簡単でわかりやすい!夕顔と冬瓜の違いとは?見分け方や栄養について農学専攻ライターが詳しく解説
夕顔と冬瓜の品種や名産地
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夕顔と冬瓜にはそれぞれ、形が異なる品種が存在します。さらに両者はそのおもな産地も違うのです。ここでは夕顔・冬瓜の、おさえておきたい基礎知識を解説。以下を読めば、両者の違いをイメージできます!
夕顔・かんぴょうは栃木の名物
日本の夕顔は実の形で、球形の「丸夕顔」と細長い「長夕顔」の2品種に分けられます。そのうち丸夕顔は「かんぴょう」の原材料で、よりポピュラー。皮をむいた丸夕顔は、中央の種・ワタを残して、果肉だけがカンナで削り取られます。削り出された紐状の果肉は、乾燥させると、かんぴょうとなるのです。
そんな夕顔・かんぴょうの、おもな生産地は栃木県。なんと国産かんぴょうの9割以上が、栃木から出荷されているのです。ほかにも新潟県では、長夕顔が「ゆうごう」として愛されています。夕顔と鯨肉を入れた味噌汁、「くじら汁」は新潟の郷土料理です。
冬瓜は沖縄・愛知の2トップ
冬瓜の品種も、丸い実と長い実の2つに分かれます。こちらは球形の「丸冬瓜」と、たわら型の「長冬瓜」の2品種。そのうち「長冬瓜」の仲間で、沖縄出身の「沖縄冬瓜」が主流です。この沖縄冬瓜の実には、冬瓜特有の「白い粉」が付きません。そんな沖縄冬瓜は、沖縄語で「シブイ」とも。冬瓜・豚肉を味噌で煮込んだ「シブインブシー」は、伝統的な家庭料理として受け継がれています。
いまも沖縄は日本有数の、冬瓜の名産地です。さらに夏場には、愛知県からの冬瓜の出荷が増えます。愛知には沖縄冬瓜のほかに、「早生とうがん」という伝統ある品種が存在。こちらは実の表面に「白い粉」が付きます。
夕顔と冬瓜の具体的な違い
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夕顔と冬瓜は、実の見た目がよく似ています。ですが両者の実では、細部に違いがあるのです。さらに夕顔・冬瓜は、花の見た目も違います。以下スーパーや農場での、夕顔と冬瓜の見分け方についてみていきましょう!
違い1.実の外観
夕顔と冬瓜のもっともわかりやすい違いは、実の皮こと「果皮」の見た目。夕顔の果皮が明るい黄緑色であるのに対し、主流の琉球冬瓜では暗い深緑色なのです。また他の冬瓜では夕顔と違って、果皮の表面に白い粉が付いています。さらに夕顔・冬瓜の果皮は、その厚さにも違いが存在。「冬まで腐らない」冬瓜は、夕顔に比べて厚い皮をもっているのです。
ちなみに夕顔・冬瓜ともに実の形には、品種ごとのバリエーションがあります。夕顔と冬瓜を、形だけで見分けるのは至難の技。両者はどちらも、丸い実や細長い実、またはその中間、たわら型の実をつけるのです。
違い2.実の内側
カット済みの夕顔と冬瓜は、その断面が異なります。まず夕顔と冬瓜とでは、実(果肉)の詰まり方に違いが存在。夕顔の実では種のまわりまで、果肉とワタが詰まっています。ですが冬瓜では、種のまわりに空洞ができているのです。さらに果肉の色も違って、夕顔が純白なのに対して、冬瓜は薄く黄色がかっています。
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