
教育漢字:小学校で教える漢字
「常用漢字」の中でも特に使用頻度が高い漢字については、義務教育の初等課程、つまり小学校6年間のうちに学習する必要があります。これが「教育漢字」です。「教育漢字」は文部科学省の「小学校学習指導要領」の付録「学年別漢字配当表」として告示されています。
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人名用漢字:人名に使える漢字
人名に用いることのできる漢字として内閣により告示された漢字の総称が「人名用漢字」です。たまに珍しい漢字が名前の人を見かけることはありませんか。そのような人は「常用漢字」外の「人名用漢字」が適用されている人です。
また「人名用漢字」においては、新生児の名前としてふさわしくない漢字は除外されています。新生児の人権や公序良俗に反するような漢字は人命にふさわしくありませんよね。
当用漢字は昔の、常用漢字は現在の社会で使用できる漢字の範囲
ここまで「当用漢字」と「常用漢字」の違い、「当用漢字」から「常用漢字」に変更された理由、そして関連する言葉として「教育漢字」と「人名用漢字」について解説してきました。それぞれどのような目的で制定されているのか理解できたのではないでしょうか。
あまりにも多すぎる漢字はコミュニケーションにおいて問題を生じますが、漢字1字1字に個性や歴史があるのもまた事実です。
一般社会におけるコミュニケーションを重視する価値観と、独自の文化を守ろうという価値観。この2つを同時に維持していくことが、日本の漢字文化を守る重要な要素と言えるのではないでしょうか。