この記事では本みりんとみりん風調味料の違いについて解説していきます。醤油や塩、砂糖と同じように料理には欠かせない調味料のみりん。しかしスーパーでは、みりんだけで何種類もの商品が並んでいる。名前も違うし価格も違う。なんとなく安いものを選んでいる人もいると思うが、実は本みりんとみりん風調味料、似たような名前でも全く別物である。今回はその2つの調味料の原料や味を確認しつつ、料理好きライターの篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

漢字と慣用句が好きな文学部卒ライター。趣味はSNSを眺めることと料理。今まで得てきた知識をもとに、わかりやすい情報をお届けする。

本みりんとみりん風調味料の違い

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本みりんとみりん風調味料、名前は似ていますがまったくの別物です。ここからは原料や味の違いなど、様々な違いをみていきましょう。

違いその1.原料・作り方

本みりんはもち米と米麹、醸造アルコールから作られます。一般的に40日〜1年ほどじっくり熟成して作られるため、アミノ酸などの旨味成分がたっぷり。そしてアルコールが含まれているためお酒の仲間となります。対してみりん風調味料は、米と米麹の醸造調味料にブドウ糖や水あめなどの糖類、醸造酢を加え、みりんの味に近づけたものです。

違いその2.アルコール度数

本みりんにはアルコールが14%ほど含まれています。日本酒と同じくらいの度数ですね。アルコール度数が1%を超えると酒類の扱いになり酒税がかかるので、本みりんは酒類販売免許のある店舗でしか販売することができません。対してみりん風調味料のアルコール度数は1%未満です。酒税がかからないため本みりんよりも安く購入することができます。

\次のページで「違いその3.味」を解説!/

違いその3.味

本みりんはアルコールが強いですが、そのアルコールの中にまろやかな甘さと旨味を感じることができます。砂糖とは違うコクのある甘さですが、糖質がかなり高いためたくさん飲むのはおすすめしません。対してみりん風調味料は醸造酢が含まれているため爽やかな酸味があります。こちらも飲む目的のものではないため、あまり飲まないようにしましょう。

違いその4.保存方法

本みりんは冷蔵庫など低温の場所で保存すると、糖分の結晶が固まってしまうことがあります。風味を落とさないためにも冷蔵庫ではなく、直接日光の当たらない涼しい場所で保存しましょう。対してみりん風調味料はアルコールがほとんど含まれていないため腐りやすくなっています。開封後は必ず冷蔵庫で保管しましょう。

みりんタイプ調味料との違い

本みりん、みりん風調味料の他に「みりんタイプ調味料」もあるのはご存知でしょうか。みりんタイプ調味料もアルコールを含んでいて、度数は8〜20%ほどあります。しかし塩を加えて飲用できないようにしているため、本みりんとは違い酒税はかかりません。アルコールが含まれるため肉や魚の臭みを消すのには効果的ですが、塩分が多いため調理のときには使いすぎ注意です。

みりんの役割

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では一体、みりんはどんな時に使えばいいのか、使うとどうなるのかが気になりますよね。ここからはみりんの使い方や効果をみていきましょう。

\次のページで「1.肉や魚の臭みを消す」を解説!/

1.肉や魚の臭みを消す

本みりんのアルコールは、肉や魚の生臭さや食材の嫌なにおいを消してくれる効果があります。アルコールは食材に染み込みやすいため、蒸発するときに嫌なにおいも一緒に連れて行ってくれるのです。アルコールがほとんど含まれていないみりん風調味料には、この消臭効果は期待できません。

2.料理に照りやツヤをつける

みりんは料理に照りやツヤをつけ、美味しそうに見せる効果も。照りとツヤは、食材の表面に糖分の膜が張ることでできます。ですので水あめなどを含むみりん風調味料の方が、本みりんよりきれいに照りとツヤが出るのです。照り焼きチキンやぶりの照り焼きなど、見た目にツヤが欲しい料理はみりん風調味料を使うと良いでしょう。

3.煮崩れを防ぐ

アルコールや糖類を含む本みりんは、煮崩れを防ぐのにも効果的です。アルコールと糖分はデンプンの流出を防ぎ、肉や魚の繊維の崩壊を防ぎます。見た目がきれいな料理ができるので、煮物など煮崩れを防ぎたい料理のときには最適の調味料です。

みりんの代用方法

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みりんがない場合は「酒:砂糖=3:1」で代用しましょう。酒はみりん同様に肉や魚の臭みを消す効果があり、みりんの甘味は砂糖で代用できます。しかしみりんのコクのある甘みは砂糖の甘みとは少し違うので、完璧に再現するのは難しいでしょう。

違いを知って料理で使い分けよう!

ここまで違いをみてきましたが、本みりんとみりん風調味料の違いを一言でいうなら、アルコールが含まれるか含まれないかです。みりん風調味料はアルコールを飛ばす必要がないため、加熱を必要としない料理に向いていますね。違いを知って使い分けると、さらに料理が楽しくなると思います。ぜひ用途に合わせて使い分けてみてください。

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雑学

簡単でわかりやすい!本みりんとみりん風調味料の違い!みりんタイプとの違いも料理好きライターが詳しく解説

この記事では本みりんとみりん風調味料の違いについて解説していきます。醤油や塩、砂糖と同じように料理には欠かせない調味料のみりん。しかしスーパーでは、みりんだけで何種類もの商品が並んでいる。名前も違うし価格も違う。なんとなく安いものを選んでいる人もいると思うが、実は本みりんとみりん風調味料、似たような名前でも全く別物である。今回はその2つの調味料の原料や味を確認しつつ、料理好きライターの篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

漢字と慣用句が好きな文学部卒ライター。趣味はSNSを眺めることと料理。今まで得てきた知識をもとに、わかりやすい情報をお届けする。

本みりんとみりん風調味料の違い

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本みりんとみりん風調味料、名前は似ていますがまったくの別物です。ここからは原料や味の違いなど、様々な違いをみていきましょう。

違いその1.原料・作り方

本みりんはもち米と米麹、醸造アルコールから作られます。一般的に40日〜1年ほどじっくり熟成して作られるため、アミノ酸などの旨味成分がたっぷり。そしてアルコールが含まれているためお酒の仲間となります。対してみりん風調味料は、米と米麹の醸造調味料にブドウ糖や水あめなどの糖類、醸造酢を加え、みりんの味に近づけたものです。

違いその2.アルコール度数

本みりんにはアルコールが14%ほど含まれています。日本酒と同じくらいの度数ですね。アルコール度数が1%を超えると酒類の扱いになり酒税がかかるので、本みりんは酒類販売免許のある店舗でしか販売することができません。対してみりん風調味料のアルコール度数は1%未満です。酒税がかからないため本みりんよりも安く購入することができます。

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