この記事では「予測」と「予想」の違いについてみていきます。漢字も意味も似ていて非常にややこしいので、これらの言葉の使い分けに迷う人もいて当然でしょう。今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

予測と予想のざっくりした意味

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予測と予想の意味をおおまかに説明すると、「予測」「将来起きるであろうことに対して、前もっておしはかること」であるのに対し、「予想」は「将来のことに対して、こうなるだろうと前もって考えること」という意味です。今の段階ではまだはっきりとした違いはわからないかもしれませんが、それをこれから丁寧に説明していきたいと思います。

予測と予想を漢字から考える

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非常にまぎらわしい「予測」「予想」。それを、まずは両者の漢字に着目して説明していきたいと思います。

「予測」を漢字からていねいに説明

まず「予測」の「予」の字は「あらかじめ」ですので、「予測」とは前もって行うことであることを表しています。また、「測」という字は、もともとは川や池など水の深さを、ものさしや基準となる目盛りを使ってはかる意味です。つまり、「予測」という言葉は、データや根拠といったしっかりしたものを踏まえ、将来起こるであろうことを前もって推しはかることを意味しています。

「予想」を漢字からていねいに説明

次は「予想」について見ていきましょう。「予」の字は同じく「あらかじめ」ですので、「予想」についても前もって行うことであることを表しています。つぎに「想」の字ですが、多くの方が知ってのとおり、「思う」ことや「考える」意味です。ですので、「予想」とは将来のことに対して、こうなるだろうと前もって考えることを意味します。

「測」と「想」の大きな違い

それぞれの漢字をていねいに見てきて、「測」と「想」に非常に大きな違いを感じませんか?そう、「予測」も「予想」も、将来のことについて前もって考える点では同じものの、「予測」とは「測」の字が使われているように、データのようなしっかりした根拠が必要ということで、より客観的であり、「予想」は「想」の字の意味のとおり自分がどう考えるかという、より主観的なニュアンスを持っているのです。

ただし、「予想」は根拠のないときにだけ使われるわけではありません。根拠やデータにもとづく場合でも「予想」が使われることもあることに注意しましょう。

\次のページで「予測と予想を英語で言うと?」を解説!/

予測と予想を英語で言うと?

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ここまでは漢字について着目して説明しましたが、これが英語だった場合どうなのでしょうか?ここからは「予測」と「予想」を英語で言うなら一体どう言うかに着目していきましょう。

英語の「予測する」

「予測する」を英語にするときに使われるのは、「forecast」「estimate」「predict」などです。

「forecast」は、英語で「天気予報」のことを「weather forecast」というように、おもに天気を予想するときに使われます。「estimate」は「見積り」と訳させることもあるので、日本語で言う「予測」の「予(あらかじめ)」よりも「測(データや根拠)」のニュアンスが強いかもしれません。そして日本語の「予測する」のニュアンスに一番近いのは「predict」ではないでしょうか。

「forecast」:天気の予測など
「estimate」:見積りなどデータ性の強い予測
「predict」:日本語の「予測」に近い

英語の「予想する」

「予想する」を英語に言い換えるときに使われるのは「expect」「anticipate」「predict」などの単語です。

「expect」と「anticipate」はだいたい同じ意味で言い換え可能な場合が多いですが、より確信のある予想が「expect」で、予想した上でそれに備えるニュアンスがあるのが「anticipate」といった微妙な違いはあります。そして、データや根拠のある予想の場合に使われるのが「予測する」の訳語でもある「predict」です。

「expect」:より自信のある予想
「anticipate」:予想してそれに備えるニュアンス
「predict」:根拠のある予想

\次のページで「予測は根拠があって客観的、予想はより主観的!」を解説!/

予測は根拠があって客観的、予想はより主観的!

今回の説明で「予測」データや根拠といったしっかりしたものを踏まえ、将来起こであろうことを前もって推しはかることで、「予想」は将来のことに対して、こうなるだろうと前もって考えることだということを理解していただけたかと思います。

ただし、「予想」の方がより広い意味で使われ、根拠やデータにもとづく場合でも「予想」が使われることもあることには注意してください。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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雑学

簡単でわかりやすい!予測と予想の違いとは?漢字から英語まで現役塾講師がわかりやすく解説

この記事では「予測」と「予想」の違いについてみていきます。漢字も意味も似ていて非常にややこしいので、これらの言葉の使い分けに迷う人もいて当然でしょう。今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

予測と予想のざっくりした意味

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予測と予想の意味をおおまかに説明すると、「予測」「将来起きるであろうことに対して、前もっておしはかること」であるのに対し、「予想」は「将来のことに対して、こうなるだろうと前もって考えること」という意味です。今の段階ではまだはっきりとした違いはわからないかもしれませんが、それをこれから丁寧に説明していきたいと思います。

予測と予想を漢字から考える

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非常にまぎらわしい「予測」「予想」。それを、まずは両者の漢字に着目して説明していきたいと思います。

「予測」を漢字からていねいに説明

まず「予測」の「予」の字は「あらかじめ」ですので、「予測」とは前もって行うことであることを表しています。また、「測」という字は、もともとは川や池など水の深さを、ものさしや基準となる目盛りを使ってはかる意味です。つまり、「予測」という言葉は、データや根拠といったしっかりしたものを踏まえ、将来起こるであろうことを前もって推しはかることを意味しています。

「予想」を漢字からていねいに説明

次は「予想」について見ていきましょう。「予」の字は同じく「あらかじめ」ですので、「予想」についても前もって行うことであることを表しています。つぎに「想」の字ですが、多くの方が知ってのとおり、「思う」ことや「考える」意味です。ですので、「予想」とは将来のことに対して、こうなるだろうと前もって考えることを意味します。

「測」と「想」の大きな違い

それぞれの漢字をていねいに見てきて、「測」と「想」に非常に大きな違いを感じませんか?そう、「予測」も「予想」も、将来のことについて前もって考える点では同じものの、「予測」とは「測」の字が使われているように、データのようなしっかりした根拠が必要ということで、より客観的であり、「予想」は「想」の字の意味のとおり自分がどう考えるかという、より主観的なニュアンスを持っているのです。

ただし、「予想」は根拠のないときにだけ使われるわけではありません。根拠やデータにもとづく場合でも「予想」が使われることもあることに注意しましょう。

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