今回は蓮とレンコンの違いを見ていきます。結論から言うと、レンコンは蓮の一部です。植物全体を蓮、一般的に食用にする部分をレンコンと呼ぶ。レンコンは蓮のどの部分にあたるか知っているか?「根」だと思っているやつもいるでしょうが、それは違う。実は、ジャガイモやニンニクと同じ「地下茎」に該当するんです。この先は野菜好き主婦ライターのスズキアユミと一緒に詳細を解説していきます。

ライター/スズキアユミ

野菜が大好きな主婦ライター。1日に5種類以上の野菜を食べている。野菜料理のおいしいお店をリサーチすることが日課。

蓮とレンコンの違いとは?

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蓮とレンコンの違いは、植物全体を指すのか、食用にする地下茎の部分を指すのか、という点にあります。つまりレンコンは蓮の一部。植物としての蓮の特徴や、似た植物である睡蓮との違い、食用としてのレンコンについて詳しく確認していきましょう。

蓮:蓮という植物全体

蓮は、ハス科ハス目に属する植物の名称です。池や沼などで栽培され、水の上に葉や花が顔を出している様子はとても優雅。聖なるものの象徴としても扱われる植物です。その植物全体を蓮と呼び、文脈によっては葉・花・茎・地下茎・根など、その植物の一部分を指す場合もあります。

レンコン:食用にする地下茎の部分

レンコンは「蓮根」と書き、蓮の地下茎の部分を指します。「根」の字があてられているので、根っこだと思われることも少なくありませんが、れっきとした茎。蓮には観賞用と食用の種類があり、観賞用の地下茎は太くなることはありません。普段食卓に並ぶレンコンは、食用に太く肥大した地下茎を使用しています。

植物としての蓮

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優雅に咲き誇る蓮。「水芙蓉(すいふよう、みずふよう)」や「池見草(いけみぐさ)」とも呼ばれ、湿地で栽培されています。意外なことに、地下茎のレンコンの部分以外にも食用にされることがある植物。蓮の特徴について詳しく見ていきましょう。

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美しい花とその見頃

蓮の花は白やピンク、もしくは白からピンクにグラデーション状に色づき、7~8月に見頃を迎えます。朝早くに咲いて昼にはしぼんでしまうため、観賞に出かける際は午前中の早い時間がベスト。蓮の名所は、東京の上野公園にある「不忍池」や京都の「三室戸寺」など日本各地に点在しているので、近くのスポットを探してみるのもいいでしょう。

蓮を食用にする場合も

蓮は鑑賞にとどまらず、食用とされる場合があります。ハチの巣のような形をした花托(かたく)から取り出される種子は「はすの実」と呼ばれ、若い種子をそのまま食べたり、甘納豆やお汁粉にしたりすることも。中国や台湾では餡に加工して、お菓子に使用することが多いです。

茎は、日本では煮物に使用したり、砂糖漬けにしたりして食されます。中国では炒め物や漬物にして食べ、ベトナムでは茹でた茎をサラダに。また、中国やベトナムでは花も活用され、「蓮茶」として楽しまれています。

似た植物「睡蓮」との違い

蓮によく似た植物に「睡蓮」があります。どちらも湿地に生息し、花や葉がよく似ていることから間違われることも多い植物。しかし、この2つは全くの別物です。蓮がハス目ハス科なのに対し、睡蓮はスイレン目スイレン科と種類が異なるうえ、葉や花に明確な違いがあります。

蓮は、水面よりも高いところまで茎をのばし、葉や花を広げますが、睡蓮の葉や花は水面に浮かんでいるような状態。また、蓮の葉はツヤのない丸い形状であるのに対し、睡蓮の葉にはツヤがあり、切込みが入っています。葉と花を見れば、どちらが蓮でどちらが睡蓮かを見分けることができますよ

食用としてのレンコン

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蓮の地下茎であるレンコン。日本では、奈良時代にはすでに食用とされていたことが分かっています。たくさんの穴が開いた筒状の見た目が特徴的なほか、収穫方法にも非常に興味深いポイントがあります。詳しく見ていきましょう。

レンコンの起源・品種

食用のレンコンの原産地は諸説あり、エジプト、インド、東南アジア、中国などです。日本では、奈良時代の書物にレンコンを食用とする描写があることから、中国(百済)から仏教伝来とともに伝わったのではないかと考えられています。

現在の日本国内で栽培されている主な品種をご紹介しましょう。まずは「金澄(かなすみ)」。関東地方の栽培数のうち約7割を占めています。「備中(びっちゅう)」は主に西日本で栽培されている品種です。「支那(しな)」は、石川県や山口県を中心に栽培されています。

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レンコンの収穫方法

レンコンの収穫方法には、大きく分けて「クワ掘り」と「水掘り」の2種類があります。「クワ掘り」は山口県や愛知県で多く実施される方法。レンコンを傷つけないぎりぎりの深さまでショベルカーで土を掘り、そのあとはクワを使って手作業で掘り起こしていきます。レンコンを折らないように堀りだすのは至難の業なのだとか。

一方の「水掘り」は主に茨城県や岡山県で実施されており、泥の中に埋まるレンコンをホースから噴射される水の勢いで掘りだす方法。胸あたりまで水に入って行う作業には、「ウェーダー」と呼ばれる防水スーツを着用します。

レンコンの旬

レンコンの旬は秋から冬にかけての時期です。育成自体は9月中に終了しますが。そのまま田んぼの中で寝かせてうまみを凝縮させます。また、6月ごろに収穫される「新レンコン」と呼ばれるものもあり、秋~冬の甘くねっとりとした食感のレンコンと比べ、あっさりした味わいと軽やかな食感が特徴です。

レンコンを味わうレシピ

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魅力あふれるレンコンを味わうのにぴったりのレシピを2つご紹介します。どちらも味わい深く、特徴的な形を生かせるレシピ。簡単に作ることができるので、食卓に1品プラスしたいときはぜひトライしてみてくださいね。

1.レンコンのきんぴら

レンコンのシャキシャキとした食感と、醤油の香りを楽しめるメニューです。

【材料】2~3人分
レンコン…200g
サラダ油…小さじ1
白ごま・一味唐辛子…お好みで少々
醤油…大さじ1と1/2
砂糖…大さじ1
酒…大さじ1/2

【作り方】
1.レンコンの皮をむき、5mm幅で輪切りにする(太い場合は半月切りにする)
2.フライパンにサラダ油を温め、レンコンを2~3分炒める
3.醤油・砂糖・酒を入れ、レンコンにタレが絡むまで炒める
4.お好みで白ごま・一味唐辛子をふりかけて完成

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2.レンコンチップス

パリッと軽い食感で、おやつやおつまみにぴったりのメニューです。

【材料】
レンコン…お好みの量
揚げ油…適量(フライパンに1cmほどの深さになる量)
塩…少々

【作り方】
1.レンコンに付いた土を洗い、水気を拭いたあとに皮付きのままスライスする(1~1.5mm)
2.レンコンは水にさらさず、フライパンで170~180℃に温めた揚げ油へ1枚ずつ入れる
3.レンコンから出る泡が少なくなり、きつね色になったら取り出す
4.油をきって塩をふりかけたら完成

不思議な形のレンコンを味わおう!

多くの野菜の中でも、とりわけ面白い形をしているのがレンコンです。いくつもの穴が開いた。筒のような野菜なんて他にはありませんよね。薄く切ってシャキシャキとした食感を楽しんだり、大きく切ってほっくり甘い味わいを堪能したり。日本の食卓に欠かせないレンコン。様々な切り方や調理法で、食感や味の変化を感じてみてくださいね

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雑学

簡単でわかりやすい!蓮とレンコンの違いとは?睡蓮との違いやレンコンのおすすめレシピも野菜好きライターが詳しく解説

2.レンコンチップス

パリッと軽い食感で、おやつやおつまみにぴったりのメニューです。

【材料】
レンコン…お好みの量
揚げ油…適量(フライパンに1cmほどの深さになる量)
塩…少々

【作り方】
1.レンコンに付いた土を洗い、水気を拭いたあとに皮付きのままスライスする(1~1.5mm)
2.レンコンは水にさらさず、フライパンで170~180℃に温めた揚げ油へ1枚ずつ入れる
3.レンコンから出る泡が少なくなり、きつね色になったら取り出す
4.油をきって塩をふりかけたら完成

不思議な形のレンコンを味わおう!

多くの野菜の中でも、とりわけ面白い形をしているのがレンコンです。いくつもの穴が開いた。筒のような野菜なんて他にはありませんよね。薄く切ってシャキシャキとした食感を楽しんだり、大きく切ってほっくり甘い味わいを堪能したり。日本の食卓に欠かせないレンコン。様々な切り方や調理法で、食感や味の変化を感じてみてくださいね

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