
簡単でわかりやすい!フヨウとムクゲの違いとは?見分け方やその仲間について農学専攻ライターが詳しく解説

ライター/2sc
理系の大学院に通うかたわら、ライターとして活動。技術から生活までさまざまな知識を、科学の視点で解説する。この記事では「ハイビスカス」の仲間である、フヨウとムクゲの違いについてわかりやすく解説していく。
フヨウとムクゲの大まかな特徴

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まずはフヨウとムクゲが、どのような植物なのか紹介していきます。両者の図鑑における分類を、徹底解説。さらにフヨウとムクゲをよく見かける理由についても、みていきましょう!
どちらも「ハイビスカス」
フヨウとムクゲはどちらも、アオイ科フヨウ属の落葉樹。両者はともに「ハイビスカス」の仲間です。じつはフヨウ属は、学名で「ハイビスカス/Hibiscus」と表記。日本で「ハイビスカス」と呼ばれるブッソウゲは、その一種に過ぎません。フヨウ・ムクゲ・ブッソウゲのほかに、アメリカフヨウやモミジアオイなど、さまざまな「ハイビスカス」が存在するのです。
そんなフヨウとムクゲは、典型的な「ハイビスカス」の仲間。両者はともに、夏に開花します。さらにフヨウとムクゲは、開花時期が長いのが特徴。朝開花して夕方にしぼむ「一日花」を、たくさん咲かせます。以下よく似たフヨウ・ムクゲの、大まかな特徴についてみていきましょう!
色が変わる「フヨウ」の花
花が美しいフヨウは、観賞用に人気の樹木。古くは室町時代から、栽培されてきました。そのため八重咲きなど、園芸品種が多いフヨウ。なかでも特筆すべき品種は、酔芙蓉(すいふよう)です。この酔芙蓉の花は、時間が経つにつれて、赤みが強くなるのが特徴。朝に咲いた酔芙蓉の花は、白色から桃色、紅色となって夕方にしぼみます。アントシアニンの増加にともない、フヨウの花の色あいが変わるのです。
また強い生命力をもつフヨウは、関東以南で街路樹とされます。「ハイビスカス」にしては寒さに強いフヨウ。冬になっても、果実と枝だけは残ります。「枯れフヨウ」と呼ばれる、冬の風物詩です。さらにフヨウは、劣悪な環境にも強い樹木。なんとアスファルトの隙間からも、芽吹くことができます。そのためフヨウは高速道路で、しばしば見かける街路樹なのです。
フヨウの基本情報
学名:Hibiscus mutabilis
原産地:中国
開花時期:7〜9月
花の色:白〜紅
花言葉:「繊細な美」「しとやかな恋人」
「ムクゲ」は韓国の国花
ムクゲは韓国の国花。韓国語で無窮花(ムグンファ)と呼ばれます。ムクゲは寒さに強い、ハイビスカス。平均気温が氷点下となる、冬の韓国でも枯れません。さらにムクゲは、開花時期が長いのも特徴。梅雨ごろから秋まで、粘り強く花を咲かせ続けます。
そんなムクゲは、日本でもよくみられる樹木。しばしば生垣に用いられます。ムクゲが生垣に向く一番の理由は、その生命力の強さ。寒さだけでなく、刈り込みや剪定にも耐えてくれます。加えてムクゲの品種は、八重咲きや半八重咲きなど多種多様。フヨウとともに、ムクゲは人気のフヨウ属植物なのです。以下この記事では、しばしば目にするフヨウ属、フヨウとムクゲの見分け方を紹介していきます。
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