IT・プログラミング雑学

簡単でわかりやすい!JavaとCの違いとは?歴史や特徴からプログラマーがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。パソコンやスマホなどを使うにはプログラムが必要だな。そのプログラムを作るのがプログラミング言語だ。そんなプログラミング言語は多くの種類があるらしい。使う分野や目的のものによって使い分ける必要があるそうだ。そんなプログラミング言語の中でも古くからあって人気も高いのがJavaとC言語だ。似ている部分もあれば違う部分もあるらしいが、なぜ2つあるのだろう。その歴史や違い、どう使い分けるのかを、どちらのプログラミング言語の経験も長いプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。CやJavaの開発経験も長い。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

安全なJavaと危険なC?

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パソコンやスマホのプログラムを作成するのがプログラミング言語。一体いくつあるかを調べた調査によると、一定数のユーザーがいるものだけで250以上もあります。そんな中でも特に利用者も多い人気の言語がC言語やJava言語です。ランキング結果は調査によってまちまちですが、2023年1月のある調査ではJava言語は4位、C言語は2位。人気があるのがわかりますね。

では、その違いはなんでしょう。ざっくり言えば、扱いに注意が必要なのがC言語で、より安全に使えるのがJava言語です。ここではその違いについて説明します。

C:多くの言語の基礎となった

今現在有名なプログラミング言語がいくつかありますが、それらに影響を与えたのがC言語です。C言語が生まれたのは1972年。登場から半世紀以上です。ではもう古くて使われていないのかというとそうではありません。今も利用者は少なくないですし、2018年に最新版が登場しています。また、2023年11月に次期バージョンが発表される予定です。

そのC言語の影響を受けた言語の中でも有名なのがJava、C++、C#、RustこれらはC言語を改良したものなので、プログラムの書き方がよく似ています。その中でも、特に有名なのが今回取り上げるJava。Java言語とC言語との違いを説明していきます。

Java:Cを元に安全で使いやすく

Cは危険でJavaは安全とざっくり説明しましたが、別にケガをしたりするわけではありません。C言語は登場から半世紀が経つもの。その頃のコンピューターは今よりも非力。そのため、取り扱いに注意が必要な部分があります。そのため慣れないとちょっと危険。

そこで1995年に登場したのがJava言語です。C言語よりもおよそ四半世紀後になります。その間にコンピューターも進化しましたし、プログラミングの考え方も変わったのです。そのため、Java言語はC言語を元にしながらも安全で使いやすく強化されています。

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C言語の歴史は半世紀、Java言語は四半世紀と、倍の差がある。その分、コンピューターも進化し、プログラミングも新しい考え方を取り入れている。それがC言語とJava言語の違いだ。次はその違いについて具体的に特に大きな3点を取り上げて説明するぞ。

CとJavaの違いは?3つの特徴を比較

C言語がそろそろ中年に差し掛かるとすれば、Java言語はまだまだ若い青年です。後から生まれたJava言語はC言語の問題になった部分を解決するために登場しました。そのため、さまざまな違いがありますが、ここでは特に特徴的なもの3点を取り上げて説明します。

違い1.安全性が違う?なぜJavaは安心か

違いの1番目は安全性です。これは自動車のマニュアルとオートマに似ています。今の自動車はオートマが多く、免許もオートマ限定のものも。一方、以前はマニュアルしかありませんでした。マニュアルにはギヤがあります。自動車のスピードや平坦な道か坂なのかで、ギヤの切り替えが必要です。その際、クラッチを使う必要があります。この操作を間違えると、エンストと言って車が止まってしまい、事故につながることも。

オートマはこのギヤ操作を自動化。そのためオートマティック(自動)の略でオートマとかATとか呼ばれています。Java言語が自動化したのはデータを入れる場所の準備と後始末です。C言語ではそれをマニュアルでする必要がありました。そのため、準備した以上にデータが多いと異常が発生することも。また、まだ使っているのに後始末してしまうとおかしなことに。プログラムが思った通りに動かないので危険だったのです。

違い2.動く場所が違う?どこでも動くJava

違いの2番目はどこでも動くということ。コンピューターのプログラムは、それぞれごとに作る必要があります。例えば、パソコンとスマホでは同じプログラムは動きません。パソコンでもWindowsとMacでは違いますし、スマホもiPhoneとAndroidは違います。プログラムの多くの部分は共用できますが、コンピューターごとに違う部分は別々にしなければなりません

ただ、それでは不便ですよね。そのため、1つのプログラムが、どんなコンピューターでも動くようにしようと考えたのがJava言語です。Java言語のプログラムは例えばパソコンで作ったものをそのままスマホに持っていって動かすということも可能。C言語のプログラムではそうはいきません。そのための仕組みが必要ですが、仕組みさえ用意すればどこでも動くようになっているのがJava言語です。

違い3.大きな進化?オブジェクト指向を導入

違いの3番目はオブジェクト指向という考え方を取り入れていること。実はオブジェクト指向というものが考えられたのはC言語が生まれた頃と同時期です。ただ、その時点ではまだ一部でしか使われていませんでした。それが一般化したのが1983年にC言語を改良したC++言語の登場以降。それからさらに10年以上後に登場したJavaでもオブジェクト指向の考え方を取り入れています

オブジェクト指向の考え方にもいくつかのパターンがあり、C++やJavaが採用したのはクラスというもの。クラスやオブジェクト指向の説明はここでは省略しますが、ざっくり言えばプログラムをデータとそれを扱うメソッドというものを中心に考えること。多くの言語がC言語を元にしていると説明しました。実はJava言語やC++言語がC言語にオブジェクト指向を取り入れ、他の言語がこれらに改良を加えてさらに進化したという関係になっています。

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C言語を元に改良したJava言語の大きな違いは3つだ。それが安全性、どこでも動く、オブジェクト指向だ。安全性とはプログラマの腕任せになっていた部分を自動化し、扱いやすくしたこと。どこでも動くとは、JavaでつくったプログラムはJavaの仕組みがあればどこでも動くこと。そして、オブジェクト指向とはプログラミングをつくるときの考え方だ。この3つを踏まえて、どう使い分けたら良いのかを次で説明するぞ。

これからやるにはどちら?CとJavaの向き不向き

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C言語は半世紀、Java言語でも四半世紀の歴史があります。そのため、その当時につくられたプログラムを修正する際にはこれらのプログラミング言語がまだまだ必要。ただ、今はプログラミング言語もさまざまで、これからつくるプログラムではしがらみもありません。

では、これからC言語やJava言語を覚える必要があるのかと、その場合はどちらがよいのかを説明します。

共通点1.会社内の業務用に向いている

2000年以降はさまざまなプログラミング言語が選択肢にあがります。しかし、それ以前はプログラミング言語の選択肢は限られていました。そんな中で、会社が業務に使うプログラムの多くはC言語を使っていました。その後、2000年以降はJavaがよく使われるようになります

このような会社で使う業務用プログラムに使われることが多いのがC言語やJava言語です。そのほか、人気ランキングで3位のC++言語などがよく使われています。さすがにこれから新しくつくる会社向けのプログラムでC言語を使うことは少ないです。しかし、Java言語やC++言語、ランキング5位のC#言語は広く使われています

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