この記事では啓発(けいはつ)と啓蒙(けいもう)の違いについてみていきます。どちらも人に教えるイメージがあるよな。違いはずばり教える相手の知識の扱い方にあるようです。今回はそんな啓発と啓蒙について、使い分け方や類似した意味をもつ教育という言葉とも比較しながら文系政治学科卒ライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目現役OLライター。法学部政治学科を卒業。大学在学中は近代政治を中心に学んできた。自分の知らないルールのなかで、生きていくということに違和感を持ち、法律や政治制度について学びたいと思ったのが政治学科を選んだ理由。大学4年間での学びを活かしてわかりやすく解説していく。

啓発と啓蒙の違いは教え導く相手の知識の扱い方

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啓発と啓蒙の違いは教え導く相手の知識の捉え方や扱い方にあるといえるでしょう。簡単に説明すると「啓発」は相手の知識を啓(ひら)き起こして気づきを与え理解を深めさせることを意味し、「啓蒙」は知識のない相手に知識をあたえ教え導くことを意味します。教育との違いについても比較しながら確認していきましょう。

啓発:相手の知識を啓き起こして理解を深めさせること

啓発とは、人々が今まで気がつかずにいる物事について教え理解に導くことをさしています。日本国語大辞典には以下のように書かれていました。

人や子どもを教え導き、より高い知性や理解を与えること。また、一般の人が気づかないような点について、専門の観点から教えること。

(出典:日本国語大辞典)

つまり、啓発する側は教わる側の人々が今まで気づかなかった点について教え、教わる側の理解を深めさせていくということになりますね。教わる側が能動的に学ぶ意欲を持つことにより一層「啓発」をする意味が大きくなるといえそうです。

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啓蒙:知識のない相手に知識をあたえ教え導くこと

啓蒙とは、知識のない相手に人々に新しい知識をあたえ教え導くことを意味します。また「蒙」という字には、「道理に暗い、愚かである、幼くて物事の道理が分からない」といった意味があるんだそう。日本国語大辞典で「啓蒙」と調べてみると、以下のように書かれていました。

一般の人々の無知をひらき、正しい知識を与えること。

(出典:日本国語大辞典)

「一般の人々の無知」という表現からもわかるように「啓蒙」という言葉からは差別的な印象を与えてしまうこともあるため、使用する際には注意が必要です。

教育との違いは?

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教育とは教え育てること、望ましい知識や技能、学習を推進するための意図的な働きかけのことをさしています。「教育」には知識や学問のように、思想や思考の部分だけではなく、肉体的な技術についても教え引き出していくという意味もありますね。この点が「啓発」や「啓蒙」とは大きく異なる点であるといえるでしょう。

啓発と啓蒙の使用例をみてみよう!

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「啓発」と「啓蒙」は専門的な知識を一般の人々に教え導くことでは同一の意味を持っていました。具体的な違いは、教わる側に知識がどれくらいあるのかというところにありましたね。ここからは具体的な使用例を参照しながらさらに理解を深めていきましょう。

\次のページで「「啓発」:使用例からさらに言葉の意味を深めよう!」を解説!/

「啓発」:使用例からさらに言葉の意味を深めよう!

「啓発」という言葉を使用するとき、最近では「自己」という言葉とつなぎ合わせて「自己啓発」という四字熟語としてよく耳にするのではないでしょうか?自己啓発とは、自らの成長を目的として、自ら学ぼうとする意欲をもって取り組む学びや学習のことをさしています。さらに「啓発」の使用例についてみていきましょう。

【例文】
自己啓発セミナーに参加する。
自己啓発本を読んでみる。
先輩からの指導を受けて啓発された。

【他の単語との組み合わせ】
周知啓発…広く知ってもらうために啓発活動。
意識啓発…気づいてもうらうだけでなく「意識」も高めるために行われる啓発活動。
相互啓発…複数人でお互いを高めあうための啓発活動。

「啓蒙」:使用例からさらに言葉の意味を深めよう!

「啓蒙」という言葉は、近現代史において頻繁に使われていた言葉でもあります。例えば「啓蒙思想」「啓蒙主義」「啓蒙活動」などですね。現代でも、もちろん使われている言葉にはなりますが無知な相手を教え導くという意味を持つため、差別的に捉えられてしまう恐れもありました。

しかし、近現代の政治的な活動や思想運動を背景に考えると「啓蒙」という言葉の意味は、さらに理解しやすくなるかもしれません。いくつか例をみてみましょう。

【例文】
無知な人々に対して啓蒙する。
人々への啓蒙を通して人々の意識を高める活動をする。
明治時代は今よりも啓蒙活動が盛んであった。

【他の単語との組み合わせ】
啓蒙思想…広義には理性による思考の普遍性を主張し人々の蒙昧(もうまい)さを啓くという思想。狭義には、18世紀ヨーロッパで行われた思想文化運動。批判的精神、懐疑を持つことにより、その原因を徹底的に破壊することが真理につながるという思想のこと。
啓蒙主義…啓蒙思想の主義性を強調する言い回し。
啓蒙活動…人々に知識を与え、合理的な考え方ができるように導く活動のこと。

教わる側の知識によって「啓発」と「啓蒙」を使い分けてみよう!

「啓発」と「啓蒙」の違いは教わる対象の知識にどれほど言及しているかという点にありました。「啓発」はまだ知らない知識を与えることで、教わる側自らに考え気づかせ導いていくのに対して、「啓蒙」は教える対象の知識をあてにせず、無知な者へ知識を授け先導していくという意味がありましたね。

「啓蒙」という言葉は近現代の市民の政治活動が活発な時代について触れる際に、よく使われる言葉であるという印象を受けます。反対に「啓発」は自己啓発セミナーや自己啓発本など日常でよく目にする言葉です。このように分けて考えてみると、現代は誰かに言われるのを待つのではなく自ら気づき行動していく自主性や積極性が求められる時代になったともいえそうですね。混同しやすい「啓発」と「啓蒙」ですがしっかり使い分けていきましょう!

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簡単でわかりやすい!啓発と啓蒙の違いとは?教育との違いや使い分け方も文系政治学科卒ライターがくわしく解説

この記事では啓発(けいはつ)と啓蒙(けいもう)の違いについてみていきます。どちらも人に教えるイメージがあるよな。違いはずばり教える相手の知識の扱い方にあるようです。今回はそんな啓発と啓蒙について、使い分け方や類似した意味をもつ教育という言葉とも比較しながら文系政治学科卒ライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

工事会社勤務9年目現役OLライター。法学部政治学科を卒業。大学在学中は近代政治を中心に学んできた。自分の知らないルールのなかで、生きていくということに違和感を持ち、法律や政治制度について学びたいと思ったのが政治学科を選んだ理由。大学4年間での学びを活かしてわかりやすく解説していく。

啓発と啓蒙の違いは教え導く相手の知識の扱い方

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啓発と啓蒙の違いは教え導く相手の知識の捉え方や扱い方にあるといえるでしょう。簡単に説明すると「啓発」は相手の知識を啓(ひら)き起こして気づきを与え理解を深めさせることを意味し、「啓蒙」は知識のない相手に知識をあたえ教え導くことを意味します。教育との違いについても比較しながら確認していきましょう。

啓発:相手の知識を啓き起こして理解を深めさせること

啓発とは、人々が今まで気がつかずにいる物事について教え理解に導くことをさしています。日本国語大辞典には以下のように書かれていました。

人や子どもを教え導き、より高い知性や理解を与えること。また、一般の人が気づかないような点について、専門の観点から教えること。

(出典:日本国語大辞典)

つまり、啓発する側は教わる側の人々が今まで気づかなかった点について教え、教わる側の理解を深めさせていくということになりますね。教わる側が能動的に学ぶ意欲を持つことにより一層「啓発」をする意味が大きくなるといえそうです。

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