今日は担子菌類について話していきます。「担子菌類」という言葉は聞いたことがない人が大半でしょう。「菌」という名前からヒトに対して有害なものというイメージがあるかもしれないが、「担子菌類」は別の言い方をすると食卓に並ぶ、我々の生活になじみ深いものもあるんです。担子菌類の生物学上の分類から日常生活の中の担子菌類について広く生物に詳しいライターmimosa(ミモザ)と一緒に解説していきます。

ライター/mimosa

もともと文系出身で、独学で生物学、生化学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。

担子菌類の生物学上の分類

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担子菌は菌類の仲間です。別の記事で菌類について書いていてその中でも担子菌類について触れていますが、今回は担子菌類にフォーカスして説明していきますね。担子菌類は菌類であり、子実体をつくるという特徴がありますよ。子実体とはキノコのことです。まずは菌類が生物学上の分類でどのように位置するのかについて説明していきますね。

ウーズの6界説と3ドメイン説

ウーズの6界説と3ドメイン説

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生物学者のウーズが1990年に提唱した3ドメイン説については別の記事で触れたので、3ドメイン説の前に提唱された6界説も含めて説明していきますね。ウーズは今までの生物学者と違って、リボソームRNAなど分子生物学上のデータに基づいて生物を分類する6界説や3界説を唱えました。

現在では3界説がメインで使われていて、菌類は真核生物にあたりますが、もともと6界説では菌界という分類がなされていましたよ。

生物の栄養獲得方法

生物の栄養獲得方法

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生物を分類するうえでどのように栄養を外部から獲得しているかということは、生物を分類する時に重要です。栄養の獲得方法は独立栄養従属栄養に分かれますよ。こちらも生物学の観点で担子菌類が属する菌類についてみるときに役立ちますので覚えておきましょう。

独立栄養とは、からだの中で無機物を有機物に合成ができることです。植物が行う光合成がその例ですね。その独立栄養生物には、植物の他に光合成細菌、化学合成細菌がいます。従属栄養は、自分自身で有機物を合成できない生物です。菌類も従属栄養生物なのですよ。私たちヒトや他の動物と同じですね。外部から有機物を摂取する必要があります。

菌類の生態系の中での役割

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生態系の中での菌類の役割は、分解者に当たりますよ。生態系のなかの役割は、生産者、消費者、分解者があります。これは、生態系のなかの有機物の流れで分類されていますよ。言い換えれば栄養獲得方式によって分類されているということです。

独立栄養生物は生産者、ヒト、動物は消費者になります。菌類もヒトと同じ従属栄養生物と説明しましたが、消費者としてよりも分解者としての役割を担っていますよ。分解者には有機物を無機物に変える働きがあります。

\次のページで「菌類とは」を解説!/

菌類とは

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菌類は従属栄養の生物に当たりますよ。菌類はさらに4つに分かれていて接合菌門、ツボカビ門、子嚢菌門、担子菌門に分かれています。この章では、担子菌以外の3つの菌類について簡単に特徴を説明しますね。担子菌類については別の章で詳しく見ていきましょうね。

担子菌類を含む菌類の特徴

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この章で紹介した、菌類の4つの門について概要を説明しますね。接合菌門は、カビの一種です。仲間にはケカビ、クモノスカビがありますよ。菌糸の先に胞子のうができます。まち針のような見た目です。ツボカビ門もカビの一種ですが、鞭毛があり、動き回ることができます。丸みを帯びた見た目なので、名前の中にツボが入っていますよ。ちなみに、これら菌類の肉眼で見える姿は、菌糸がたくさん集まってできた集合体なんですよ。

子嚢菌類については不思議でカビの仲間でありながら、子実体をつくるものがあります。子実体をつくらないアオカビ、アカカビ、子実体をつくるのはチャワンタケ、セミタケという冬虫夏草の一種がありますよ。

菌類の生活環

菌類の生活環

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生物における生活環とは、生物の成長や生殖に伴う変化が一回りする間の様子を表しています。核が合成されたり減数分裂をしたりなど核相について見ていくのがポイントです。

菌類は胞子で繁殖しますが、担子菌類は担子器というところで胞子が形成されます。担子菌類には単相の1核(n)を持つ一次菌糸と一次菌糸どうしが接合している単相の2核(n+n)二次菌糸がありますよ。子実体をつくるのは二次菌糸の時です。子実体のひだの部分の二次菌糸の先端で核融合が起こり2nの核が形成され、減数分裂を経て単相(n)の担子胞子が4個できるのですね。

担子菌の子実体

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この記事の冒頭でも説明しましたが、子実体はわかりやすく言い換えるとキノコですよ。一口にキノコと言っても、種類によって形態のバリエーションが様々です。担子菌の子実体には、傘のある子実体がほとんどですから、マツタケ、シメジ、シイタケなどがあります。これらは食卓でおなじみですね。

他に傘を持つ子実体で、ベニテングダケ、ドクツルタケ、クリイロカラカサタケといった毒キノコも同じ担子菌類の子実体になりますよ。

\次のページで「他の菌類の子実体」を解説!/

他の菌類の子実体

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菌類で子実体をつくるのは担子菌類のほかにも子嚢菌類がありますよ。繁殖の際の胞子の形成と子実体の特徴も違っています。胞子形成の際に、担子菌類には担子器の中で胞子が形成されましたが、子嚢菌は子嚢という袋の中で胞子が形成されますよ。

担子菌類には傘がある子実体がほとんどですが、子嚢菌類の子実体は、傘がなく、チャワンタケというキノコのように内側がくぼんでいたり、アミガサダケのように表面に網目状のくぼみが形成され、このくぼみは子嚢盤と言われます。

自然界や私たちの生活にも存在する担子菌類

担子菌類は、名前に菌がついていても、細菌とは生物学上別の分類になります。担子菌類は菌類の仲間であり、自然界の役割では動物の死骸や排泄物などの有機物を無機物に変える分解者という役割を担っておりまた従属栄養生物であるといえますね。

菌類の仲間には接合菌門、ツボカビ門、子嚢菌門、担子菌門があります。この中で子実体といういわゆるキノコをつくるのは子嚢菌類、担子菌類。担子菌類の胞子形成は、担子器という中で胞子が形成されます。この担子器はキノコでいう傘の中にありますよ。だから担子菌類のキノコは傘のあるキノコが仲間なのですね。担子菌類のキノコはすべてが食用に適するわけではありません。

山へ出かけると菌類を含め様々な微細な生物に出会います。足元を見たら不思議な発見があるかもしれませんね。

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理科生物

簡単でわかりやすい!担子菌類て何?実は良く食べているかも?医学系研究スタッフがわかりやすく解説

他の菌類の子実体

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菌類で子実体をつくるのは担子菌類のほかにも子嚢菌類がありますよ。繁殖の際の胞子の形成と子実体の特徴も違っています。胞子形成の際に、担子菌類には担子器の中で胞子が形成されましたが、子嚢菌は子嚢という袋の中で胞子が形成されますよ。

担子菌類には傘がある子実体がほとんどですが、子嚢菌類の子実体は、傘がなく、チャワンタケというキノコのように内側がくぼんでいたり、アミガサダケのように表面に網目状のくぼみが形成され、このくぼみは子嚢盤と言われます。

自然界や私たちの生活にも存在する担子菌類

担子菌類は、名前に菌がついていても、細菌とは生物学上別の分類になります。担子菌類は菌類の仲間であり、自然界の役割では動物の死骸や排泄物などの有機物を無機物に変える分解者という役割を担っておりまた従属栄養生物であるといえますね。

菌類の仲間には接合菌門、ツボカビ門、子嚢菌門、担子菌門があります。この中で子実体といういわゆるキノコをつくるのは子嚢菌類、担子菌類。担子菌類の胞子形成は、担子器という中で胞子が形成されます。この担子器はキノコでいう傘の中にありますよ。だから担子菌類のキノコは傘のあるキノコが仲間なのですね。担子菌類のキノコはすべてが食用に適するわけではありません。

山へ出かけると菌類を含め様々な微細な生物に出会います。足元を見たら不思議な発見があるかもしれませんね。

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