この記事では生むと産むの違いについてみていきます。この二つは同じ訓読み(うむ)をする別々の漢字で、同訓異字語と呼ばれるものです。どちらも何かを「うみだす」という意味なので、違いがわからない人も多いのではないか。ずばり違いは、子や卵を産む「出産」という行為そのものかどうかということです。今回はそんなことばの違いを、使い分けや赤ちゃんに関わる表現とともに雑学好き主婦ライターtotoと一緒にみていきます。

ライター/toto

中高生男子を育てる主婦。日常で子供達が使う聞きなれないことばや新語などを調べてはインプットして楽しんでいる。普段は違いがよくわからないままやりすごしていることばのちがいを、丁寧にわかりやすく説明していく。

生むと産むの違いとは?

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「生む」と「産む」は何かをうみだすという同じ意味をもっていますが、「産む」は出産の行為に限定して使われます。ことばの違いをもう少し詳しくみていきましょう。

生む:何もないところに新しく何かを作りだすこと

「生む」は何もないところに新しく何かを作り出すことです。誕生、出生、発生、派生、新生、生産などの熟語があります。

女性に弥生(やよい)さんという名前の方がいますよね。弥生は旧暦の3月の意味。寒さで何もなかったところに春になり暖かくなって、草木が生い茂る様子「いやおい」が変化して「やよい」になったと言われています。何もないところに草木が生い茂ることから「生」が使われているのですね

産む:母親が子や卵を体外に出すこと

「産」という漢字には子どもを産むこと、出産の意味があります。つまり「産む」は、母親が子や卵を体外に出すという行為に限定して使われるものなのです。産卵、安産、産後、産声(うぶごえ)、流産などの熟語があります。これらの熟語はどれも出産行為に関わるものです。

生むと産むの対義語と赤ちゃんに関する表現

「生む」と「産む」の違いをより詳しく知るために、これらの対義語についてみていきます。また、知り合いから「赤ちゃんが生まれました!」とお知らせがあったりしますよね。これは「赤ちゃんが産まれました!」ではだめなんです。この違いについてもみていきましょう。

\次のページで「生むの対義語」を解説!/

生むの対義語

生むの対義語には「殺す」「滅ぼす」「失くす」などがあります。どれも存在していたものを存在しない状態にするという意味ですね。また、生むは「良い結果を生む」「誤解を生む」「利益を生む」など生き物以外のことにも使うことができるのですよ。

次に赤ちゃんに関する表現についてみてみましょう。何もなかったところに新たに生み出された存在という意味で「赤ちゃんが生まれました!」となるのですね。出産という行為そのものよりも、新しい生命が誕生したという点に重点が置かれているのです。

産むの対義語

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産むの対義語には「妊娠」「懐妊」などがあります。母親が体内に子や卵を宿すという意味です。どちらも母親が主語となっていることに注意しましょう。「産む」は主語が母親である時に使われることばなのです。

産声(うぶごえ)という熟語がありますよね。産声は赤ちゃんがあげるものなのに、どうして「産」が使われるのか不思議ではないですか?産声は大百科全書では次のように説明されています。産声をあげることは出産の過程の一つであり、母親が出産によって赤ちゃんの声を産んだと考えてみてください。

出生(しゅっしょう)直後の第一呼吸とともに生じる泣き声をいう。新生児はこの産声によって初めて肺で呼吸を開始し、臍帯(さいたい)循環から肺循環に切り替わる。つまり、産声があるか、あるいはそれが強いか弱いかは、この肺呼吸が十分にできているかどうかをみる指標となっている。産声がないときは仮死といわれ、呼吸や循環系へ負担がかかり、重度の場合には中枢神経系の障害を生じる場合もある。

(出典:小学館 日本大百科全書)

生むと産むの使い分けを例文でチェック!

「生む」と「産む」は大変よく使われることばであり、ことわざや慣用句もたくさんあります。どちらの漢字を当てはめても問題ないこともありますが、それぞれに意味がありますのでみていきましょう。

生むの例文

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生むの例文をみていきましょう。「新しいシステムを開発して、生みの苦しみを味わった」とは新しいものを作り出したり、何かをやり始める時の苦労を表しています。一方「長男を出産し、産みの苦しみを味わった」とは、子を産む時のつらさや大変さを表しているのですよ。

また、平凡な親から立派な才能を持つ子供が生まれた時に驚いて「鳶(とんび)が鷹(たか)を生んだ」と言ったりしますよね。ここでは「産んだ」とはなりません。なぜなら人間がライオンの子供を産むことがないように、鳶は鷹を産まないからです。立派な子を世に送り出したという意味から、「生んだ」が使われるのですね

\次のページで「産むの例文」を解説!/

産むの例文

産むの例文をみていきましょう。「こんな難しい仕事ができるのかと不安だったが、意外に案ずるより産むが易しだった」などと使います。このように出産に関係ない事柄にも「産む」が使われているのです。

これはこのことわざのもともとの意味が、「出産についてはあれこれ心配事は尽きないが、実際に経験すると意外にたやすいものだ」という出産にまつわることわざだからです

また、「生み(産み)の親より育ての親で、今まで育ててくれた養母に感謝している」の場合はどちらも当てはめることができます。「生み」は、自分を生みだした親。「産み」は、自分を出産した親ですね。どちらも育てあげてくれた親と対照をなすものです

生むと産むの違いは、出産という行為そのものかどうか

「生む」と「産む」はどちらも何かをうみだすという意味で、使い分けの難しいことばです。迷った時には出産という行為そのものに関わるものは「産む」、その他には「生む」を使いましょう!

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3分で簡単にわかる生むと産むの違い!使い分けや赤ちゃんに関する表現も雑学好き主婦ライターがわかりやすく解説

この記事では生むと産むの違いについてみていきます。この二つは同じ訓読み(うむ)をする別々の漢字で、同訓異字語と呼ばれるものです。どちらも何かを「うみだす」という意味なので、違いがわからない人も多いのではないか。ずばり違いは、子や卵を産む「出産」という行為そのものかどうかということです。今回はそんなことばの違いを、使い分けや赤ちゃんに関わる表現とともに雑学好き主婦ライターtotoと一緒にみていきます。

ライター/toto

中高生男子を育てる主婦。日常で子供達が使う聞きなれないことばや新語などを調べてはインプットして楽しんでいる。普段は違いがよくわからないままやりすごしていることばのちがいを、丁寧にわかりやすく説明していく。

生むと産むの違いとは?

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「生む」と「産む」は何かをうみだすという同じ意味をもっていますが、「産む」は出産の行為に限定して使われます。ことばの違いをもう少し詳しくみていきましょう。

生む:何もないところに新しく何かを作りだすこと

「生む」は何もないところに新しく何かを作り出すことです。誕生、出生、発生、派生、新生、生産などの熟語があります。

女性に弥生(やよい)さんという名前の方がいますよね。弥生は旧暦の3月の意味。寒さで何もなかったところに春になり暖かくなって、草木が生い茂る様子「いやおい」が変化して「やよい」になったと言われています。何もないところに草木が生い茂ることから「生」が使われているのですね

産む:母親が子や卵を体外に出すこと

「産」という漢字には子どもを産むこと、出産の意味があります。つまり「産む」は、母親が子や卵を体外に出すという行為に限定して使われるものなのです。産卵、安産、産後、産声(うぶごえ)、流産などの熟語があります。これらの熟語はどれも出産行為に関わるものです。

生むと産むの対義語と赤ちゃんに関する表現

「生む」と「産む」の違いをより詳しく知るために、これらの対義語についてみていきます。また、知り合いから「赤ちゃんが生まれました!」とお知らせがあったりしますよね。これは「赤ちゃんが産まれました!」ではだめなんです。この違いについてもみていきましょう。

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