
簡単でわかりやすい!フヨウとムクゲの違いとは?見分け方やその仲間について農学専攻ライターが詳しく解説
ムクゲの基本情報
学名:Hibiscus syriacus
原産地:中国
開花時期:6〜10月
花の色:白〜紅紫(中央は紅色)
花言葉:「デリケートな愛」「信念」
フヨウとムクゲの見分け方3点

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ともにフヨウ属のフヨウとムクゲは、似た花を咲かせます。ですが花をよく観察すると、両者は別物だとわかるはず。くわえてフヨウとムクゲは、花以外が大きく異なるのです。ここでは、フヨウ・ムクゲの見分け方について解説。以下の3つの違いを押さえておくだけで、両者を簡単に見分けることができます!
その1.花の「雌しべ」の向き
フヨウとムクゲは、どちらもフヨウ属で、よく似た花をつけます。そんな両者では、花の「雌しべ」の形に違いが存在。まずフヨウの雌しべは上向きに、大きくカーブしています。対してムクゲの雌しべは、まっすぐ伸びているのです。
ただフヨウとムクゲの、「八重咲き」の品種では話が別。八重咲きとは、雄しべ・雌しべが花びらに置き換わる変わり種のこと。八重咲きの場合、フヨウ・ムクゲの花は見分けがつきません。よって以下の、葉と樹全体の外観の違いが重要となるのです。
その2.葉の見た目
葉に注目すれば、フヨウとムクゲを一目で見分けられます。両者の葉は、形と色などが異なるのです。まずは、形の違いから。フヨウの葉は、先が3〜5つに分かれた、「手のひら」のような形をしています。一方ムクゲでは、葉脈のうち1本だけが長く伸長。葉の先端の枝分かれは目立ちません。そしてムクゲの葉は「鋸歯」といって、ふちの部分がギザギザしています。
つぎにフヨウの葉は、色が薄いのが特徴。ムクゲの葉は濃い緑色ですが、フヨウの葉は色あせて見えるのです。最後に両者の葉は、大きさも違います。フヨウの葉は、付け根から先端まで長さ10〜20cm。さらに横にも、10cm以上広がります。対してムクゲの葉身は、長さ10cm未満と圧倒的に小さいのです。
その3.樹そのものの形
フヨウとムクゲでは、樹の枝振りも違います。フヨウは横に広がった、壁のような樹形が特徴的。なぜならフヨウは、枝分かれが細かく、葉が大きいためです。一方ムクゲの樹は直立姿勢。分かれた枝は、一様に上向きに伸びていきます。さらに葉が小さいムクゲでは、枝の位置がわかりやすいのも特徴です。
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