この記事では橙とみかんの違いについてみていきます。どちらも黄みがかった色をしている柑橘系の果物というイメージがあるよな。お正月の縁起物として鏡餅に飾ったり、皮をむいて美味しく食べたりといった印象がありますが、どちらがどの用途で使うか迷うことはないでしょうか。今回は2つの違いを品種などから確認しつつ、柑橘系の果物が好きな文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

みかんと橙はよく似ているけど、どう違うのか不思議に思った文学部卒ライター。

橙とみかんの共通点とは?

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橙もみかんもミカン科ミカン属にあたる植物。冬に旬を迎え、食べ頃になった実の部分は、どちらも黄みがかったオレンジに色づきます。橙が縦も横もほぼ同じ長さの球形であるのに対して、みかんは横に平たい形をしているのが特徴。形を注意深く見分けると区別が付きやすいですね。

橙の特徴

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橙は別名「回青橙(かいせいとう)」とも。木に成ったオレンジ色の果実を採らないでそのままにすると、また緑色に戻る特徴が見られます。2~3年はそのまま落ちずにいるので、1年目だけでなく、2年目と3年目の果実が一緒に同じ樹木にあることから「代々続く」という意味で「だいだい」という読み方が当てられるようになりました。

1.縁起物:鏡餅の飾り

1本の樹木に世代の違う果実があることから、橙は「一族が繁栄する」という縁起物として使われます。例えば、前年の12月に採れた橙の実を、正月飾りの注連縄(しめなわ)の上に飾ったり、鏡餅の上に置いたりする光景を目にしますね。

2.食べ方:加工が必要

橙をそのまま実を食べることは難しいでしょう。実は、苦味や酸味が強すぎるためです。橙には胃液の分泌を高める健胃作用や、皮膚につくと血行を促進する作用があるといわれ、体に良いとされています。どうしても摂取したい場合は加工が必要でしょう。

皮や果実に砂糖を加えて煮立てマーマレードに、果汁を絞ってしょうゆなどと合わせてポン酢にすると食べやすいです。北欧諸国では、ワインを温めて橙の果実をスパイス代わりに入れて調味することもあるとのこと。漢方薬では、橙の皮と実を乾かして薬の原料に使うこともあるようです。

\次のページで「3.香りが良い:精油や香料の原料」を解説!/

3.香りが良い:精油や香料の原料

橙は香りが良いのも特徴です。実や花は圧縮などの方法で搾り取り、香料や精油(アロマオイル)、化粧品などの原料としても使われます。果実や皮から採れたものはオレンジ油、ビターオレンジ油。また、花からも香料が取れ、ネロリという名前でおなじみです。アロマテラピーが趣味の方でしたら、聞いたことがあるかもしれません。

みかんの特徴

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現在国内で流通しているみかんの大部分は「温州(うんしゅう)みかん」。温州みかん自体は鹿児島県原産ですが、温州は中国のみかんの産地で、その場所にあやかって名前が付いたと言われています。

オレンジよりもあっさりした甘みと酸味が特徴。密のように甘いところから「蜜柑」という漢字が充てられています。

温州みかんには、種があまり入っていません。そのため、江戸時代は「種無し」で縁起が悪いとされていて、種が入っている「紀州(きしゅう)みかん」のほうが好まれていました。紀州みかんは酸味が強く、小ぶりで種が入っていて食べづらいと感じる消費者が多くなり、明治時代からは温州みかんを好む人が多くなったということです。

1.食べ方:生食

みかんは早生が9月~10月頃、一般的な時期であれば11月~12月頃に旬を迎えます。食べ方は、外の皮を手でむき、そのまま食べるのが一般的。白い薄皮や筋の部分は丁寧にむいて食べる方もいますが、そのまま食べることも可能。動脈硬化を防ぐ成分が入っているので、白い筋や薄皮は一緒に食べたほうがよさそうです。

みかんを食べすぎると、一時的に手のひらなどが黄色くなることがあります。健康に悪影響はないですが、気になる場合は、1日の食べる量を控えるといいかもしれません。

2.皮:漢方薬になる

外のオレンジ色の皮は捨ててしまう方がほとんど。しかし、陽の光に乾かして刻むと「陳皮(ちんぴ)」という漢方薬に。便通が良くなったり、骨粗鬆症やむくみが予防できたりと美容に役立つ成分が豊富です。コレステロールを低下させたり、疲労を回復できたりと健康保持にも良さそうですね。

家庭用に取り入れる場合は、砂糖漬けのお菓子にすることも。外皮をよく洗い、細かい千切りにしてフライパンで乾煎りし、砂糖をまぶすといいでしょう。他には、橙と同じように、マーマレードにも利用できますよ。

3.果汁:あぶり出しの手紙

みかんの果汁を筆に取って、紙に書いておき、火であぶるとその部分だけ焦げた色に変色して浮き出てきます。理科の授業中に、実験でやったことがある方もいるかもしれません。友達への秘密の手紙を書いておいたり、年賀状などのしかけとして使ったりして楽しめますね。

\次のページで「橙もみかんも柑橘類だが食べ方や用途が異なる」を解説!/

橙もみかんも柑橘類だが食べ方や用途が異なる

橙もみかんも、ミカン科ミカン属の柑橘系の果物です。みかんは酸味が穏やかであっさりした甘さ。手で外皮をむくだけで手軽に食べられます。一方、橙のほうは酸味や苦味がきつくそのまま食べるには適していません。果汁を絞って調味料と合わせたり、加工して食品に使ったりする他、演技が良い果物として正月飾りとしても利用するのが一般的です。

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雑学

簡単で分かりやすい!橙とみかんの違いとは?特徴や美味しい食べ方も文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では橙とみかんの違いについてみていきます。どちらも黄みがかった色をしている柑橘系の果物というイメージがあるよな。お正月の縁起物として鏡餅に飾ったり、皮をむいて美味しく食べたりといった印象がありますが、どちらがどの用途で使うか迷うことはないでしょうか。今回は2つの違いを品種などから確認しつつ、柑橘系の果物が好きな文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

みかんと橙はよく似ているけど、どう違うのか不思議に思った文学部卒ライター。

橙とみかんの共通点とは?

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橙もみかんもミカン科ミカン属にあたる植物。冬に旬を迎え、食べ頃になった実の部分は、どちらも黄みがかったオレンジに色づきます。橙が縦も横もほぼ同じ長さの球形であるのに対して、みかんは横に平たい形をしているのが特徴。形を注意深く見分けると区別が付きやすいですね。

橙の特徴

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橙は別名「回青橙(かいせいとう)」とも。木に成ったオレンジ色の果実を採らないでそのままにすると、また緑色に戻る特徴が見られます。2~3年はそのまま落ちずにいるので、1年目だけでなく、2年目と3年目の果実が一緒に同じ樹木にあることから「代々続く」という意味で「だいだい」という読み方が当てられるようになりました。

1.縁起物:鏡餅の飾り

1本の樹木に世代の違う果実があることから、橙は「一族が繁栄する」という縁起物として使われます。例えば、前年の12月に採れた橙の実を、正月飾りの注連縄(しめなわ)の上に飾ったり、鏡餅の上に置いたりする光景を目にしますね。

2.食べ方:加工が必要

橙をそのまま実を食べることは難しいでしょう。実は、苦味や酸味が強すぎるためです。橙には胃液の分泌を高める健胃作用や、皮膚につくと血行を促進する作用があるといわれ、体に良いとされています。どうしても摂取したい場合は加工が必要でしょう。

皮や果実に砂糖を加えて煮立てマーマレードに、果汁を絞ってしょうゆなどと合わせてポン酢にすると食べやすいです。北欧諸国では、ワインを温めて橙の果実をスパイス代わりに入れて調味することもあるとのこと。漢方薬では、橙の皮と実を乾かして薬の原料に使うこともあるようです。

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