簡単でわかりやすい!gzipとzipの違いとは?アーカイバーの歴史もプログラマーがわかりやすく解説
zipやgzipだけじゃない?アーカイバーの話
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Linuxでは圧縮プログラムを使い分けできると説明しました。しかし、gzipとzipしかなく、Linuxではgzipが一般的なら使い分けの必要がなさそうです。なぜ、わざわざ分けているのか不思議ですよね。
実は、WindowsやMacでも、Linuxでも、以前はzipやgzip以外にも多くのアーカイバーや圧縮ソフトがあったのです。続いてアーカイバーの歴史や、それらの中からなぜzipが生き残ったのかを説明します。
国産アーカイバー?LHarcとLHA
今でこそWindowsやMacではzipが一般的。しかし、最初に説明したPKZIPの前にはPKARCというプログラムが有名でした。色々なアーカイバーがあったわけです。その中でも日本で有名だったのがLHarcとLHA。どちらも国産です。
LHarcが登場したのは1988年。当時はまだストレージの容量も小さく、ネットの速度も今とは比べ物にならないくらい遅い時代です。そのため、ファイルの圧縮は必須。少しでも小さくできることが最重要です。そこで登場したのがLHarc。PKZIPは有料ですが、LHarcは無料のため主に日本で広く普及します。1991年には改良版のLHAが登場。一時は日本語版Windowsでも使うことが可能に。今のzipと同じかそれ以上に使われていたのです。
Linuxなどのアーカイバーと圧縮ツール
一方のLinuxやUnixではアーカイバーはtarというプログラムが一般的。これは圧縮機能はありませんが、そのためUnixが登場した頃から現在まで長い間使われています。その登場した頃に使われていた圧縮プログラムがcompressです。その後、gzipが一般的になりますが、その1番の理由は圧縮率が高いこととスピード。
2000年以前、特に1990年代あたりは2000年以降と比べるとコンピューターもネットの速度も遅く、ストレージなどの容量も小さかったのです。そのため、少しでも小さくできる上に、圧縮や復元(解凍)の時間がかからないものをつくろうと、さまざまな開発者が競争。その結果、色々なアーカイバーが生まれたわけです。
なぜzipが覇権を握ったのか
世はまさにアーカイバーソフト大競争時代。その中でなぜzipが生き残ったのでしょう。大きな理由としては、WindowsやMacで標準的な機能になったから。元々のPKZIPは有料商品です。しかし、PKWARE社はzipを自由に使ってよいと決めました。そのため、PKZIP以外にもzipを扱うプログラムが登場、マイクロソフトやアップルも自社製品に採用することに。もちろん、圧縮率やスピードが優れていたのですが、それだけならばもっと優れたものもありました。
しかし、多くの人に使われていて、自由に使うことができ、マイクロソフトやアップルも採用したことでzipが覇権を握ったわけです。
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