ですが近年では「栽培漁業」という言葉も知られるようになってきた。
なんとなく似たような言葉ですが、両者の違いを知っている人は多くはないんじゃないか。
この2つの漁業の違いについて、雑学好きライターおおつけと一緒に解説していきます。
ライター/おおつけ
現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。
養殖漁業と栽培漁業の違い
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漁業とは魚介類を捕獲したり飼育したりする水産業の一種ですね。この中でも魚介類を飼育するという点で共通している漁業が「養殖漁業」と「栽培漁業」です。しかし両者の違いは一般的にあまり知られていません。ここではまず「養殖漁業」と「栽培漁業」の違いについて解説していきます。
養殖漁業:卵や稚魚から出荷まで育てる
「養殖漁業」とは魚介類を卵・稚魚から出荷まで飼育する漁業。卵や稚魚の時点から、人口の生け簀や養殖池で成長させてから出荷しているんです。近年では陸上に人工海水の施設を設置し、海水魚を陸上で育てる「養殖漁業」も普及しています。
栽培漁業:自然界では生きにくい期間のみ育てる
「栽培漁業」とは魚介類が自然界では生きにくい期間のみ飼育し、ある程度成長したら海や河川に放流する漁業です。出荷できるレベルまで海や川で成長したものを捕獲し出荷します。卵や稚魚の段階では外的や環境変化により死亡する確率が高いので、自然界での死亡率が下がる大きさまで飼育する方法です。
養殖漁業と栽培漁業のメリット
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「養殖漁業」と「栽培漁業」の違いは、飼育する期間にあることをおわかりいただけたと思います。ではそれぞれ、どのような理由から生産方法として採用されているのでしょうか。ここでは両者のメリットを解説していきます。
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