この記事ではスマホのSIMカード「nanoSIM」と「eSIM」の違いについてみていきます。モバイル通信をする際に必要なSIMカードですが、昨今では端末に登録するタイプのeSIMも登場しているんです。今回はそれぞれのSIMカードの違いや特徴から、おすすめの使い方まで、ガジェット好きシステムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

SIMカードの役割

image by iStockphoto

スマートフォンがモバイル通信するためにはSIMカードに入っている情報が必要です。まずはこのSIMカードにどんな情報が埋め込まれているか、解説していきます。

スマホの利用に必要な情報が詰め込まれている

SIMカードは「Subscriber Identity Module」の略称で、具体的にはICチップに「ユーザーを特定する固有の番号」「電話番号」「回線情報」が埋め込まれています。このSIMカードの情報をもとに、モバイル通信や通話が可能となっているのです。

ここで少し応用してみましょう。通信に必要な情報がSIMカードに入っているということは、別の端末にSIMカードを挿し替えることで、他の端末でも通信や通話が可能になります。(SIMロック解除されている端末に限る)

「nanoSIM」と「eSIM」の違い

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ここからは「nanoSIM」と「eSIM」の違いについて解説していきます。手続きの手軽さや開通までの期間など違いがあるので、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

nanoSIM:物理的に最も小さいサイズのSIMカード

nanoSIMはスマホに対応した現在主流の物理的なSIMカードです。これまではらくらくホン用の標準SIMカードや、ガラケー用のmicroSIMと呼ばれるサイズも存在しておりましたが、昨今はスマホが主流なのでほとんどがnanoSIMに置き換わっています。

nanoSIMの特徴は初期設定の手間がかからないことが大きなメリットです。契約後に配送されたSIMカードをスマホに挿すだけで、スマホ側で初期設定が自動実行され、すぐに利用開始できます

一方で、申し込み後に配送されることから、利用開始まで数日必要とする点や、紛失した場合に再発行手数料がかかることはデメリットと言えるでしょう。

eSIM:スマホ内にSIMカードの情報を登録したもの

eSIMはこれまでSIMカードに埋め込まれていた情報をスマホ本体に直接登録する仕組みです。このeSIMは申込受付から利用開始までの時間が特徴で、各キャリアのWebサイトから申し込んで最短即日で開通します。

一方で初期設定に手間がかかることが最大のデメリットと言えるでしょう。まずは用意するものとして「Wi-Fi経由でインターネット環境」「開通用QRコードを表示する別の端末(スマホやパソコン)」が必要です。さらにその手順もマニュアルがあるとは言え手動で行う必要があり、慣れていない人は一苦労する内容になっています。

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eSIMとnanoSIMは併用がおすすめ

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eSIM対応端末はほとんどの場合がSIMカードスロットも搭載しており、こういった機種はeSIMとSIMカード両方を併用することができます。単体ではそれぞれメリットデメリットがありましたが、併用することで生まれるメリットをご紹介します。

1. 併用することで回線障害に強くなる

ここ数年、スマホを利用していて回線障害に遭遇したことはないでしょうか。特に格安SIMの場合、障害とはいかなくても圏外や通信速度が異常に遅くなることはあると思います。そんなときにeSIMとSIMカードを併用していると回避できるのです。

たとえば普段は格安SIMのSIMカードを使っていて、回線障害時にはeSIMの別キャリアを利用することでリスク回避できるでしょう。また回線障害時以外にも人混みで通信速度低下した場合にeSIMの別キャリアに切り替えることで解消される場合があります。

2. 仕事用回線とプライベート用回線でスマホを共用できる

会社員の人は会社から社用携帯が配布されている場合もあると思いますが、たとえば個人事業主やフリーランスの人は仕事用携帯とプライベート用を2台持ちしている人も多いことでしょう。この2台持ちはSIMカードとeSIM併用によって解消できます

併用することで1台のスマホで2つの電話番号、通信キャリアを切り替えることなく同時に利用することができるため、仕事用とプライベート用を2台持ちすることなく、どちらの着信も受けることもできるのです。(ただし片方で通話中の場合、着信不可)

eSIMを覚えると便利で快適!

eSIMは設定が面倒だったりデメリットはあるものの、特に併用することのメリットが個人的には大きいです。実際に私も併用していますが、回線障害や速度低下を回避できることで、仕事でもプライベートでもとても快適にスマホを利用できています。スマホがなくてはならない時代だからこそ、eSIMを活用してより便利にスマホを使いこなしましょう。

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3分で簡単にわかる!「nanoSIM」と「eSIM」の違いとは?それぞれの特徴や選び方をガジェット好きシステムエンジニアがわかりやすく解説

この記事ではスマホのSIMカード「nanoSIM」と「eSIM」の違いについてみていきます。モバイル通信をする際に必要なSIMカードですが、昨今では端末に登録するタイプのeSIMも登場しているんです。今回はそれぞれのSIMカードの違いや特徴から、おすすめの使い方まで、ガジェット好きシステムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

SIMカードの役割

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スマートフォンがモバイル通信するためにはSIMカードに入っている情報が必要です。まずはこのSIMカードにどんな情報が埋め込まれているか、解説していきます。

スマホの利用に必要な情報が詰め込まれている

SIMカードは「Subscriber Identity Module」の略称で、具体的にはICチップに「ユーザーを特定する固有の番号」「電話番号」「回線情報」が埋め込まれています。このSIMカードの情報をもとに、モバイル通信や通話が可能となっているのです。

ここで少し応用してみましょう。通信に必要な情報がSIMカードに入っているということは、別の端末にSIMカードを挿し替えることで、他の端末でも通信や通話が可能になります。(SIMロック解除されている端末に限る)

「nanoSIM」と「eSIM」の違い

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ここからは「nanoSIM」と「eSIM」の違いについて解説していきます。手続きの手軽さや開通までの期間など違いがあるので、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

nanoSIM:物理的に最も小さいサイズのSIMカード

nanoSIMはスマホに対応した現在主流の物理的なSIMカードです。これまではらくらくホン用の標準SIMカードや、ガラケー用のmicroSIMと呼ばれるサイズも存在しておりましたが、昨今はスマホが主流なのでほとんどがnanoSIMに置き換わっています。

nanoSIMの特徴は初期設定の手間がかからないことが大きなメリットです。契約後に配送されたSIMカードをスマホに挿すだけで、スマホ側で初期設定が自動実行され、すぐに利用開始できます

一方で、申し込み後に配送されることから、利用開始まで数日必要とする点や、紛失した場合に再発行手数料がかかることはデメリットと言えるでしょう。

eSIM:スマホ内にSIMカードの情報を登録したもの

eSIMはこれまでSIMカードに埋め込まれていた情報をスマホ本体に直接登録する仕組みです。このeSIMは申込受付から利用開始までの時間が特徴で、各キャリアのWebサイトから申し込んで最短即日で開通します。

一方で初期設定に手間がかかることが最大のデメリットと言えるでしょう。まずは用意するものとして「Wi-Fi経由でインターネット環境」「開通用QRコードを表示する別の端末(スマホやパソコン)」が必要です。さらにその手順もマニュアルがあるとは言え手動で行う必要があり、慣れていない人は一苦労する内容になっています。

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