簡単でわかりやすい!浮世絵と錦絵の違いとは?浮世の意味から代表作まで現役塾講師がわかりやすく解説
ライター/空野きのこ
大学在学中から文学・国文法や出版史について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。
浮世絵と錦絵のざっくりした違い
まずは浮世絵と錦絵のおおまかな違いを説明します。一言でいうなら「浮世絵」とは江戸時代に描かれた庶民にむけた当時の生活の様子などの絵の総称のことで、「錦絵」とはその「浮世絵」のなかの一ジャンルです。
浮世絵って何?
はじめに「浮世絵」が江戸時代に描かれた、庶民にむけた当時の生活の様子などの絵の総称であることは説明しましたが、ここからは「浮世絵」がどのようなものであるかをていねいに説明します。
浮世はもともと現実のこと
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まず、浮世絵の「浮世」について説明します。「浮世」とはもともと仏教的観点から、現実世界を「つらい世の中」とみなし、「つらい」つまり憂鬱な世界であることから「憂き世」だとしていました。ですので「現実」という意味で「憂き世」という言葉を使っていたのです。そこから、「憂き世」にかわって中国の言葉で「はかない世の中」を意味する「浮世(ふせい)」という字があてられるようになり、宙に浮いているように定めのなく、はかない世の中を意味するようになりました。
しかし江戸時代になると単に「つらい世の中」ということだけを指すのではなく、「どうせつらい世の中ならいっそ浮かれて暮らそう」といった人生観が広まりました。そして「浮世」という言葉は、遊里や演劇といった娯楽から男女の仲など、当時の世の中のあらゆることを指すようになっていき、江戸時代における「現代風な」や「好色」といった意味を持つようになりました。
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