この記事では「羽」と「羽根」の違いをみていきます。
鳥は自由に空を飛ぶことが出来て良いな~と常に思うよな。空を飛ぶには「羽」が必要ですが、飛行機は「翼」と表現される。一方でヘリコプター、扇風機や風車などくるくる回っているのは「羽根」という。この違い、感覚的に分かって使い分けているが、理解度が低いのではないでしょうか。今回は「羽」と「羽根」の違いを、意味や使い方を確認しつつ、翼が欲しい語学系主婦ライター小島ヨウと一緒に解説していく。

ライター/小島 ヨウ

ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。漢字や言葉の使い方に興味あり。わかりやすくをモットーに深ぼり解説する。

「羽」と「羽根」の違いは何だろう

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「羽」は飛べる鳥の特徴ですね。「羽根」も主に鳥のものだと認識しています。どういった場合に「羽」を使い、何が「羽根」なのか、詳しくみていきましょう。辞書で意味を調べてみると、【羽/羽根】と掲載されています。

1. 鳥の全身を覆う羽毛。
2.ア.鳥が空を飛ぶための器官。翼。
   イ.(「翅」とも書く)昆虫の飛ぶための器官。
   ウ.翼状のもの。特に、器具・機械に取り付けた翼状のもの。
3. 矢につけた羽毛。やばね。
4.(羽根)ムクロジの実に穴をあけ、数本の羽をさしたもの。羽子板でこれをついて遊ぶ。はご。
5.バドミントンで用いるシャトルコック
6.水車・タービンなどで回転体の周囲に取り付けた金属片。
7.紋所の名。1の形を組み合わせて図案化したもの。


出典:デジタル大辞泉(小学館)(はーね【羽/羽根】)より

「羽」:飛ぶための器官

「羽」は上掲辞書の意味の1.と2.の意味で、鳥や昆虫が飛ぶための器官のことです。飛翔で使用する部分だけでなく全身をおおっている毛も含まれます。「羽」という漢字は2枚のはねを並べて、鳥の体におおいかぶさる様の象形です。

「羽根」:抜け落ちた羽

一方の「羽根」は羽から抜けたもの。加工品や似た形のものも「羽根」と表現されます。たとえば宝塚歌劇団トップスターの象徴は「背負い羽根」。扇風機・ヘリコプターや風車など回転して風を起こす部分も羽根、またはブレード(刃)と呼ばれます。

「翼」・「翅」との違いは?

「翼」は鳥の羽と同じ飛ぶための器官。大きく左右に張り出したものをいいますので左右一対の羽を暗示し、飛行機も「翼」を使います。

「羽」は空を飛ぶ生物や製品全般に使えますが、「翅(はね・つばさ)」は主に昆虫類です。まっすぐに伸びた薄くて平たい羽で、筋肉がなく脈が走っています。また魚のヒレもいい、「魚翅」は中国語で高級食材フカヒレのことです。

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「羽」と「羽根」の使い方

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「羽」と「羽根」の意味や違いが分かったところで、使って確認します。

「羽」の使い方と例文

空を自由に飛ぶ鳥、「羽」は自由を比ゆして使われます。ほか慣用句がいくつもありますので、例文でみてみましょう。

1.忙しい日々を抜け出し、温泉旅行で羽を伸ばした。
2.SNSで紹介された商品、羽が生えたように売れていく。
3.ストレス発散と称して羽目を外して遊びまわり、散財した。

1.はおなじみの慣用句、のびのびと気楽に過ごす意味ですね。2.の「羽が生えたよう」はどんどん売れる、どんどんなくなることを比ゆしています。3.の「羽目を外す」は度を越す、やりすぎる意味です。「羽目」は馬のくつわ「はめ」のことで、手綱を外された馬が自由に走り回ることから、ともいわれています

「羽根」の使い方と例文

「羽根」は羽から抜けたもの、加工し様々な製品に使われています。例を挙げて説明しましょう。

1.冬は暖かくて軽い羽根布団が好きだ。
2.バドミントンのシャトルはガチョウやアヒルの羽根を使っている。
3.経営難の工場責任者として、敏腕課長に白羽の矢が立った。

1.「羽毛ぶとん」はダウン50パーセント以上、未満は「羽根ぶとん」といいます。2.日本バドミントン協会の一級検定球はガチョウの羽根のシャトルです。3.「羽根」の字は使っていませんが意味は「羽根」の慣用句「白羽の矢が立つ」。多くの中から特に(犠牲者として)指定・選び出される意味です。

「羽」や「羽根」にまつわるあれこれ

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大空を自由に飛び回るイメージで「羽」や「翼」は名前で人気の漢字ですね。羽を大きく広げて高く飛ぶ意味の「翔」は羽を広げるように両ひじを広げる動作もいいます。さあ「羽」や「羽根」に関するもろもろをもっとみていきましょう。

「羽毛」は「羽」と同じ?

「羽毛」とは鳥の体全体をおおう毛で羽と同じです。は虫類のうろこやほ乳類の毛に相当するもので、防水性、保温効果を高めています。羽毛は正羽と綿羽に大きく分けられ、正羽は飛翔に使う翼の部分です。

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「羽」や「羽根」を英語で表現すると?

一般的で簡単な英単語は「wing」、羽・翼・羽根や翅も表し、動詞でも使われます羽毛は「feather」、ダウン「down」は綿毛のことです。機械や扇風機の羽根は「fan」ヘリコプターなどは「blade」を使います。

鳥の数え方は「羽」だけじゃない!

鳥の特徴から、数え方は「一羽(いちわ)」「二羽」……が普通ですが、「翼(よく)」や「隻(せき)」も用いられます。また、飛べない大型の鳥は「頭(とう)」、飛べないペンギンなど小型の鳥や他の動物と合わせて数える時は「匹」。大きく羽を広げるクジャクは「面」を使うそうですよ。

「羽」と「羽根」しっかり使い分けよう

この記事では「羽」と「羽根」の違いを説明しました。「羽」は空を飛ぶことが出来るもの。慣用句は比ゆ的表現が多いので「羽」を使います。「羽根」は1本1本バラバラのイメージですよ。「根」は生えているものの下部、もとの部分。根が見えてしまっているので「羽根」なのかもしれません。使い分けてくださいね。

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3分でわかる「羽」と「羽根」の 違い!「翼」や「翅」との違いや使い方まで語学系主婦ライターがわかりやすく解説

この記事では「羽」と「羽根」の違いをみていきます。
鳥は自由に空を飛ぶことが出来て良いな~と常に思うよな。空を飛ぶには「羽」が必要ですが、飛行機は「翼」と表現される。一方でヘリコプター、扇風機や風車などくるくる回っているのは「羽根」という。この違い、感覚的に分かって使い分けているが、理解度が低いのではないでしょうか。今回は「羽」と「羽根」の違いを、意味や使い方を確認しつつ、翼が欲しい語学系主婦ライター小島ヨウと一緒に解説していく。

ライター/小島 ヨウ

ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。漢字や言葉の使い方に興味あり。わかりやすくをモットーに深ぼり解説する。

「羽」と「羽根」の違いは何だろう

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「羽」は飛べる鳥の特徴ですね。「羽根」も主に鳥のものだと認識しています。どういった場合に「羽」を使い、何が「羽根」なのか、詳しくみていきましょう。辞書で意味を調べてみると、【羽/羽根】と掲載されています。

1. 鳥の全身を覆う羽毛。
2.ア.鳥が空を飛ぶための器官。翼。
   イ.(「翅」とも書く)昆虫の飛ぶための器官。
   ウ.翼状のもの。特に、器具・機械に取り付けた翼状のもの。
3. 矢につけた羽毛。やばね。
4.(羽根)ムクロジの実に穴をあけ、数本の羽をさしたもの。羽子板でこれをついて遊ぶ。はご。
5.バドミントンで用いるシャトルコック
6.水車・タービンなどで回転体の周囲に取り付けた金属片。
7.紋所の名。1の形を組み合わせて図案化したもの。


出典:デジタル大辞泉(小学館)(はーね【羽/羽根】)より

「羽」:飛ぶための器官

「羽」は上掲辞書の意味の1.と2.の意味で、鳥や昆虫が飛ぶための器官のことです。飛翔で使用する部分だけでなく全身をおおっている毛も含まれます。「羽」という漢字は2枚のはねを並べて、鳥の体におおいかぶさる様の象形です。

「羽根」:抜け落ちた羽

一方の「羽根」は羽から抜けたもの。加工品や似た形のものも「羽根」と表現されます。たとえば宝塚歌劇団トップスターの象徴は「背負い羽根」。扇風機・ヘリコプターや風車など回転して風を起こす部分も羽根、またはブレード(刃)と呼ばれます。

「翼」・「翅」との違いは?

「翼」は鳥の羽と同じ飛ぶための器官。大きく左右に張り出したものをいいますので左右一対の羽を暗示し、飛行機も「翼」を使います。

「羽」は空を飛ぶ生物や製品全般に使えますが、「翅(はね・つばさ)」は主に昆虫類です。まっすぐに伸びた薄くて平たい羽で、筋肉がなく脈が走っています。また魚のヒレもいい、「魚翅」は中国語で高級食材フカヒレのことです。

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