土木施工管理技士1級2級、それぞれの資格の活かし方
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国土交通省が定める指定建設業にかかわる特定建設業者は、営業所ごとに専任の技術者を立てる必要があります。さらに、工事現場の条件ごとに主任技術者や管理技術者を配置する必要がありました。これらの資格は土木施工管理技士1級2級ともに、第一次検定と第二次検定に合格することで取得することが可能でしたね。
さらに第一次検定のみに合格した者に対しては「土木施工管理技士1級補」「土木施工管理技士2級補」という資格が与えられることになりました。ここからは「補」資格とそれぞれの資格の活かし方について説明していきましょう。
土木施工管理技士補資格とは?
土木施工管理技士資格は、「土木施工管理技士1級補」「土木施工管理技士2級補」資格ができた背景には、建築業界人口の減少が1つの要因としてあるんだそう。
具体的には、新たに1級資格を取得しようとした場合、卒業学科や学歴によっては15年以上の実務経験が必要になってきたり、2級でも8年の実務経験が必要になってきます。長く土木業界で経験を積んだ上で、はじめて受験資格が得られるということですね。しかしこのような状態では、新たに建設業界へ飛び込み資格の取得を目指すという意欲は湧きづらいのではないでしょうか?そこでまずは経験年数不要で建設業界へ未経験でも資格試験に挑戦しやすいよう「補」資格を設けることとなりました。
土木施工管理技士がいれば、企業の経営審査で加点される
建設業界では企業の信用度を審査する経営事項審査という制度があり、この審査によって企業の社会的な信用度や技術力の評価などを客観的にはかっていて、信用度が高いことにより入札工事などで有利に働く場合もあるんだそう。
土木施工管理技士の資格はその級ごとに会社の加点対象になるため、企業においても重きを置かれる資格になりますね。土木施工管理技士1級資格で1人5点、1級補で4点、2級で2点の加点がなされます。2級補については、実務経験がなくても取得できるため技術力という面では加点されることはありません。
土木工事には欠かせない!現場の施工管理技士
土木施工管理技士の受験資格に経験年数が重要視されたり、卒業学科によって受験資格が細かく分かれている点からも想像できるように、土木業界は知識と経験を持っている人材が大変重宝される業界になってきます。工事の現場はそれだけ危険やイレギュラーが起こりやすく、管理する者の知識や経験が必要だということですね。
それでも、令和3年の制度改正で、入口の部分である土木施工管理技士2級第一次試験を受験する規制は緩和され挑戦しやすくなってきました。また、建設業界は人手不足が大きな問題として取り上げられています。少しでも建設業界や土木の仕事に興味を持つ方は、まずは知識を身につけその後で経験を積む、そんな目標を掲げて土木施工管理技士資格に挑戦してみるものよいかもしれません。