仕様書や設計書という言葉を聞いたことがあるか。ものづくりの際には欠かせないものです。これらが実際にどういうもので、どういう違いがあるか、そしてなぜ必要なのか気にならないか。ものづくりには1人の職人がコツコツつくるものもありますが、多くの人が関わるものもあるな。そんな大規模なものの場合に必要になるのが仕様書や設計書です。その違いやどうして必要なのかや作り方まで、実際に多くの仕様書や設計書を書いてきたプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。長年、仕様書や設計書を書いてきた。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

どちらも欠かせない!仕様書と設計書の違いとは

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ものづくりと言っても1人の職人がつくるものから、工場などで多くの人が関わってつくるものまで色々あります。多くの人が集まってつくる場合、皆で意識や情報を共有する必要がありますよね。そのために必要なのが仕様書や設計書。ではこの2つは何が違うのか。

ツアー旅行に例えると、最初の方にどこへ行きます、何を食べます、どんな景色が見えますというそのツアーの特徴が書いてありますよね。それに当たるのが仕様書。一方、旅程表として細かいスケジュールが書いてありますよね。これに当たるのが設計書です。

仕様書:つくるものがどのようなものかを示したもの

ツアー旅行を調べる場合、いきなり細かい旅程を調べないと思います。例えば、鮮やかな紅葉や海に沈む夕日などのツアーの売り文句をもとに、行きたいものを探しますよね。この売り文句に当たるものを書くのが仕様書

仕様書は英語で言えばspecification。よくスペックと呼ばれます。スマホのスペックや車のスペックといった使い方をしますよね。スマホで言えば、iOSなのかAndroidOSなのか、メモリがどれくらいあって、画面サイズや本体のサイズ、重量などが書いてあります。何かを選ぶ際に確認するものがスペックそれを書いてあるのが仕様書になります。

設計書:どのようにつくるかを示したもの

ツアー旅行の説明書に書いてあるのは売り文句だけではないですよね。実際にどういう順番でどんな方法でどうまわるか、それが何時くらいかといったことが書いてありますよね。バスなのか、鉄道を使うのか、船に乗ったりするのか。細かい情報もあった方がより分かりやすいです。

ものづくりの場合も、材料や部品をどう加工して、どう組み合わせるかが重要。それを考えるのが設計です。考えただけではその人の頭の中にしかないので、それを形にしたものが設計書になります。

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仕様書と設計書、3つの違い

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仕様書と設計書の違いについて大体のイメージをつかんでもらったところで、違いについて見ていきます。色々違いはありますが、今回取り上げるのは3点です。主にプログラムつくりの現場での考え方が中心になります。しかし、どの分野でも大体の考え方は同じです。

違い1.何のためにつくるか?

最初の違いは何のためにつくるのか。ものづくりのためにつくるのは当然です。しかし、目的が少し違います仕様書はつくるものがどういうものかの完成形を文書にしたもの。こういう特徴がある、ここが他の製品とは違う、こうして使うという内容を書きます。

設計書はどうやってつくるかを文書にしたものです。こういう材料や部品を使う、こういうやり方でつくるといったつくり方を考え、それを書くものになります。プラモデルであれば、箱に書いてある商品名や写真やイラストが仕様書。そして、中に入っている組み立て説明図が設計書です。

違い2.誰のためにつくるか?

次が、誰のためにつくるのか。先に設計書について説明します。設計書はそれをつくる人たちの間で情報を共有するもの。例えば、プログラムをつくる場合、どのくらいの人数が関わるでしょう。もちろん、ものによりますが、数人や数十人、場合によっては数百人の人が関わります。そのとき、それぞれがバラバラにつくってしまってはまとまらないですよね。そのため、設計書というものでどうやってつくるかを情報共有します。

仕様書も同じようにこういうものをつくるという情報を共有するためのもの。しかし、それだけではありません。実際にそのプログラムを使う人にとっても、どういう画面かなのか、どういう結果が出るのかは気になりますよね。仕様書は、それを使う人もこれからつくるものがどういうものかを確認するために使うのです。

違い3.何が大切か?

最後に何が大切か仕様書はつくるものの外観や機能など、外に見える部分の最終形を示すものです。例えば、画面や印刷するものならばどんなフォントで何文字まで表示・印刷するといった細かい部分まで決める必要があります。どういうものができあがるのかを細かいところまでイメージできるものがよいわけです。結果だけでなく、なぜそのようにしたのかという理由もあれば完璧。後で何か変更が必要になった場合に参考になることもあります。

設計書は細かい内容を書く場合もありますが、まずは大まかな流れや方針を書くことが大切です。物事を進める時、いきなり細かい話をするよりもまずは大まかな流れから説明した方がわかりやすいですよね。設計書も同じ。全体像や大体の流れをまず説明することが大切です。

\次のページで「実際にどうつくる?ものづくりのホップ、ステップ、ジャンプ」を解説!/

実際にどうつくる?ものづくりのホップ、ステップ、ジャンプ

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ものづくりに仕様書や設計書は欠かせないとして、実際にはどうやってものをつくるのでしょう。仕様書や設計書はどのようなタイミングでつくるのかも含め、ホップ、ステップ、ジャンプの3段階で説明します。

ホップ:まずは仕様書をつくる

ホップの段階でまずつくるのが仕様書つくるものの最終形をまず考える必要があります。そのために、実際の製品に近いものを試作したり、モックアップをつくったり。携帯電話店に行くと、実際には使えないが重さやサイズ感がわかるモックアップが置いてありますよね。

そのように最終的なものがどうなるかという文書や図面、場合によってはモックアップやプロトタイプといった最終形をイメージしやすいものをつくる作業がまず必要です。そこでつくる文書が仕様書になります。

ステップ:どうつくるか考えて設計書をつくる

ステップの段階では中身のことを考えます。ホップの時点で外観やどう動くかといった外から見える要素は決めましたよね。しかし、実際に動くものになるには、内臓や筋肉などの中身が必要。それをどう組み合わせ、どう動くかを考えるのが設計作業です。その設計作業で考えたことをまとめたものが設計書。

場合によってはいきなりものをつくり始めることもありますが、完成形を元にどう組み立てていくかを考えるのが設計作業。それをまとめて文書にし、関係者で情報共有するために使うのが設計書になります。

ジャンプ:仕様書や設計書を元にものをつくる

ホップ、ステップと段階を踏んで、最後にジャンプします。仕様書や設計書で決めた通りに実際にものをつくる段階です。ただ、場合によっては最終形や、つくり方を変更することも。十分に考えて決めていますが、実際につくってみるとうまくいかないことや、もっといい方法が出てくることも。そのような場合は、仕様書や設計書も書き直しが必要仕切り直しが必要になります。

ものづくりを三段跳びに例えましたが、この3段階が重要です。つくるところだけでなく、ホップやステップにあたる仕様書や設計書の作成をしっかりとすることで、よいものをつくることができます。

仕様書はゴール、設計書はそこまでの道筋

プログラムはどうやってつくるのか。もしかすると、天才プログラマーが1人でいきなりパソコンを叩いてプログラムを作り始めると考えていませんか。実際には、数人、数十人、場合によっては数百人が関わります。そうなると、全体の目標や、そこまでの道のりを示すものがないとバラバラになってしまいますよね。そうならないようにつくるのが仕様書や設計書

ものづくりでは(1)完成イメージをつくる、(2)つくり方を考える、(3)実際につくるの3ステップを取ります。実際にはもっと細かく分けることも。しかし、大きく分けると3段階でつくります。その1段階目に必要なのが仕様書です。そして2段階目に必要なのが設計書になります。仕様書は目指すゴール、設計書はそこまでの道筋を示すものです。

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ビジネス雑学

簡単でわかりやすい!仕様書と設計書の違いとは?一般的な使い方からセキュリティまでプログラマーが詳しく解説

仕様書や設計書という言葉を聞いたことがあるか。ものづくりの際には欠かせないものです。これらが実際にどういうもので、どういう違いがあるか、そしてなぜ必要なのか気にならないか。ものづくりには1人の職人がコツコツつくるものもありますが、多くの人が関わるものもあるな。そんな大規模なものの場合に必要になるのが仕様書や設計書です。その違いやどうして必要なのかや作り方まで、実際に多くの仕様書や設計書を書いてきたプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。長年、仕様書や設計書を書いてきた。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

どちらも欠かせない!仕様書と設計書の違いとは

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ものづくりと言っても1人の職人がつくるものから、工場などで多くの人が関わってつくるものまで色々あります。多くの人が集まってつくる場合、皆で意識や情報を共有する必要がありますよね。そのために必要なのが仕様書や設計書。ではこの2つは何が違うのか。

ツアー旅行に例えると、最初の方にどこへ行きます、何を食べます、どんな景色が見えますというそのツアーの特徴が書いてありますよね。それに当たるのが仕様書。一方、旅程表として細かいスケジュールが書いてありますよね。これに当たるのが設計書です。

仕様書:つくるものがどのようなものかを示したもの

ツアー旅行を調べる場合、いきなり細かい旅程を調べないと思います。例えば、鮮やかな紅葉や海に沈む夕日などのツアーの売り文句をもとに、行きたいものを探しますよね。この売り文句に当たるものを書くのが仕様書

仕様書は英語で言えばspecification。よくスペックと呼ばれます。スマホのスペックや車のスペックといった使い方をしますよね。スマホで言えば、iOSなのかAndroidOSなのか、メモリがどれくらいあって、画面サイズや本体のサイズ、重量などが書いてあります。何かを選ぶ際に確認するものがスペックそれを書いてあるのが仕様書になります。

設計書:どのようにつくるかを示したもの

ツアー旅行の説明書に書いてあるのは売り文句だけではないですよね。実際にどういう順番でどんな方法でどうまわるか、それが何時くらいかといったことが書いてありますよね。バスなのか、鉄道を使うのか、船に乗ったりするのか。細かい情報もあった方がより分かりやすいです。

ものづくりの場合も、材料や部品をどう加工して、どう組み合わせるかが重要。それを考えるのが設計です。考えただけではその人の頭の中にしかないので、それを形にしたものが設計書になります。

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