


解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/yuko
工事会社勤務9年目。入社から現在まで、現場踏査や設計業務など幅広く経験。地下埋設物には少々くわしい。専門用語が飛び交う職場で自分の言葉に置き換え、理解しなおす言語化作業に日々奮闘中の現役OLライター。
土木施工管理技士1級と2級に違いは主任技術者か監理技術者か

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土木施工管理技士とは国土交通大臣が認定する資格で、工事の現場で主任技術者や監理技術者を担うために必要となってくる資格です。土木施工管理技士2級を所持していれば主任技術者、1級を所持していれば監理技術者として業務にあたることができるようになります。各々の資格について詳しくみていきましょう。
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施工管理技士資格には、土木施工の他に建設機械、建築施工、電気工事施工、管工事施工、造園施工、電気通信施工の7つの国家資格があるぞ。土木施工管理技士は土木の分野における施工管理技士ということになるな。
土木施工管理技士とはそもそもどんな資格?
土木施工管理技士2級の資格を所持していれば主任技術者として仕事をすることが可能になります。どのような工事現場でも主任技術者は配置する必要があるため、建築業界では大変重要な資格となっていますね。主任技術者の主な仕事は、施工計画の作成、工程の管理、安全管理、品質管理など施工に必要な技術上の管理を行うことなどです。
さらに工事の規模によっては主任技術者に代えて監理技術者を配置する必要が生じることも。監理技術者として配置される場合は土木施工管理技士1級の資格を所持していなくてはなりません。
2級土木施工管理技士:主任技術者
主任技術者とは請け負った工事の大小に関わらず、すべての工事で必ず配置しなくてはいけない工事現場の技術上の管理や監督ができる者のこと。工事の請負金額が4000万円未満であること、工事現場の間隔が5~10kmほどで近接していること、工事の工作物に連続性や一体性があり調整する必要があること、などの条件に当てはまれば主任技術者は工事現場を兼任してもよいとされています。
反対に主任技術者の専任が求められる工事は、鉄道やダム、工場や学校などの公共性がある施設、多数の利用者がいる施設やその工作物に関する重要な工事で、請負金額が4000万円以上、建築一式工事であれば8000万円以上の工事です。建設業法施行令の改正により令和5年1月1日施工から基準となる金額が以前よりも引き上げられました。
1級土木施工管理技士:監理技術者
監理技術者は、特定専門工事の請負金額が4500万円以上の工事、建築一式工事の場合は7000万円以上の工事で主任技術者に代えて配置が必要になってきます。また、土木施工管理技士1級資格を所有する者は人数が限られており大変貴重な存在でもありますね。
そんな貴重な監理技術者が専任で1つの現場に拘束されてしまうと、他現場でも監理技術者の配置の必要性が生じた場合、監理技術者を配置できないことを理由に施工の進捗に影響が出てきてしまうかもしれません。
このような事態に備えて、1級土木施工管理技士補資格を持つ者を2人まで監理技術者の補佐として1現場ごとに配置し、実質1人の監理技術者で2現場を兼任することのできる特例監理技術者の制度が設けられこととなりました。つまり2人の1級資格を有する者が必要だった工事量に対して、1人の1級資格者と2人の1級補資格者でまかなうことができる制度です。
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