この記事ではオーディオ界隈でよく言われる「音量」と「音圧」の違いについてみていきます。音楽を聴いていて迫力がほしいときに音量を上げることがあると思うが、それでも物足りないときはないでしょうか。その理由は音圧について理解する必要があるんです。今回はそんな音圧と音量の違いから、音圧を上げることによる効果まで、バンド歴10年以上のシステムエンジニアよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

音圧を知るために音の正体を知る

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音圧や音量とは何なのかを知るためには、まず音の正体を押さえることが大事です。特に音の可視化を理解することで、音圧と音量の違いがわかりやすくなります。

音=波、波形データで可視化できる

音の正体が波であることは学校でも学ぶことでしょう。音が鳴って空気や水中を波打って伝わることで、耳の鼓膜に響くことで人間は音を聴くことができます。

ではその波を波形データとして可視化できるのはご存知でしょうか。特に音楽制作をしている場面では波形データを日常的に確認すると思いますが、一般的にはスマホのボイスレコーダーなどで波形として見ることができ、この波形データを用いることで、音圧と音量の違いを理解しやすくなります。

「音量」と「音圧」の違い

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音量と音圧にはどういった違いがあるのでしょうか。どちらも波形データの特徴から確認できる点で共通しているのですが、その特徴が違います。この違いを解説していきましょう。

音量:波形の大きさ、全体を大きく

音量とは音の大きさを指します。この音量を調整する場合、全体の波形を大きくすることが特徴です。部分的に見ると、音量の大きいところをさらに大きく、小さいところもさらに大きくします。

小さい音も大きく聴こえるようになる一方で、大きいところは音量の上限を超えて、いわゆるクリップ(音割れ)する状態になる場合があり、これでは音源としては使い物になりません。迫力を出したり、小さいところを聴こえるようにするために音量を大きくするのは悪手と言えるでしょう。

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音圧:波形の密度、大きい音は小さく、小さい音は大きく

音圧とは音の密度を指します。音の密度とは簡単に言えば、音量の大きいところと小さいところの差と言えるでしょう。音圧が低い場合は全体的にスカスカな印象の音に聴こえ、逆に音圧が高い場合はギュッとまとまった音に聴こえます

音圧を高めるためには音量の大きいところは小さく、小さいところは大きくし、全体の音量差を減らしてあげることになります。この状態を波形データで見ると、波の高低差が減り、全体的に太くなるのです。

音圧を上げることによる効果とは

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音量を上げるより、音圧を上げるほうがより効果的であることは説明のとおりですが、では具体的に音圧を上げた場合に受けられる効果はどのようなものがあるか、解説していきます。

楽曲全体がバランスよく聴こえるようになる

音圧を上げることで大きい音は小さく、小さい音は大きくなり音量差を減らすことができますが、これにより楽曲全体としてバランスよく聴くことができるようになります

たとえばバラードのような楽曲をイメージしてください。AメロBメロは静かだけど、サビでグッと盛り上がるような曲の場合、音圧を上げていないとサビで最も音が大きいところに合わせることになり、AメロBメロはとても音量が小さく聴こえづらくなってしまいます。音圧を上げることでAメロBメロの音量をぐっと持ち上げ、さらにサビの音量を抑えることができ、全体を通して聴こえやすくなるのです。

やりすぎるとメリハリがなくなる

一方で、音圧を上げすぎるとデメリットも発生します。それは全体が平坦でのっぺりした印象になり、メリハリがなくなってしまうということです。抑揚は音量差によって生まれるため、その音量差が減ることで当然抑揚はなくなるでしょう。特にその波形データの形状から「かまぼこ」などと揶揄されることもあります。

また、音圧の調整はコンプレッサーというプラグインを用いて行われることから、音圧を加工しすぎると「コンプ感が強い」と言われることもあり、このコンプレッサーのかかり具合を見極めながら音圧を調整することが重要です。

\次のページで「「音量」よりも「音圧」を意識しよう!」を解説!/

「音量」よりも「音圧」を意識しよう!

音圧に着目して解説しましたが、そもそも音量が小さい場合はまず音量を上げましょう。そこからはしっかり音圧を意識してコンプレッサーを駆使することが大事です。コンプレッサーは沼とも言われており、人それぞれに最適と思う調整は違います。最終的には自分の経験と感覚を頼りに音圧を決めて、音源を仕上げていきましょう。

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3分で簡単にわかる!「音量」と「音圧」の違いとは?音圧を上げることによる効果や注意点もバンド歴10年以上のシステムエンジニアがわかりやすく解説

この記事ではオーディオ界隈でよく言われる「音量」と「音圧」の違いについてみていきます。音楽を聴いていて迫力がほしいときに音量を上げることがあると思うが、それでも物足りないときはないでしょうか。その理由は音圧について理解する必要があるんです。今回はそんな音圧と音量の違いから、音圧を上げることによる効果まで、バンド歴10年以上のシステムエンジニアよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

音圧を知るために音の正体を知る

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音圧や音量とは何なのかを知るためには、まず音の正体を押さえることが大事です。特に音の可視化を理解することで、音圧と音量の違いがわかりやすくなります。

音=波、波形データで可視化できる

音の正体が波であることは学校でも学ぶことでしょう。音が鳴って空気や水中を波打って伝わることで、耳の鼓膜に響くことで人間は音を聴くことができます。

ではその波を波形データとして可視化できるのはご存知でしょうか。特に音楽制作をしている場面では波形データを日常的に確認すると思いますが、一般的にはスマホのボイスレコーダーなどで波形として見ることができ、この波形データを用いることで、音圧と音量の違いを理解しやすくなります。

「音量」と「音圧」の違い

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音量と音圧にはどういった違いがあるのでしょうか。どちらも波形データの特徴から確認できる点で共通しているのですが、その特徴が違います。この違いを解説していきましょう。

音量:波形の大きさ、全体を大きく

音量とは音の大きさを指します。この音量を調整する場合、全体の波形を大きくすることが特徴です。部分的に見ると、音量の大きいところをさらに大きく、小さいところもさらに大きくします。

小さい音も大きく聴こえるようになる一方で、大きいところは音量の上限を超えて、いわゆるクリップ(音割れ)する状態になる場合があり、これでは音源としては使い物になりません。迫力を出したり、小さいところを聴こえるようにするために音量を大きくするのは悪手と言えるでしょう。

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