今回は「氷砂糖」と「砂糖」の違いを見ていく。氷砂糖はあまり口にする機会がないかもしれないが、どのような特徴があるのでしょうか?そのまま食べると飴と比べて、やたら固くてなかなか無くならないイメージがありますが…。料理好き主婦ライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。料理も好きで、ほぼ毎食自炊している。しかし砂糖は深く考えず購入していたので、今回の執筆を機会に勉強中。

「氷砂糖」と「砂糖」の違い

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「砂糖」と言えば料理やお菓子作りに欠かせない調味料のひとつです。では、「氷砂糖」はどうでしょうか?梅酒を作る人は買う機会があっても、そうでない人はあまり馴染みがないのではないでしょうか?子どものころ、おやつに氷砂糖を食べていたという方もいるかもしれませんね。今回は氷砂糖と砂糖の違いから、氷砂糖の詳しい特徴まで解説していきます。

「氷砂糖」は砂糖のひとつ

結論から言うと、「氷砂糖」は砂糖の一種です。グラニュー糖という、世界で広く使われている白砂糖を大きく成長させたものとなっています。グラニュー糖はサトウキビやテンサイといった原材料の糖液を精製し、甘味成分のショ糖だけを結晶化したものです。

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「氷砂糖」を詳しく解説

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では氷砂糖とは具体的にどのような砂糖なのでしょうか?作り方や活用方法などをみていきましょう。

1.種類:ロック型とクリスタル型

氷砂糖の種類は2つあり、作り方によって分けられます。ひとつは「ロック型」。岩のように不揃いでゴツゴツしていることから名付けられました。最初に大きな砂糖のかたまりを作り、砕きます。明治時代から伝わる製法です。

もうひとつは「クリスタル型」。小さな氷砂糖の結晶を回転式ドラムに入れ、糖液に浸してドラムを回しながら結晶を大きくしていきます。ロック型と比べ短時間で一度に大量生産できるので、よく売られているのはこちらです。

2.活用法:梅酒や果実シロップに

氷砂糖の活用法として、梅酒や果実シロップに使うのが一般的です。これは氷砂糖の溶けにくい性質が重要なポイントになります。

梅酒の作り方を、順を追ってみていきましょう。まず瓶に梅の実と氷砂糖・アルコール(ホワイトリカーや焼酎)を入れます。すると最初は外液よりも実のエキスの方が濃いため、実に水分とアルコールが移動。時間が経って氷砂糖が溶け出すと、実よりも外液の方が濃度が濃くなっていきます。すると、梅の風味がしっかり移った水とアルコールが徐々に外に出てくるのです。

3.砂糖の代用

氷砂糖と他の砂糖はそれぞれ代用できるのでしょうか?氷砂糖は一部の料理にも使えますが、梅酒や果実シロップには他の砂糖は向きません。例えば梅酒や果実シロップをグラニュー糖で作ると、果実の風味が水やアルコールに移る前に、果実から急激に水分が出てしまいます。そのため、仕上がった味はどこか物足りないものに。

氷砂糖を他の砂糖の代用として使う時はクセのない上品な甘みなので、煮物やすき焼きの割下に向いています。氷砂糖は一つひとつが大きいため、お菓子作りには向きません。

4.飴との違い

氷砂糖はそのまま食べることもできるので飴と似ていますが、何が違うのでしょうか?答えは、砂糖の「結晶」かどうかです。結晶とは、原子や分子が規則正しく配列している個体のこと。雪の結晶と言えば、キレイな模様のようになっているので想像しやすいと思います。

氷砂糖は砂糖の分子が規則正しく整列した結晶状態です。結晶状態ですと、とても硬く溶けにくい特徴があります。一方、飴は結晶ではなく、分子がバラバラです。砂糖は溶かしたあと急激に冷やすと分子がバラバラで固まる性質があります。飴はこの性質を利用して作られているのです。

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「砂糖」にはどんな種類がある?

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氷砂糖の特徴が分かったところで、他の砂糖の種類をいくつかみていきましょう。似たものに見えても、性質や味わいから向いている使い道が違います。

1.グラニュー糖:コーヒーや紅茶に合う

グラニュー糖はサラサラして結晶が大きめなのが特徴です。ショ糖を結晶化させてそのまま乾燥させているので、クセがなく淡泊な味わい。他の素材の邪魔をしないので、香りを楽しむコーヒーや紅茶に入れるのにおすすめの砂糖です。

2.上白糖:日本生まれ

上白糖は結晶が細かく、しっとりしているのが特徴です。上白糖はグラニュー糖よりも甘みが強く、複雑な味わいになっています。日本生まれの砂糖で、日本で使われる多くがこの上白糖です。どんな料理にも使いやすく、コクのある深い味わいになります。

3.黒糖:独特な味わい

黒糖はサトウキビのしぼり汁をあく抜きし、濃縮して作られます。グラニュー糖や上白糖のように精製の過程でミネラルを落とさないため、黒褐色で独特の味わいです。くずきりやあんみつなどの和菓子によく合います。

4.きび砂糖:サトウキビからできている

きび砂糖はサトウキビの液を、精製せずミネラルを多く含んだまま煮詰めて作られます。まろやかな甘みで風味とコクがあるので、向いている料理は煮物です。旨味成分が多いため焦げやすく、色が濃く出る性質があります。

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氷砂糖の最大の特徴は「溶けにくさ」

氷砂糖は砂糖の一種で、グラニュー糖の結晶を大きくしたものです。クセのない上品な甘さで、溶けにくいのが特徴。その性質を生かし、梅酒や果実シロップを作るのにぴったりです。非常食の乾パンに入っているくらいなので、長期保存も可能。普段の料理でも活用できるので、いざという時の非常食として持っておくのもいいかもしれません。

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雑学

3分で簡単にわかる!「氷砂糖」と「砂糖」の違いとは?氷砂糖の特徴や使い方まで料理好き主婦ライターがわかりやすく解説

今回は「氷砂糖」と「砂糖」の違いを見ていく。氷砂糖はあまり口にする機会がないかもしれないが、どのような特徴があるのでしょうか?そのまま食べると飴と比べて、やたら固くてなかなか無くならないイメージがありますが…。料理好き主婦ライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。料理も好きで、ほぼ毎食自炊している。しかし砂糖は深く考えず購入していたので、今回の執筆を機会に勉強中。

「氷砂糖」と「砂糖」の違い

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「砂糖」と言えば料理やお菓子作りに欠かせない調味料のひとつです。では、「氷砂糖」はどうでしょうか?梅酒を作る人は買う機会があっても、そうでない人はあまり馴染みがないのではないでしょうか?子どものころ、おやつに氷砂糖を食べていたという方もいるかもしれませんね。今回は氷砂糖と砂糖の違いから、氷砂糖の詳しい特徴まで解説していきます。

「氷砂糖」は砂糖のひとつ

結論から言うと、「氷砂糖」は砂糖の一種です。グラニュー糖という、世界で広く使われている白砂糖を大きく成長させたものとなっています。グラニュー糖はサトウキビやテンサイといった原材料の糖液を精製し、甘味成分のショ糖だけを結晶化したものです。

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