この記事では軸受けとベアリングの違いについてみていきます。どちらも回転しているものに使われているイメージがあるよな。調べてみると歴史は古くさまざまな種類があり、気づかないところでもたくさん使われているみたいです。今回は現役メカエンジニアライターの斉藤佳人と一緒に解説していきます。

ライター/斉藤佳人

お米農家、メカエンジニア、ロボット教室講師、スポーツトレーナーと複数の仕事をこなすマルチワーカー。豊富な知識と経験をもとにライター業にも取り組んでいる。

軸受けとベアリングの違いとは?

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軸受けとベアリングはどちらも回転するものを支えるイメージがありますね。ベアリングのことを日本語で軸受けと呼んでいます。ベアリングのスペルは「Bearing」で、「支える」や「耐える」という意味。回転している軸を受け支えるという意味で日本語では「軸受け」と呼ぶのです。

軸受けの役割

普段はなかなか目にする機会の少ない軸受けですが、たくさんのところに使われています。軸受けの役割は回転するものの「摩擦」を減らすこと。

自動車のタイヤは高速で回転していますが、仮に軸受けがなかったとしたら、摩擦によって熱や音が発生して効率が悪くなってしまいます。自動車の燃費も悪くなってしまいそうですね。そして回転には大きな力が働くため、軸の位置を適正に保持するという役割も担っています。

摩擦を減らすことで、「回転のロスを減らし効率を高める」、「機械の寿命を長くする」、「機械の故障を減らす」といった役割をする、縁の下の力持ちのような存在です。

軸受けの用途

自動車だけではなく、自転車や洗濯機、扇風機、プリンターなどの「回転」を利用するものの内部には必ずと言ってよいほど軸受けが使われているといってよいでしょう。

一般的な自動車には100個から150個ものベアリングが使われていると言われています。ほかにも風力発電機は風の力を受けてプロペラが回転して、その力を伝えることで発電しますね。この回転効率を高めることが発電効率の向上につながります。

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軸受けの分類その1.軸の受け方

軸受けは「軸の受け方」で2つに分類できます。ボールやころなどの転動体を使う「転がり軸受け」と、転動体を使わない「すべり軸受け」。2つの構造の違いについて見ていきましょう。

1.転がり軸受け

ボールやコロなどの転動体を使う軸受けを「転がり軸受け」といいます。軸の周囲をぐるっと転動体で支えることで、軸が回転した時に転動体も回転して摩擦を減らす構造。ボールを使った軸受けをボールベアリングなどと呼びますね。ボールは高速回転に、コロは強い力がかかる場合に適しています。

2.滑り軸受け

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ボールやコロを使わない軸受けを「滑り軸受け」と呼びます。摩擦の小さい材質で作られた円筒形の軸受け。鉄や銅などの金属製のものから樹脂や金属の粉を焼結して作られるものもあり、軸と軸受けの間に空気や潤滑油を介在させて摩擦を低減します。

材質そのものに潤滑性や、水や静電気に強いなどの特徴を持つものも。比較的、回転が遅い場合に使われますね。構造がシンプルで強度があり振動に強いというメリットがあります。軸と軸受けで直接支えているので、転がり軸受けより摩擦は大きいといえるでしょう。

軸受けの分類その2.荷重方向

次に軸受けにかかる荷重の方向での分類を見ていきましょう。軸に対して垂直にかかる荷重を「ラジアル荷重」、軸と同じ方向にかかる荷重を「スラスト荷重」と呼びます。

1.ラジアル方向

軸に対して垂直方向に働く荷重がラジアル荷重ですが、この力に耐えることに向いている軸受けをラジアル軸受けと呼びます。ローラースケートのような、上からの荷重に耐える必要がある場所に使われていますね。電車や自動車、重機などのタイヤにも使われています。

2.スラスト方向

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軸と同じ方向の荷重をスラスト荷重と呼び、スラスト荷重に強い軸受けが「スラスト軸受け」です。スラスト軸受けの例はCNC旋盤やボール盤があげられます。ドリルを回転させながら対象物にドリルを押し付けて切削を行う工具に用いられていますね。

\次のページで「日常で使われている軸受けの理解を深めよう!」を解説!/

日常で使われている軸受けの理解を深めよう!

日常生活ではなかなか目にすることの無い軸受けですが、様々なところに使われています。自動車や電車から、扇風機や洗濯機などの身近な家電製品にまで広くつかわれていることがわかりましたね。軸受けは摩擦を低減することでエコでクリーンな生活を支えてくれているのです。

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雑学

3分で簡単にわかる軸受けとベアリングの違い!軸受けの種類と用途も理系ライターが詳しく解説

この記事では軸受けとベアリングの違いについてみていきます。どちらも回転しているものに使われているイメージがあるよな。調べてみると歴史は古くさまざまな種類があり、気づかないところでもたくさん使われているみたいです。今回は現役メカエンジニアライターの斉藤佳人と一緒に解説していきます。

ライター/斉藤佳人

お米農家、メカエンジニア、ロボット教室講師、スポーツトレーナーと複数の仕事をこなすマルチワーカー。豊富な知識と経験をもとにライター業にも取り組んでいる。

軸受けとベアリングの違いとは?

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軸受けとベアリングはどちらも回転するものを支えるイメージがありますね。ベアリングのことを日本語で軸受けと呼んでいます。ベアリングのスペルは「Bearing」で、「支える」や「耐える」という意味。回転している軸を受け支えるという意味で日本語では「軸受け」と呼ぶのです。

軸受けの役割

普段はなかなか目にする機会の少ない軸受けですが、たくさんのところに使われています。軸受けの役割は回転するものの「摩擦」を減らすこと。

自動車のタイヤは高速で回転していますが、仮に軸受けがなかったとしたら、摩擦によって熱や音が発生して効率が悪くなってしまいます。自動車の燃費も悪くなってしまいそうですね。そして回転には大きな力が働くため、軸の位置を適正に保持するという役割も担っています。

摩擦を減らすことで、「回転のロスを減らし効率を高める」、「機械の寿命を長くする」、「機械の故障を減らす」といった役割をする、縁の下の力持ちのような存在です。

軸受けの用途

自動車だけではなく、自転車や洗濯機、扇風機、プリンターなどの「回転」を利用するものの内部には必ずと言ってよいほど軸受けが使われているといってよいでしょう。

一般的な自動車には100個から150個ものベアリングが使われていると言われています。ほかにも風力発電機は風の力を受けてプロペラが回転して、その力を伝えることで発電しますね。この回転効率を高めることが発電効率の向上につながります。

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