電球の中にクリプトン
ヘリウム、ネオン、アルゴンに比べるとなじみのないクリプトン。クリプトンという名前もギリシャ語で「隠れた」を意味しています。新しい、怠け者、隠れたと希ガスの名前の由来は面白ですね。
身近なところでクリプトンは、白熱電球のフィラメントを保護するために使われています。フィラメントとは、電球の光を発する電線のことです。ちなみにクリプトンガスを吸うと、ヘリウムと反対に声が低くなります。
奇妙なものキセノン
またまたあまりなじみのない希ガス、キセノン。その名の由来もギリシャ語で「奇妙な」「なじみにくいもの」なのです。
キセノンもやはり照明に活用されています。その名もキセノンランプ。先ほど紹介した白熱電球は使っているとやがてフィラメントが蒸発(固体なので正しくは昇華)して切れてしまい、電球が切れてしまいます。一方キセノンランプはキセノンガスを充填したランプで、ガスの中で放電させることで発光させるのです。その他、キセノンは麻酔薬としても試験的にですが使われています。
ラドン&オネガソン
ラドンは強い放射能を持つ元素です。以前は癌治療などにも用いられていましたが取り扱いが難しいため現在は使われていません。オネガソンは2002年に発見された比較的新しい元素です。オネガソンの由来は核物理学者のユーリイ・オガネシアン。人の名前が由来となっています。希ガスでありながら非常に不安定であり、まだまだ未知のことが多い元素です。
ネオンの語源はNEO?ネオンの歴史
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ネオンが発見されたのは1898年。ウィリアム・ラムゼーとモーリス・トラバースが発見しました。ラムゼーが大気から窒素、酸素、アルゴンを取り除き、その残留物からクリプトン、キセノン、ネオンを得たのです。乾燥空気の割合を見ると、そのほとんどが窒素と酸素。このふたつだけで99%近くを占めています。そしてその残りとしてアルゴンや二酸化炭素が含まれているのです。
ちなみにラムゼーは1904年に希ガスの発見でノーベル化学賞を受賞しました。
新しい元素ネオン
ところでネオンという名前は何を意味しているにでしょうか。ネオンという名前の由来はギリシャ語の新しいを意味するneosです。一体ネオンの何が新しいのでしょう。ネオンが発見された当時、原子番号2番のヘリウム、そして18番のアルゴンはすでに発見されていました。周期律から未知の存在が予想されていたことから、新しい元素と名付けられたのです。
ネオンサインの発展
ネオン管は1910年にフランスのジョルジュ・クロードによって発明されました。クロードはもともと質の高い酸素を安く作る実験をしていて、その過程でネオンガスを充満した管に電気を流すことで発光することに気付いたのです。
2年後にパリで初めてのネオンサインが広告として使われました。理髪店の看板として使われたのです。その後、色鮮やかなネオンは世界中に広まり、夜の街を彩るようになりました。
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