重曹やタンサンを知っているか?料理や掃除、入浴剤、それ以外にも幅広く使われている白い粉です。天然素材で扱いやすく、スーパーやドラッグストア、100円均一ショップでも手軽に入手できる。今回は、重曹・タンサンの特性をいかしたさまざまな活用法、ベーキングパウダーやクエン酸との違いも合わせて雑学大好き図書館司書のひろみと一緒に解説していきます。

ライター/ひろみ

図書館司書として勤務18年目の主婦ライター。利用者から寄せられるさまざまな疑問に答えるため、日々尽力している。

重曹とタンサンに違いってあるの?

重曹やタンサンを使ったことはありますか?どちらも白い粉末状の物質で、呼び方は違いますが、実は同じもの。重曹は、重炭酸ソーダを略した呼び方です。英語ではベーキングソーダと言い、主にふくらし粉として使われてきました。

タンサンと書かれている商品でも、その商品名の下や横に重曹と表記されています。重曹(タンサン)には、さまざまな使用法がありますが、タンサンと表記されているものは食用として販売されていることが多いようです。

重曹(タンサン)の成分は炭酸水素ナトリウム

重曹(タンサン)は炭酸水素ナトリウムを成分とした自然界に存在するミネラルで、人体に無害の物質です。その安全性を生かし、食品添加物や薬として使われてきました。重曹(タンサン)の主な働きには、次のようなものがあります。

1.中和作用
2.研磨作用
3.吸湿・消臭作用
4.膨張・発泡作用

ここからは、これらの特性をいかした重曹(タンサン)の主な使い方について詳しく説明していきます。

重曹(タンサン)の活用法1.料理

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重曹(タンサン)は料理のさまざまなシーンで使われます。いくつか具体的な例をあげて紹介しましょう。純度や粒子の大きさが異なるため、工業用や掃除用ではなく、必ず食用と書かれているものを使用するようにしてください。

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1.アク抜き

山菜のアク抜きに使えます。これは、重曹(タンサン)の持つ中和作用を利用したものです。山菜には繊維が多いのですが、重曹(タンサン)を溶かしたアルカリ性の水で短時間ゆでるか、しばらく水につけておくと、その繊維が柔らかくなり、アクが溶け出します。アルカリと反応して、色も鮮やかに。水1Lに対して重曹(タンサン)小さじ1が目安です。

2.揚げ物

揚げ衣に重曹(タンサン)を加えることで、衣の外はサクサク、中はふんわりと仕上がります。これは、重曹(タンサン)の発泡・膨張作用を活用したものです。重曹(タンサン)は加熱すると二酸化炭素を発生させて発泡し、膨張します。その際、衣の余分な水分が蒸発するため、カリッと揚がるのです。薄力粉大さじ2に対し、重曹(タンサン)ひとつまみ程度加えます。

3.肉やエビ・イカにも

重曹(タンサン)には、タンパク質を分解する働きがあるため、肉を柔らかく、エビ・イカをぷりぷりにしてくれます。

下準備として食材100gあたり重曹(タンサン)ひとつまみをしっかりもみこんでから、調理してください。水400-500ccと重曹(タンサン)小さじ1を入れた容器に、肉を1-2時間つけるという方法も。この場合は、軽く水洗いし、水気をよくふき取って調理します。

ベーキングパウダーの代用は可能?

ベーキングパウダーは生地をふんわり焼き上げるために使われます。重曹(タンサン)を使用しても、生地はふくらむため代用は可能です。ただ、ベーキングパウダーと違い、重曹(タンサン)には独特の苦みがあり、焼きあがりの色も濃くなるため、レシピに合わせて利用してください。

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重曹(タンサン)の活用法2.掃除

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重曹(タンサン)は掃除にも大活躍。重曹はアルカリ性のため、酸性の汚れを中和して落とします。酸性の汚れとは、台所の油汚れ、手あか、皮脂汚れなど。口に入れても安全な重曹(タンサン)は、キッチンの掃除にも安心して使えますね。使用する場所や汚れ具合に合わせて、粉、スプレー、ペースト状と使い分けるのがコツです。ここからは、掃除用としての使用例を見ていきます。

1.粉のままで使う

ぬらしたスポンジに重曹(タンサン)小さじ1程度をつけ軽くこすると、食器についた茶しぶや黒ずみが落ちます。これは、重曹(タンサン)の研磨作用によるものです。重曹(タンサン)の結晶は丸く、非常に小さいため、食器を傷つけることがありません。

また、重曹(タンサン)には消臭・吸湿作用があるため、カーペットの上にうっすらとふりかけ数時間放置した後、掃除機で吸引すれば、におい対策になります。

2.水に溶かして使う

水100mlに重曹(タンサン)小さじ1を溶かして重曹水を作り、スプレーボトルに入れて使います。お風呂の床や浴槽にスプレーしてこすれば、汚れがすっきり落ちますよ。フローリングの皮脂汚れにも効果的。スプレーした後は乾いた雑巾でふきとりましょう。キッチンのコンロまわりや換気扇にまめにスプレーしておくと、油がこびりつきにくくなり、掃除がラクに。

3.ペースト状にして使う

ひどい汚れにはペースト状にしたものを使います。重曹ペーストは、重曹(タンサン)大さじ2-3に水大さじ1を少しずつ加え、練り合わせれば完成です。フライパンや鍋の焦げつきに重曹ペーストを塗り、スポンジの硬い面でこするとポロポロとはがれますよ。

焦げつきがひどい場合は、重曹ペーストを塗り、しばらく放置しましょう。重曹(タンサン)の発泡作用の働きで汚れが浮き上がり、とれやすくなります。衣服についた皮脂汚れや黄ばみ、油シミを落としたいときにも使ってみてください。

クエン酸との違いは?

クエン酸も掃除に便利だとよく聞きますね。アリカリ性の重曹(タンサン)は酸性の汚れ落としが得意ですが、クエン酸は、「酸」とついていることからもわかるように酸性の物質のため、アルカリ性の汚れを中和して落とします。アルカリ性の汚れは、水アカ、せっけんカス、ミネラルなどです。

洗面所のシンクやトイレの便器には、クエン酸水をスプレーしてこすりましょう。クエン酸も、粉末・スプレー・ペースト状にして使えるので、汚れの程度に合わせて活用してください。

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重曹(タンサン)の活用法3.入浴剤

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重曹(タンサン)は市販されている入浴剤の主な成分です。お湯に溶けるときに発生する二酸化炭素は、血行を促進し、肌の新陳代謝を活発にします。浴槽のお湯200Lに対して重曹(タンサン)大さじ3を入れることで、同じ効果がありますよ。

また、重曹(タンサン)が溶けたお湯は、皮膚の表面や毛穴の汚れを落としてくれるので、肌がすべすべに。重曹(タンサン)入りのお湯は浴槽の皮脂汚れも浮かせるため、入浴後の掃除も簡単です。

幅広い用途がある重曹(タンサン)を上手に使おう!

重曹(タンサン)のさまざまな使い方を見てきました。その用途の幅広さに驚かされますね。魚のヌメリとりや靴の消臭剤など今回取り上げた以外にも多様な利用法がありますので調べてみてください。肌荒れを起こすことがあるため長時間使う場合にはゴム手袋をつける、大理石、ステンレス、アルミや銅、木材などには使用できない、といった注意点を理解し、重曹(タンサン)を上手に使いましょう。

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雑学

簡単でわかりやすい!重曹とタンサンの違いとは?ベーキングパウダーの代わりに使える?さまざまな活用法も雑学大好き図書館司書が詳しく解説

重曹やタンサンを知っているか?料理や掃除、入浴剤、それ以外にも幅広く使われている白い粉です。天然素材で扱いやすく、スーパーやドラッグストア、100円均一ショップでも手軽に入手できる。今回は、重曹・タンサンの特性をいかしたさまざまな活用法、ベーキングパウダーやクエン酸との違いも合わせて雑学大好き図書館司書のひろみと一緒に解説していきます。

ライター/ひろみ

図書館司書として勤務18年目の主婦ライター。利用者から寄せられるさまざまな疑問に答えるため、日々尽力している。

重曹とタンサンに違いってあるの?

重曹やタンサンを使ったことはありますか?どちらも白い粉末状の物質で、呼び方は違いますが、実は同じもの。重曹は、重炭酸ソーダを略した呼び方です。英語ではベーキングソーダと言い、主にふくらし粉として使われてきました。

タンサンと書かれている商品でも、その商品名の下や横に重曹と表記されています。重曹(タンサン)には、さまざまな使用法がありますが、タンサンと表記されているものは食用として販売されていることが多いようです。

重曹(タンサン)の成分は炭酸水素ナトリウム

重曹(タンサン)は炭酸水素ナトリウムを成分とした自然界に存在するミネラルで、人体に無害の物質です。その安全性を生かし、食品添加物や薬として使われてきました。重曹(タンサン)の主な働きには、次のようなものがあります。

1.中和作用
2.研磨作用
3.吸湿・消臭作用
4.膨張・発泡作用

ここからは、これらの特性をいかした重曹(タンサン)の主な使い方について詳しく説明していきます。

重曹(タンサン)の活用法1.料理

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重曹(タンサン)は料理のさまざまなシーンで使われます。いくつか具体的な例をあげて紹介しましょう。純度や粒子の大きさが異なるため、工業用や掃除用ではなく、必ず食用と書かれているものを使用するようにしてください。

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