ライター/スズキアユミ
野菜が大好きな主婦ライター。1日に5種類以上の野菜を食べている。野菜料理のおいしいお店をリサーチすることが日課。
「豆もやし」と「もやし」の違いは?
image by iStockphoto
「豆もやし」と「もやし」の最も大きな違いは原料です。この原料の違いにより、スーパーで購入する際の価格や、もやし自体の栄養価に差が生まれています。実は「もやし」という名称は野菜の固有名詞ではなく、穀類や豆類の種子を暗いところで発芽・成長させたものの総称。知っているようで知らないもやしの種類や違いについて詳しく確認していきましょう。
違い1.原料
1つ目の違いは原料。スーパーで「もやし」と名のつく野菜は、大きく分けて3種類存在します。見た目はよく似ていますが、それぞれ違う豆から発芽・成長したもやしです。
もっともよく見かけるのは「緑豆もやし」。日本の流通量の約9割を占めているメジャーな種類で、一般的にもやしといえば緑豆もやしを指します。次に、西日本を中心に流通している「黒豆もやし」。「ブラックマッペもやし」とも呼ばれ、緑豆もやしに比べて少し細いのが特徴です。
そして「豆もやし」。大豆を発芽させたもので、粒の小さい大豆を使う場合は「小粒大豆もやし」、大粒を使う場合は「大粒大豆もやし」です。韓国料理のもやしナムルは、存在感のある大粒大豆もやしを使用します。緑豆・黒豆も「豆」であることから、厳密には全て豆もやしと呼ぶこともできますが、大豆がついているもやしを豆もやしと呼ぶのが一般的です。
違い2.価格
2つ目の違いは価格です。販売店によって異なるものの、豆もやしは1袋60~80円程度、もやしは20~40円程度と、およそ2~4倍の価格差。この価格の違いは原料原価の差によるものです。緑豆や黒豆よりも大豆の方が原料として高価なため、それがもやしとしての価格差にもつながります。
違い3.栄養価
3つ目の違いは栄養価です。もやしは、実はとても栄養豊富な野菜。カリウムやカルシウム、ビタミンC、葉酸、食物繊維、アルギニン酸など、多種多様な栄養素が含まれています。
緑豆もやしと黒豆もやしには栄養面であまり違いがありませんが、豆もやしは先ほどのような栄養素が2倍前後も多く含まれています。さらにイソフラボンやサポニンも含まれているので、からだに嬉しい野菜といえますね。
こちらの記事もおすすめ
簡単でわかりやすい!カリウムとはどんな元素?性質や用途・危険性も化学系科学館職員が詳しく解説
「もやし」と「スプラウト」の違いは?
image by iStockphoto
豆類の種子を暗いところで発芽・成長させたものの総称である「もやし」。広義ではスプラウトの一種でもあります。この2つが仲間であるとは驚きですね。ただし栽培方法が明確に異なります。もやしとスプラウトの違いを確認していきましょう。
もやし:日光に当てずに育てたもの
もやしは、豆類を水につけて日光に当てずに発芽させます。そうすることで葉緑素が作られず、真っ白のまま成長。これは「軟化栽培」と呼ばれる栽培方法で、白くて柔らかい食感に育つのが特徴です。もやしの原料として使われる豆が特別に白くなるのではなく、植物は光に当たらなければおおむね白や黄色に育ちます。
こちらの記事もおすすめ
もやしには栄養がないって本当?特徴や主な栄養素・効能も現役管理栄養士が分かりやすくわかりやすく解説
スプラウト:日光に当てて育てたもの
一方のスプラウトは穀類、豆類、野菜の種子を人工的に発芽させた新芽野菜の総称です。広義の場合はもやしもスプラウトの一種といわれますが、一般的には日光を当てて育てるもの。よく耳にするスプラウトには、かいわれ大根(大根の新芽)や豆苗(エンドウ豆の新芽)、ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)などがあります。
\次のページで「もやしはどうやってできる?」を解説!/