには減量も大切。しかし、過度な減量は選手の健康を害すため、選手の健康を守るためにBMIによって使用できるスキー板の長さを規定しているのです。

\次のページで「ジャンプ台の高さの違いを知ってスキージャンプ観戦を楽しもう!」を解説!/

ジャンプ台の高さの違いを知ってスキージャンプ観戦を楽しもう!

ノーマルヒルとラージヒルの違いはジャンプ台のサイズの違いでした。助走距離がより長いラージヒルのほうがダイナミックなジャンプを楽しむことができ、ノーマルヒルは国際大会の女子選手の主要種目となっています。ジャンプ台の違いを知ってスキージャンプの観戦に役立てましょう。

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雑学

3分で簡単にわかる!ノーマルヒルとラージヒルの違いとは?スキージャンプ競技のルールや用具もスポーツ好きライターが詳しく解説

この記事ではノーマルヒルとラージヒルの違いについてみていきます。どちらもスキージャンプ競技のイメージがあるよな。違いはずばりジャンプ台のサイズのようですが、調べてみると採点方法にも違いがあるみたいです。今回はそんなスキージャンプ競技のルールの違いを確認しつつ、さらに用具についてもスポーツ好きライターの斉藤佳人と一緒に解説していきます。

ライター/斉藤佳人

お米農家、メカエンジニア、ロボット教室講師、スポーツトレーナーと複数の仕事をこなすマルチワーカー。豊富な知識と経験をもとにライター業にも取り組んでいる。

ノーマルヒルとラージヒルの違いはジャンプ台のサイズと採点方法!

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冬のオリンピックやワールドカップの代表的なスポーツにスキージャンプがありますね。「ノーマルヒル」と「ラージヒル」という言葉がありまが、その違いはジャンプ台のサイズ(ヒルサイズ)と採点方法にあります。まずはスキージャンプ競技についておさらいしてから、2つの違いについて具体的に見ていきましょう。

スキージャンプ競技についておさらい

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スキージャンプ競技はノルディックスキー競技の1つです。急斜面のジャンプ台から滑り降りて助走し、踏み切り台から空中に飛び出して、空中での姿勢の美しさと飛距離を競うスポーツ。飛型の美しさと飛距離をポイント化して合計点を競います。

風の影響などで危険が予測される場合にはスタート地点を下げ、その分だけポイントを加算するゲートファクターと、追い風・向かい風を考慮するウインドファクターも合計点に加味されますね。

着地はテレマーク姿勢と呼ばれる独特のスタイルが定着しています。両手を水平に広げて足を前後に開き片膝が地面につくような形。テレマーク姿勢と呼ばれるのはスキージャンプがノルウェーのテレマーク地方発祥ということに由来します。

違いその1:ジャンプ台のサイズの違い

ジャンプ台のサイズのことをヒルサイズと呼びます。ヒルサイズは踏み切り地点からこれ以上飛ぶと危険とされる着地区域の終点までの距離。ヒルサイズが85mから109mまでをノーマルヒル、110m以上をラージヒルと呼ぶのです。他にもスモールヒル、ミディアムヒル、フライングヒルがあり、まとめると次のように規定されています。

●スモールヒル:20~49m
●ミディアムヒル:50~84m
●ノーマルヒル:85~109m
●ラージヒル:110m以上
●フライングヒル:185m以上

以前はK点を基準としてジャンプ台のサイズが規定されていました。実はルール改正によりK点の意味も変わっているのです。これ以上飛ぶと危険とされる地点のことを、ドイツ語で極限点を意味する「Kritischer Punkt」からK点と呼びました。

現在ではドイツ語で建築基準点という意味の「Konstruktionspunkt」の頭文字。K点を越えると「危険」というイメージを払拭する狙いがあったとされています。

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