簡単でわかりやすい!夕顔と冬瓜の違いとは?見分け方や栄養について農学専攻ライターが詳しく解説
違い3.花の色
夕顔と冬瓜はともにウリ科の植物なので、花の形は同じ。どちらの花も、5枚に分かれた花びらをもっています。両者の花の違いは、その色にあるのです。実の皮も中身も「色白」な夕顔は、その花の色も真っ白。対して冬瓜は黄色の花を咲かせます。
夕顔と冬瓜の食べ方
ここでは夕顔・冬瓜の味や栄養、料理法について掘り下げていきます。じつはこの両者は、味がほぼ一緒。ローカルな食材である夕顔には、スーパーによく並ぶ冬瓜と同じ調理法が通用するのです。加えて海外での食べ方についても紹介します。以下みていきましょう!
味と栄養は、どちらも同じ
夕顔・冬瓜の、味と栄養はほぼ同じ。どちらも典型的なウリで、実の成分の9割は水分が占めています。よって夕顔と冬瓜はともに、あっさりとした味をもち、どんな味付けにも馴染むのです。さらに夕顔・冬瓜は水分以外に、カリウムと食物繊維を豊富に含みます。両者の水分とカリウムには、なんと体温を下げる働きが。そんな夕顔と冬瓜は、体が熱を帯びる真夏日にうってつけの野菜ですね。
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料理法も同じ
夕顔と冬瓜は調理の前の、下ごしらえが大事。実(果肉)を切り分けて、種・ワタ・皮を除きましょう。さらに切り分けた夕顔・冬瓜の実を、7分ほど熱湯で下茹でします。一度下茹ですることで味が染みやすくなり、ウリ特有の苦味が抜けるのです。下ごしらえが済んだ夕顔・冬瓜の実は、スープや煮込み料理に最適。味の染みが良いため、味噌汁や中華スープ、コンソメなどあらゆる汁物に合いますよ。
夕顔と冬瓜は実だけでなく、種・ワタ・皮も食べられます。実から除いた種とワタは、味噌汁に入れてしまいましょう。その皮も、きんぴらやナムルにすれば美味しくいただけます。夕顔・冬瓜は丸ごと料理に使える、エコな食材なのです。
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夕顔料理は海外でも人気
日本の夕顔(フクベ)以外にも海外には、さまざまなユウガオの変種が存在します。その見た目は多種多様。たとえばイタリア・シチリア島では「ククッツァ・ロンガ」、英訳して「ロングズッキーニ」という名をもつ、ユウガオの変種が栽培されています。このユウガオの実の長さはなんと、1mを超えるのです。そんなユウガオは南イタリアのスープ料理、ミネストローネの具材に用いられます。
このようにユウガオは、海外でも人気の実野菜。ミネストローネ以外だと、韓国のナムルや、南インドのフィッシュカレーなどにもユウガオが用いられるのです。そんな海外のユウガオ料理は、日本の夕顔・冬瓜でも実践できます。ぜひ一度、お試しください。
別物なのに「ウリふたつ」
夕顔・冬瓜はどちらも、ウリの仲間で、よく似た実を結びます。しかし両者は、ルーツが異なる別物。日本の夕顔(フクベ)のルーツは、アフリカ産のユウガオです。長い歴史をもつユウガオは、「ひょうたん」や「ククッツァ・ロンガ」など、世界中に多様な変種が存在します。一方日本の冬瓜は、アジア生まれの沖縄育ちなのです。