この記事では無塩バターと有塩バターの違いについてみていきます。スーパーで見かけたりレシピでどちらを使用するか指定されていたり、このふたつのバターの違いは塩分含まれるかどうかでしょう。塩分を添加して作るバターと塩分無添加のバター、それぞれに利点があるみたいです。
今回は無塩バターと有塩バターの製造工程からおさえつつ、違いや代用品について、食べることが大好きな栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。有塩バターを常備している。お菓子や料理作りに欠かせない。

無塩バターと有塩バターの製造方法

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乳牛から絞られた手を加えていない状態の生乳がバターの原料で、乳脂肪分だけを分離したものを練って作られます。生乳にはナトリウム(塩分)がほとんど含まれておらず、バターには本来塩分が含まれていません有塩バターは、加工段階で無塩バターに食塩を添加することで作られます。また、生乳1kgから作られるバターはたった50g程です。

無塩バターと有塩バターの違い

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有塩バターと無塩バターの大きな違いは「塩分量」「値段」「使い道」の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

違いその1.塩分量

100gあたりの無塩バターの食塩相当量は0gなのに対して、有塩バターは約1.5gです。塩の1.5gは大きな差と言えます。摂取塩分量を減らしたいなら、食塩の含まれていない無塩バターを選ぶのがよいでしょう。

また、日本人の1日の食塩摂取量は男性で7.5g未満、女性6.5g未満とされています。しかし、日本人は食塩摂取量が多いと言われており、世界基準では1日5gが基準です。塩分の取りすぎには注意が必要となります。

違いその2.値段

無塩バターは有塩バターに比べて1割ほど高価となっています。その理由は、塩分を添加すると保存期間が長くなり扱いやすいからです。漬物やいくらなども保存性を高めるために塩分につけこんでいます。有塩バターの賞味期限は約半年で、無塩バターの場合は5ヵ月ほどです。生産業者はじめ、流通、販売と期限が長いことで扱いやすいということでしょう。

また、有塩バターは需要が多いことも理由のひとつとなっています。幅広く使える有塩バターに対して、無塩バターは使う人が限定されがちです。たくさん生産してたくさん売れる有塩バターが安く生産できるのは必然でしょう。

\次のページで「違いその3.使い道」を解説!/

違いその3.使い道

有塩バターは主に料理など、無塩バターはお菓子やパン作りに使用されます。バターを使うと、香りやコクに加えて塩分で味付けできるので、料理には有塩バターが使いやすいです。

お菓子やパンに無塩バターが使われる理由は2つあります。お菓子の味に塩分が影響してしまうことと、小麦のグルテンの引き締める作用からふっくら出来上がらないことです。パン作りにはよくこねてグルテンを形成しますが、正確な塩分で作るために無塩バターを使用します。

発酵バターとの違い

無塩バターや有塩バターと違い発酵させてから製造するのが、発酵バターです。生乳から分離させた乳脂肪分に乳酸菌を混ぜて発酵させて練り上げます。ヨーロッパで古くから製造・使用されてきました。深いコクとヨーグルトやチーズのような酸味が合わさって香り豊かなのが特徴となっています。賞味期限は無塩バターと同程度かそれ以下くらいで、鮮度が落ちやすいです。

また、発酵バターにも有塩と無塩があり、非発酵バターと同じように料理やお菓子作りなど用途に合わせて使用します。

無塩バターと有塩バターはそれぞれ代用可能

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多くのレシピで、無塩バターと有塩バターは互いに同じ分量で代用可能となります。料理に無塩バターを使うことでバターのコクを生かしつつ、減塩につなげることも可能です。塩分が足りなくても調味料を追加するだけなので、簡単に代用できますよ。

また、お菓子やパンを作るのに有塩バターしかない!というときでも作ることができます。塩分がある分、お菓子作りでは練らないように注意することと、出来上がりに塩味を感じることはあるでしょう。私も普段のお菓子作りに有塩バターを使用することもありますが、おいしく作れています。大きなこだわりがない限り問題なく使用できるでしょう。

バター以外での代用品は?

バターの代用品として、バターと同じように常温で固形のマーガリンやショートニング、ラードなどが使用しやすいです。そのほかにも、サラダ油やオリーブオイルなど液状の油でも代用できますが、油っぽい仕上がりになるので、使用量をバターの8割くらいに減らすとうまく使えます。

しかし、バターの風味やコクはバター独特のものですので、特徴を生かしたい料理やお菓子ではバターを使用することがおすすめです。

有塩バターは塩分を抜ける?

有塩バターの塩分を抜くことは可能です。有塩バターを湯煎や電子レンジで溶かして再び固まらせると、容器の底に白く固まる塩が見えます。油は軽く塩は重いため、一度溶かすことで分離させることができるのです。塩の部分を取り除けば、ほぼ無塩バターとして使用できます。

しかし、一度溶かしてしまうといくら固めても元のようなバターの特徴はありません。お菓子作りで使用するにはふっくらさせたりサクサクさせたりするのが難しくなり、用途が限られます。マドレーヌやフィナンシェなどもともと溶かしバターを使用するお菓子以外では出来上がりに差ができてしまうので、有塩バターのままがよいでしょう。

無塩バターや有塩バターを活用しよう

無塩バターと有塩バターの違いは、「塩分量」「値段」「使い道」の3つでした。違う理由や、日本ではあまりメジャーではない発酵バターとの違いも分かりました。用途に合わせて無塩バターや有塩バターを選んで、上手く活用してほしいです!

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雑学

簡単でわかりやすい!無塩バターと有塩バターの違いとは?発酵バターとの違いも食べるの大好き栄養士ライターが詳しく解説

この記事では無塩バターと有塩バターの違いについてみていきます。スーパーで見かけたりレシピでどちらを使用するか指定されていたり、このふたつのバターの違いは塩分含まれるかどうかでしょう。塩分を添加して作るバターと塩分無添加のバター、それぞれに利点があるみたいです。
今回は無塩バターと有塩バターの製造工程からおさえつつ、違いや代用品について、食べることが大好きな栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。有塩バターを常備している。お菓子や料理作りに欠かせない。

無塩バターと有塩バターの製造方法

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乳牛から絞られた手を加えていない状態の生乳がバターの原料で、乳脂肪分だけを分離したものを練って作られます。生乳にはナトリウム(塩分)がほとんど含まれておらず、バターには本来塩分が含まれていません有塩バターは、加工段階で無塩バターに食塩を添加することで作られます。また、生乳1kgから作られるバターはたった50g程です。

無塩バターと有塩バターの違い

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有塩バターと無塩バターの大きな違いは「塩分量」「値段」「使い道」の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

違いその1.塩分量

100gあたりの無塩バターの食塩相当量は0gなのに対して、有塩バターは約1.5gです。塩の1.5gは大きな差と言えます。摂取塩分量を減らしたいなら、食塩の含まれていない無塩バターを選ぶのがよいでしょう。

また、日本人の1日の食塩摂取量は男性で7.5g未満、女性6.5g未満とされています。しかし、日本人は食塩摂取量が多いと言われており、世界基準では1日5gが基準です。塩分の取りすぎには注意が必要となります。

違いその2.値段

無塩バターは有塩バターに比べて1割ほど高価となっています。その理由は、塩分を添加すると保存期間が長くなり扱いやすいからです。漬物やいくらなども保存性を高めるために塩分につけこんでいます。有塩バターの賞味期限は約半年で、無塩バターの場合は5ヵ月ほどです。生産業者はじめ、流通、販売と期限が長いことで扱いやすいということでしょう。

また、有塩バターは需要が多いことも理由のひとつとなっています。幅広く使える有塩バターに対して、無塩バターは使う人が限定されがちです。たくさん生産してたくさん売れる有塩バターが安く生産できるのは必然でしょう。

\次のページで「違いその3.使い道」を解説!/

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