雑学

簡単にわかる「戦う」と「闘う」の違いとは?対象や類義語も日本語大好きライターが詳しく解説

よぉ、桜木建二だ。この記事では戦うと闘うの違いについてみていくぞ。どちらも争うことを意味する強いイメージの言葉で、ほとんど同じ意味で扱われがちだよな。ところが漢字の違いによってたたかう対象が違うことを示していることもある。今回はそんな2つの言葉の違いを日本語大好きライターのれおな=007一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

れおな=007

ライター/れおな=007

会社員として一般企業に勤務する傍ら執筆活動を続けるWEBライター。言葉の意味をはじめとする雑学に興味があり、気になった言葉はすぐに調べてしまう好奇心旺盛さん。本業でも独特の言い回しを使って同僚に指示を出す、コミュニケーションの研究家として活躍中。

戦うと闘うの意味の違いは?

戦うと闘うの意味の違いをご存知でしょうか。本項ではそれぞれの漢字を使った場合の「たたかう」の意味の違いを、ざっくりと確認していきます。

戦う:相手と優劣をつけるため争う

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戦うという言葉には、相手と優劣をつけるために争うという意味があります。そのため戦うという動作をする人と同等の相手がおり、同じ目的を果たそうとしていることが多いです。たとえば国同士の戦争はそれぞれの軍が混ざり合いますが、相手と自ら及びその仲間が入り混じって繰り広げられることも戦いの特徴として挙げられます。

闘う:障害などを乗り越える・利害関係が異なるものが争う

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障害などを乗り越える場合には、「闘う」という表記になることが多いです。正面からぶつかるというニュアンスが強く、必ずしも相手が同等のものや形のあるものとは限りません。

たとえ相手が人間であっても立場や利害の違いがあることが多く、弱い者が強い方に挑んでいるパターンがイメージしやすいです。そのため相手と優劣をつけることより、克服したり妥協点を見出して和解したりするという結果が望まれます。

戦うと闘うの対象の違いは?

戦うと闘うでは、相手になるものが違っていることがあります。ここでは両者で相手になるものの違いを確認し、そのことを示す熟語にも触れていきましょう。

戦う:試合や選挙などの相手と

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「戦」という漢字を使った戦うという言葉を使う場合、大抵は試合や選挙などのように自分と同等の相手がいます。またスポーツの試合では勝利、選挙では議席獲得といったように戦う目的が同じことが多いです。決勝戦や選挙戦などといった熟語が、そのことをよく示しているでしょう。

闘う:病や貧困などの困難や自分自身、利害が相反する者

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「闘」という字を用いる闘うの場合、その相手は病気や貧困といった困難を示すことが多いです。そのため闘病や奮闘といった熟語もよく使われます。また自分の限界や困難から逃れようとする気持ちに対するという意味で、自分との闘いと表現することもあるでしょう。

利害が相反する者が相手になる場合にも、闘うという表現が使われます。具体的には労働者が使用者に対して要求をする場面が考えられ、労使間闘争や春闘という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

戦うや闘うに似た言葉は?

ここまで戦うと闘うという言葉の意味を比べてきましたが、両者に似た意味で用いられる言葉は他にもあります。本項では戦うや闘うの意味に似た言葉について触れ、どちらのニュアンスに近いかを解説していきましょう。

1.競う:相手と優劣をつける

競うという言葉には、同じ目標などに進む相手と優劣をつけるという意味があります。ただしここでいう目標とはスポーツでは1位になる、選挙では当選することと言えるでしょう。そのため戦うにニュアンスが近く、結果も順位として明確に見えやすい傾向です。

2.勝負する:優劣をはっきりさせる

相手と優劣をはっきりさせたい時、勝負するという言葉が使えます。そのためニュアンスは戦うに近く、力比べや根比べなどの言葉がイメージされやすいです。また勝負するを使う場合は相手と力が拮抗するだろうという考えや、同等の立ち位置であることが前提になっています。

3.抗う:相手に抵抗する

抗うという言葉は相手に抵抗することを意味し、ニュアンスは闘うに近いです。そのため自分より立場が強い者に対して立ち向かうケースや、対象が差別や権力といった目に見えないものである場合に抗うが使えます。もちろん結果も克服したり和解したりといったものが、想像できるでしょう。

\次のページで「戦うは試合や選挙の対戦相手、闘うは病気などの困難が対象」を解説!/

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