この記事では臨床心理士とカウンセラーの違いについてみていきます。どちらも現代人のメンタルヘルスを支える人々のことで、興味を抱く人が多いイメージがあるよな。両者の大きな違いはなるための要件や、活躍する場面のようです。今回はそんな注目を集める職業、資格の違いを心理学が大好きなライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

会社員として勤務する傍ら執筆活動を続けるWEBライター。学生時代は心理学も学んでおり、現在も参考書を読んでいる心理学好き。日々の学習や日常生活での経験を使った内容で、表現を日々研鑽中。

臨床心理士とカウンセラーの大まかな違いは?

メンタルヘルスに関連する仕事として、臨床心理士とカウンセラーという言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。これらは混同して扱われがちな2つの言葉ですが、明確な違いがみられます。本項ではそれぞれの言葉の違いを、ざっくりと説明していきましょう。

臨床心理士:公的資格として扱われる心の専門家

臨床心理士とは「公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会」が認定する心の専門家で、公的資格として扱われます。精神的な問題を抱えてしまった人々にアプローチし、ともに問題解決を目指すスペシャリストといえるでしょう。心理の資格の中でも特に有名なもので、カウンセラーとして働くために取得を目指す人が多いです。

カウンセラー:分野ごとに専門性がある職業、資格

カウンセラーという言葉はさまざまな分野で活躍する心理の専門家で、職業および資格の名前として扱われます。具体的には医療はもちろん、会社や学校などもカウンセラーが活躍する現場です。ただしカウンセラーという言葉で、心理カウンセラーを示していることもあります。

違いその1.定義

臨床心理士とカウンセラーは、どのような人々を示した言葉でしょうか。それぞれの言葉が示す定義について、本項で詳しく比較していきます。

臨床心理士:心の専門家として各クライエントに合った対応をする

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臨床心理士とは、心理的問題を抱えた人々にアプローチする心の専門家です。クライエントの話や検査に基づき適した心理療法を行うことが主とされていますが、個人個人に合った柔軟な対応が求められます。時にはクライエント本人だけではなく、家族をはじめとする周囲の人々の話を聞いたり働きかけたりするでしょう。

「臨床心理士」とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”です。(中略)

臨床心理士は、人(クライエント)にかかわり、人(クライエント)に影響を与える専門家です。しかし、医師や教師と異なることは、あくまでもクライエント自身の固有な、いわばクライエントの数だけある、多種多様な価値観を尊重しつつ、その人の自己実現をお手伝いしようとする専門家なのです。

(参照:臨床心理士とは | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会)

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カウンセラー:主に医療や産業のなどの分野で活躍する相談員

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カウンセラーとは日本語に直訳すると相談員のことで、一般的には医療や産業といった分野で相談を受ける職業の人を総括したものです。ところが産業カウンセラーや認定カウンセラーというように、「カウンセラー」という言葉が資格名に含まれることもあります。

違いその2:なるための要件

 臨床心理士とカウンセラーでは、名乗るための用件が違います。本項では両者になる方法の違いを比較していきましょう。

臨床心理士:大学院を修了するなどして資格試験に合格する

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臨床心理士になるには大学院を修了または医師免許をもって実務に携わるなどして、資格試験に合格することが求められます。試験内容はマークシートと論述および面接で、協会に登録して初めて臨床心理士を名乗ることが可能です。業務独占ではないため臨床心理士のみができる仕事は存在しませんが、臨床心理学に対する専門性を証明するのにこの資格は有用とされています。

カウンセラー:分野に合った資格を取得して就職する

カウンセラーになるには、分野に合った資格を取得して就職するのが一般的です。歴史や知名度がある臨床心理士の資格を持っている人も多いですが、認定心理士や産業カウンセラーといった資格を生かす人もいます。

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臨床心理士が活躍する分野は?

臨床心理士は、心理の領域が関連するさまざまな分野で生かせる公的資格です。本項では臨床心理士が活躍できる分野について、解説していきます。もちろん臨床心理士の資格を持ってカウンセラーとして活躍する人もたくさんいますが、その詳細は次項をご覧ください。

1.医療現場:相談や心理療法

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臨床心理士が最も活躍できるのは、医療現場です。精神科や診療内科などにおいて相談を受けたり心理療法を行ったりするのが主な仕事とされています。もちろん独立開業して、地域でカウンセリングルームを開く人もいるでしょう。

2.犯罪関連の分野:心のケアや再犯防止

犯罪関連の分野では、臨床心理士が被害者の心のケアにあたったり加害者の再犯防止につなげたりするという形で活躍しています。被害者の心理状態を把握した上で、適切な心理療法を行うことがその具体例です。また加害者の心理的背景を、心理検査などを通じて解明することも挙げられます。

カウンセラーの具体的な種類は?

臨床心理士はさまざまな領域で活躍するのに対し、カウンセラーは各分野に特化しています。本項ではカウンセラーの種類について紹介し、資格制度の有無にも触れていきましょう。

1.心理カウンセラー:心理相談を受ける職業

心理カウンセラーという言葉は、心理領域における相談員と呼ばれる職業を示しています。医療機関はもちろん企業や福祉といった分野でクライエントの話を傾聴たり、心理療法を行ったりするのが主な業務です。もちろん臨床心理士をはじめとする何らかの心理関連の資格が必要なことが一般的で、募集要項にも明記されているでしょう。

2.産業カウンセラー:働く人々の心理的支援のための資格

産業カウンセラーとは働く人々の心理的支援のための資格のことで、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が資格認定を行っています。働く人々の話を傾聴し、業務そのものや職場の人間関係によって受けるストレスへの対処法を教えたり共に考えたりするのが主な仕事です。

つまり彼らが自らの力でストレスに対応できるようにし、不調や業務における重大事故の防止につなげるのが産業カウンセラーの役割と言えます。

3.スクールカウンセラー:学校教育現場における職業

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スクールカウンセラーとは、学校教育現場において心理的援助をする職業です。具体的には児童や生徒のいじめや不登校の問題にアプローチしたり、彼らの家庭内の状況を把握した上での支援をしたりします。もちろん彼らの保護者や教職員からの相談にも応じ、児童や生徒との適切な関わり方や考え方を提案することもあるでしょう。

スクールカウンセラーは何らかの心理系の資格があればなれる職業ではありますが、非常勤の求人が多く別の職業の傍ら勤める人が多いです。

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公認心理師ってどんな資格?

臨床心理士は心理の公的資格として有用とされていますが、公認心理師と呼ばれる心理の国家資格はご存知でしょうか。本項では公認心理師という国家資格について、臨床心理士やカウンセラーとの違いに触れながらご紹介します。

1.2015年に法制度化された名称独占の国家資格

公認心理師という心理の国家資格は、2015年の公認心理師法施行によって法制度化されました。日本初の心理の国家資格ではあるものの、臨床心理士同様に名称独占の資格です。資格試験を受験するには2年以上の実務経験が必要で、一度資格を取得すると更新がいらない点が臨床心理士と異なります。

2.臨床心理士の業務に加えて心理に関する教育や情報提供も行う

公認心理師の業務内容の多くは臨床心理士と共通していますが、国民全体に対して心理に関する教育や情報提供を行うことが公認心理師には求められています。下記の公認心理師法によると一から三の部分が臨床心理士と共通しており、四の部分が公認心理師特有のものです。

(定義)
第二条 この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。
一 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
二 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
三 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
四 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。

(参照:公認心理師法 | e-Gov法令検索)

臨床心理士は公的資格の1つ、カウンセラーは職業名

ここまで比較してきたとおり臨床心理士は心理の公的資格のことで、カウンセラーは心理相談をする職業を示しています。そのため臨床心理士の資格を活かして、カウンセラーと呼ばれる職業に就く人も多いです。また2015年に日本で初めての心理の国家資格として法制化された、公認心理師も注目されています。ストレスの多い現代社会では、メンタルヘルスを支える彼らの力を上手に借りたいものですね。

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臨床心理士とカウンセラーの違いとは?なるための要件や活躍する場面、公認心理師との違いも心理学大好きライターが簡単にわかりやすく解説

この記事では臨床心理士とカウンセラーの違いについてみていきます。どちらも現代人のメンタルヘルスを支える人々のことで、興味を抱く人が多いイメージがあるよな。両者の大きな違いはなるための要件や、活躍する場面のようです。今回はそんな注目を集める職業、資格の違いを心理学が大好きなライターれおな=007と一緒に解説していきます。
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ライター/れおな=007

会社員として勤務する傍ら執筆活動を続けるWEBライター。学生時代は心理学も学んでおり、現在も参考書を読んでいる心理学好き。日々の学習や日常生活での経験を使った内容で、表現を日々研鑽中。

臨床心理士とカウンセラーの大まかな違いは?

メンタルヘルスに関連する仕事として、臨床心理士とカウンセラーという言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。これらは混同して扱われがちな2つの言葉ですが、明確な違いがみられます。本項ではそれぞれの言葉の違いを、ざっくりと説明していきましょう。

臨床心理士:公的資格として扱われる心の専門家

臨床心理士とは「公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会」が認定する心の専門家で、公的資格として扱われます。精神的な問題を抱えてしまった人々にアプローチし、ともに問題解決を目指すスペシャリストといえるでしょう。心理の資格の中でも特に有名なもので、カウンセラーとして働くために取得を目指す人が多いです。

カウンセラー:分野ごとに専門性がある職業、資格

カウンセラーという言葉はさまざまな分野で活躍する心理の専門家で、職業および資格の名前として扱われます。具体的には医療はもちろん、会社や学校などもカウンセラーが活躍する現場です。ただしカウンセラーという言葉で、心理カウンセラーを示していることもあります。

違いその1.定義

臨床心理士とカウンセラーは、どのような人々を示した言葉でしょうか。それぞれの言葉が示す定義について、本項で詳しく比較していきます。

臨床心理士:心の専門家として各クライエントに合った対応をする

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臨床心理士とは、心理的問題を抱えた人々にアプローチする心の専門家です。クライエントの話や検査に基づき適した心理療法を行うことが主とされていますが、個人個人に合った柔軟な対応が求められます。時にはクライエント本人だけではなく、家族をはじめとする周囲の人々の話を聞いたり働きかけたりするでしょう。

「臨床心理士」とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”です。(中略)

臨床心理士は、人(クライエント)にかかわり、人(クライエント)に影響を与える専門家です。しかし、医師や教師と異なることは、あくまでもクライエント自身の固有な、いわばクライエントの数だけある、多種多様な価値観を尊重しつつ、その人の自己実現をお手伝いしようとする専門家なのです。

(参照:臨床心理士とは | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会)

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