
なぜ当用漢字から常用漢字に変更されたのか

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「当用漢字」がかつての範囲で、「常用漢字」が現在の範囲であることはおわかりいただけたと思います。ここで気になるのはなぜ「当用漢字」から「常用漢字」に変更されたのかですよね。ここでは「常用漢字」への変更理由について解説していきます。
一般社会で使われる漢字が多すぎたことに問題があった
実は戦前の日本では5万字以上の漢字が使われていました。当然、意思疎通を図る上での問題が多発していました。戦後になると新たな国づくりの一環として、一般社会で使用する漢字の範囲に制限を設けようという運動がおこりました。そして1946年に新聞や雑誌で扱うべき漢字を1850字に限定しました。これが「当用漢字」のスタートです。
当用漢字では表現できない言葉があった
国民に新聞や雑誌、テレビなどのマスメディアが普及するにつれて、「当用漢字」では表現できない言葉が散見されるようになります。漢字というのは表意文字ですので、ひらがなに置き換えては表現できない言葉もあるのです。そこで1981年に「当用漢字」に95字を追加し、1945字の「常用漢字」が生まれました。
また2010年にはさらに漢字が追加され、現在「常用漢字」は2136字となっています。
教育漢字、人名用漢字との関係

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「当用漢字」や「常用漢字」について調べていると、一緒に目につく言葉が「教育漢字」と「人名用漢字」。ここでは関連する言葉として、この2語について解説していきます。
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