
金融機関から融資を受けるとき
一般的に銀行などの金融機関から融資を受けるときの約束事については「約定書」に記載されます。返済期限、金利、決算書等の書類の提出、約束を破った際の預金ロックや一括返済などのペナルティについても事細かに記載されることがほとんどです。
これらの内容は銀行側から取引先に対して約束の遵守を促すと同時に、返済能力がなくなった場合など想定外の事態の対応方法を伝達しています。

「契約書」に比べて「約定書」を見かけることはほとんどない。それは金融機関からの融資など、限定的なケースで使われることがほとんどだからのようだな!
契約書と約定書に関連する言葉

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「契約書」と「約定書」は約束事を記載した書類ですが、同様の意味を持つ言葉は他にもあります。代表的なものが「念書」と「覚書」です。ここでは「念書」と「覚書」との違いについて解説していきます。
念書:一方の当事者が差し入れる書面
「念書」とは当事者がもう一方の当事者に対して差し入れる書面。差し入れられる当事者だけが義務を負う場合に作成されることが一般的です。個人間で「○○までに□□円返します」というメモ書きも「念書」に該当します。メールやSNSなどのちょっとしたやりとりも法的効力を持ちうるので、約束事は慎重にしましょう。
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覚書:簡易的な契約書
「覚書」とは当事者間で取り決めた内容を忘れないように記載しておく文書やメモのこと。「契約書」は契約のための書類ですが、お互いに約束を結ぶという意味では「覚書」も「契約書」同様の効力を発揮します。「契約書」に比べてニュアンスが堅苦しくない程度の差と言っていいでしょう。
いずれも効力は同じ
「契約書」、「約定書」、「念書」、「覚書」のいずれも法的効力は同じです。当事者間で合意した約束事を記載しているという意味では同じなので、書式が形式ばっている必要ありません。ちょっとした約束事で「ここにサインしてください」などと言われても、文面をよく確認するようにしましょう。
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