いずれも民衆の不満が爆発した暴動のように見えるが、いったいこの2つの違いは何なんでしょうな。
今回は「百姓一揆」と「打ちこわし」の違いについて、歴史好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。
ライター/おおつけ
現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。子どものころから歴史が大好き。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。
百姓一揆と打ちこわしの違い
image by iStockphoto
身分制度が厳しく整備されていた時代、弱い立場の民衆は一方的にしいたげられていたました。そんな民衆の不満が爆発した事件が「百姓一揆」と「打ちこわし」です。ですがこの「百姓一揆」と「打ちこわし」にはどのような違いがあるのか、理解している人は少ないのではないでしょうか。ここでは「百姓一揆」と「打ちこわし」の違いについて解説していきます。
こちらの記事もおすすめ
3分で簡単「一向一揆」一向って何?一揆が起こった原因は?歴史オタクがわかりやすく解説
百姓一揆:農民が農村で蜂起
「百姓一揆」とは農民が農村で領主や役人に対して蜂起(ほうき)することです。百姓とは農民の別称。今でこそ百姓(ひゃくしょう)とは単純に農業従事者のことを意味しますが、元々は農作業の課税対象者という意味でもありました。また「田舎者」、「あかぬけない者」といった侮蔑のニュアンスを含んでもいました。
ちなみに蜂起とは「蜂が巣からいっせいに飛び立つように、大勢の者がいっせいに立ち上がること」を意味します。我慢の限界を超えた民衆たちが一つになって戦ったんですね。
打ちこわし:都市部の貧困層が蜂起
「打ちこわし」とは都市に定住している貧困層が、都市の商人を襲った事件です。特に豪商(ごうしょう:大規模な商売を行う商人)は市場価格を決めるほどの力があったり、役人から優遇されていたことからターゲットにされていました。名前の通り、食料が貯蓄されている倉庫などを破壊(打ちこわし)て実行されました。
なぜ百姓一揆と打ちこわしが起こったのか
image by iStockphoto
「百姓一揆」と「打ちこわし」の違いについてはおわかりいただけたと思います。ここで気になるのは、なぜこれらの事件が発生したのかという原因ですよね。ここでは「百姓一揆」と「打ちこわし」の原因について解説していきます。
\次のページで「百姓一揆:年貢の減免や役人の交代などを要求した」を解説!/