人やものを使うときに「利用」や「活用」といった言葉をよく使うよな。どちらも意味は似ているが、言葉によって意味することに違いがあるみたいです。
今回はこの違いについて、言葉の使い方にこだわるビジネス文書熟練者の西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届け。

「利用」と「活用」の違いとは?

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この2つの言葉は、人やものを使うときに用いられる言葉です。しかし、「正確な違いがわからない」「適切に使い分けができない」という人も多いのではないでしょうか。この2つの違いを理解することで、状況によって適切に使い分けられ、正確に物事を伝えられるようになるでしょう。2つの違いについてくわしく解説しますので、参考にしてください。

「利用」は目的のために人やものを上手に使うこと

“利”は物事が都合よく運ぶ・好都合であるという意味を、“用”は使う・用いるという意味を持つ漢字です。これらの漢字を組み合わせて成り立つ「利用」は、何かしらの目的を達成するために人やものを上手に使うことを表しています。

「活用」は目的のために人やものを活かして使うこと

“活”は動きを殺さないで役立てるという意味を持つ漢字です。使う・用いるという意味を持つ“用”と組み合わさり成り立つ「活用」は、何かしらの目的を達成するために人やものを活かして使うことを表しています。

「利用」の意味や使い方

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ここから「利用」と「活用」の違いに着目しながら、「利用」の意味や使い方を解説します。

「利用」の意味

「利用」を辞書で調べると、以下のように記載されています。

1.(物の機能・性能を十分に生かして)役立つようにうまく使うこと。また、使って役に立たせること。
2 (ある目的を達するために)便宜的な手段として使うこと。方便にすること。

出典:デジタル大辞泉

\次のページで「「利用」の使い方」を解説!/

何かしらの目的を達成するために、人やものを役立つようにうまく使うのが1の意味です。2の意味では、本来の使い方ではない方法で人やものを使って目的を達成することを表しています。

「利用」の使い方

「利用」という言葉の使い方には次のような具体例があります。

・旅行の交通手段として飛行機を利用する
・無線LANが利用できる飲食店が増えた
・車を寝床として利用する
・上司が立場を利用した無理難題をおしつけてくる

上2つは役に立つよううまく使う事例、下2つは本来の使い方ではない方法で目的達成のために人やものを使う事例です。

「活用」の意味や使い方

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ここからは「活用」の意味や使い方について解説します。

「活用」の意味

「活用」を辞書で調べると、以下のように記載されています。

1.物や人の機能・能力を十分に生かして用いること。効果的に利用すること。
2.文法で、語がその用法の違いによって体系的に語形変化をすること。また、その変化の体系。日本語では用言(動詞・形容詞・形容動詞)および助動詞に活用がある。

出典:デジタル大辞泉

\次のページで「「活用」の使い方」を解説!/

「活用」のポイントは人やものの機能・能力を十分に活かすことです。

「活用」の使い方

「活用」という言葉の使い方には次のような具体例があります。

・冷蔵庫にあるものを活用して料理をする
・適材適所で人財を活用する
・学んだ知識を活用する
・隙間時間を活用して副業をする

「活用」は人やものの他にも、知識や時間といった無形のものにも使われます。

「使用」や「利活用」との違い

ここまで「利用」と「活用」の違いについて、使い方の具体例をあげながら解説しました。ここでは、それら2つと似た言葉である「使用」や「利活用」との違いについて解説します。

「使用」の意味

「使用」を辞書で調べると、以下のように記載されています。

\次のページで「「利活用」の意味」を解説!/

人や物を使うこと。

出典:デジタル大辞泉

「利用」や「活用」は目的達成のために人やものをうまく使うことを意味していましたが、「使用」は単純に人やものを使うことを意味しています。“うまく”といったニュアンスは含まれていません。

「利活用」の意味

「利活用」を辞書で調べると、以下のように記載されています。

利用と活用。

出典:デジタル大辞泉

辞書の内容の通り、「利活用」は「利用」と「活用」をかけ合わせた言葉です。「利活用」は、人やものの機能・能力を十分に活かしながら、目的達成のためにうまく使うことを意味しています。

人やものを使うときに着目する点が異なると認識しよう

「利用」と「活用」の違いについてくわしく解説しました。2つとも人やものをうまく使うという意味は同じですが、「活用」は人やものが持つ機能や能力に着目している点が異なります。また、「使用」や「利活用」も人やものを使うという意味があり、「使用」はシンプル、「利活用」は2つの言葉をかけ合わせた言葉であることがわかりました。同じような言葉でもそれぞれ詳細な意味は異なる…くわしく調べるほどに日本語の面白さを感じずにはいられませんね。

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雑学

3分で簡単にわかる「利用」と「活用」の違い!意味や使い方・「使用」や「利活用」との違いもビジネス文書熟練者が解説!

何かしらの目的を達成するために、人やものを役立つようにうまく使うのが1の意味です。2の意味では、本来の使い方ではない方法で人やものを使って目的を達成することを表しています。

「利用」の使い方

「利用」という言葉の使い方には次のような具体例があります。

・旅行の交通手段として飛行機を利用する
・無線LANが利用できる飲食店が増えた
・車を寝床として利用する
・上司が立場を利用した無理難題をおしつけてくる

上2つは役に立つよううまく使う事例、下2つは本来の使い方ではない方法で目的達成のために人やものを使う事例です。

「活用」の意味や使い方

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ここからは「活用」の意味や使い方について解説します。

「活用」の意味

「活用」を辞書で調べると、以下のように記載されています。

1.物や人の機能・能力を十分に生かして用いること。効果的に利用すること。
2.文法で、語がその用法の違いによって体系的に語形変化をすること。また、その変化の体系。日本語では用言(動詞・形容詞・形容動詞)および助動詞に活用がある。

出典:デジタル大辞泉

\次のページで「「活用」の使い方」を解説!/

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