みんなは何人の「友人」がいる? こう聞かれてすぐに答えられる日本人はなかなか少ないよな。今日特進クラスで聞いてみたが、なかなか遠慮して答えようとしなかった。「知人」と「友人」の区別が分からない…と言っている生徒もいたな。

みんなは「知人」と「友人」の違いは何だと思う? この記事ではそのポイントに迫っていく。

今回はそんな「知人」と「友人」の違いについて、院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「知人」と「友人」の違いは…親しさ?

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「知人」と「友人」の違いって何?…と聞かれたら、あなたならどう答えますか? 想像以上に答えにくい質問ですよね。まずは、「知人」「友人」それぞれの言葉の意味を確認し、そして違いに迫っていきましょう。

「知人」:お互いに知っている人

最初に、「知人」の辞書での意味を確認していきましょう。「知人」は国語辞典には次のような意味が掲載されています。

互いに知っている人。知り合い。
「ーを訪ねる」「空港でーに会う」

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「ち‐じん【知人】」

「知人」は、辞書によると「互いに知っている人」という意味の言葉です。たとえば、次のような人が「知人」に該当します。お互いに顔と名前を知っている人近所に暮らしていて合えば必ずあいさつを交わすような人学校や職場で会うクラスメートや同僚・先輩・後輩・上司…といった人たちです。家族や親戚は「知人」には含まれません。

家族・親戚以外のお互いに顔と名前を知っている人は、全員「知人」と考えてよいでしょう。

「友人」:親しく対等に交わっている人

次に、「友人」の辞書での意味を確認していきましょう。「友人」は次のような意味が国語辞典に掲載されています。

\次のページで「「知人」「友人」の類義語をチェック!何が違う?」を解説!/

親しく対等に交わっている人。朋友。
「ー代表のあいさつ」

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「ゆう‐じん【友人】」

「友人」は、辞書によると「親しく対等に交わっている人」という意味の言葉です。さらに分かりやすく言えば、「知人」の中で親しく対等の関係を築けている人が「友人」と言えるでしょう。学校や職場では先輩・後輩の関係であっても、職場を離れれば対等の関係で一緒に食事をしたり、一緒に遊びに行ったりするような人も、もちろん「友人」です。

「どのくらい親しければ「友人」なのか…?」と思う人もいるかもしれませんね。ただ、誰を「友人」とみなすかは個人の判断にゆだねられます。あなたがある人について「親しく対等に交わっている」と考えれば、その人はあなたにとって「友人」です。

ここで「知人」と「友人」の違いをおさらいしましょう。「知人」は家族・親戚以外の顔や名前をお互いに見知っている人のことです。その「知人」の中で、親しく対等に交わっている人が「友人」ですね。つまりあなたの「友人」は、「知人」でもあり「友人」でもあるのです。

そして、誰が「知人」で誰が「友人」かを決めるのは個人の判断にゆだねられます。よって、あなたが「友人」だと思っている人が、あなたのことを「友人」ではなくただの「知人」と考えている…ということもありえるわけです。しかし、これはよくあることですので、あまり気にしないほうが良いでしょう。

「知人」「友人」の類義語をチェック!何が違う?

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続いて、「知人」「友人」の類義語についてここで確認していきましょう。「知り合い」「友達」という言葉もよく日常で使用されていますよね。これらの言葉と「知人」「友人」の関係を、ここでは見ていきます。

「知り合い」…「知人」と同じ意味!

「知り合い」という言葉は「知人」よりも使用頻度が高いかもしれません。意味は「知人」と全く同じです。つまり、家族・親戚以外のお互いに名前と顔を知っている人は全員「知り合い」と考えていいでしょう。「知り合い」と「知人」では「知人」のほうがやや堅い場面で使われる傾向がありますが、どちらを使っても問題はありません。

\次のページで「「友達」…「友人」の複数形…ではありません!」を解説!/

「友達」…「友人」の複数形…ではありません!

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「友達」は「友人」と同じ意味の言葉です。つまり、「知人」の中で親しく対等に交わっている人が「友達」ですね。「友達」と「友人」は意味は同じですが、「友人」の方が改まった言い方です。

日本語を勉強している外国人で「友人」は1人の友人、「友達」は複数の友人のこと…と考える人がいますが、これは間違いですよ。「友人」も「友達」も、どちらも1人のことを示すのに使用しても、複数人のことを示すのに使用しても問題ありません。「友達」は「友人」の複数形ではないのです。

「親友」…「友人」の中でも特に親しい人

「親友」という言葉を見聞きしたり使ったりしたことがある人も多いでしょう。「親友」は「友人」の中でも特に親しい人のことを言います。もし、あなたに旅行やお出かけにいつも一緒に行く「友人」がいるとすれば、その人は「親友」と呼んで問題ないでしょう。

「知人」も「友人」も大切にしましょう!

今回は「知人」と「友人」の違いについて解説しました。「知人」は家族・親戚以外のお互いに顔や名前を認識している人のことで、「知人」の中の親しい人たちが「友人」です。そして、誰が「知人」か「友人」かを区別するのは、個人の判断にゆだねられます。

「知人」も「友人」も、あなたにもしものことがあった時に手を差し伸べてくれる可能性がある人たちです。あなたにいつ何が起こるか分かりません。「知人」も「友人」も大切にしましょう。

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雑学

簡単に分かる「知人」と「友人」の違い!ポイントは親しさ!「知り合い」「友達」との違いも院卒日本語教師が分かりやすく解説

みんなは何人の「友人」がいる? こう聞かれてすぐに答えられる日本人はなかなか少ないよな。今日特進クラスで聞いてみたが、なかなか遠慮して答えようとしなかった。「知人」と「友人」の区別が分からない…と言っている生徒もいたな。

みんなは「知人」と「友人」の違いは何だと思う? この記事ではそのポイントに迫っていく。

今回はそんな「知人」と「友人」の違いについて、院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「知人」と「友人」の違いは…親しさ?

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「知人」と「友人」の違いって何?…と聞かれたら、あなたならどう答えますか? 想像以上に答えにくい質問ですよね。まずは、「知人」「友人」それぞれの言葉の意味を確認し、そして違いに迫っていきましょう。

「知人」:お互いに知っている人

最初に、「知人」の辞書での意味を確認していきましょう。「知人」は国語辞典には次のような意味が掲載されています。

互いに知っている人。知り合い。
「ーを訪ねる」「空港でーに会う」

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「ち‐じん【知人】」

「知人」は、辞書によると「互いに知っている人」という意味の言葉です。たとえば、次のような人が「知人」に該当します。お互いに顔と名前を知っている人近所に暮らしていて合えば必ずあいさつを交わすような人学校や職場で会うクラスメートや同僚・先輩・後輩・上司…といった人たちです。家族や親戚は「知人」には含まれません。

家族・親戚以外のお互いに顔と名前を知っている人は、全員「知人」と考えてよいでしょう。

「友人」:親しく対等に交わっている人

次に、「友人」の辞書での意味を確認していきましょう。「友人」は次のような意味が国語辞典に掲載されています。

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