この記事では「動線」と「導線」の違いについてみていきます。どちらも「ドウセン」と読み、意味も非常に似通っているがゆえに、これらの言葉は使い分けに迷う人もいて当然でしょう。今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

動線と導線の違い

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まず、「動線」と「導線」のざっくりした違いを説明したいと思います。「導線」という言葉にはいくつか意味がありますが、混同されやすい「動線」と「導線」の意味の違いは、「動線」「人や物などが動く方向や経路を示す線」であるのに対し、「導線」「店側がお客を誘導する経路」であるということです。

動線は「人が動く」線

動線は、その漢字のとおり人が「動く線」という意味です。ですので、お店の中などにおいて、あくまで本人の意思で自然に動き回れる経路のことを指します。漢字としては簡単な言葉ですが、「家の中で人が動き回る経路」を意味する生活動線や「家事をする時の移動経路」を意味する家事動線など、主に建築用語として使われることが多いので、なじみのない方もいて不思議ではありません。

導線は本来「電線」のこと

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「導線」はもともと「電線」の意味で使われていた言葉です。「あれ、自分が思っていた「導線」とは全然意味が違うんだけど?」という方もいるかと思いますが、それはこの後解説していきたいと思います。

「人を導く」意味の導線

最近では「電流」ではなく「人を導く線」のことを「導線」と呼ぶケースが増えています。「動線」は単に「人が動く線」を意味していましたが、それよりも「人を導く」ことに重きをおいて使われる言葉です。「導線」は主に百貨店や、コンビニ業界などで「店側がお客を商品に導くための経路」という意味で使われており、今では辞書の中にも、そういった意味まで掲載しているものもあります。

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動線と導線の使い分け方

つづいて「動線」と「導線」の使い分け方について説明していきましょう。「動線」と「導線」では人が自由に移動する経路か、店側などが意図的に誘導して移動させる経路か、つまり、同じ経路でも「導く」ニュアンスが強いのが「導線」であることは説明しましたが、判断が難しいことがあります。例えば、

観客のドウセンを確保する。

などという場合の「ドウセン」は、これまでなら「人が動く経路」という意味で「動線」が用いられていました。しかし、「導線」が「人を導く」という意味でも使われだしたことにより、今では省庁や自治体といった公的機関の文章でも、今までどおり「動線」と書かれるケースに加え、「導線」が使われている場合も増えています。

「動線」は主に建築用語的に使われていたので一般的に浸透しているとまでは言えない言葉であり、「導線」も「人を導く」意味としてはまだ歴史の浅い言葉です。ですので、テストなどにおいても出題側として悩ましく、漢字の書き分け問題などで問われることはないと思います。

よって、このような場合の厳密な使い分けは今のところ難しいので、「人を導く」ニュアンスが強いなと感じた時には「導線」を書いておき、もしも人から「動線」の方が好ましいなどと指摘されたら直すくらいの柔軟な対応を心がけましょう。

「動線」が好ましいとき

ただ、「動線」の説明でも紹介した、「生活動線」「家事動線」など、主に建築分野などで「〇〇動線」という熟語として成立している言葉がいくつかあります。そういう言葉に対し、「生活導線」など「〇〇導線」という形で書くことはさけましょう。

Webにおける動線と導線

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また、「動線」と「導線」は近年Webサイトを運営する際にも使われ、重要な意味を持つ言葉になっています。「動線」ネットユーザーがサイト上をどのように動いたかという足跡を指し、「導線」ユーザーをサイトにおける目的地点へ誘導するための道順のことです。

サイトを管理する上では、ユーザーを目的地点へ誘導するためにどういうルートを通らせるか導線設計したりしますが、そのためにはユーザーがどう動いたかという動線の情報が重要であり、それを分析して導線を修正することで、Webサイトは日々改善されています。

「動線」:ネットユーザーがサイト上をどのように動いたかという足跡。
「導線」:ユーザーをサイトにおける目的地点へ誘導するための道順。

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動線は「動く線」、導線は「導く線」!

「動線」「人や物などが動く方向や経路を示す線」で、「導線」「店側がお客を誘導する経路」と、今ではどちらもその漢字のままの意味で使い分けられる言葉ですが、そうなるまでの経緯や使い分け方について理解していただけたかと思います。ただ、場合によってはどちらを使うべきかまだまだ定義のはっきりしない言葉ですので、そのような場合は、違いについてあまり神経質になりすぎないよう心がけましょう。

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雑学

簡単でわかりやすい!動線と導線の違いとは?本来の意味からWebサイトにおける意味まで現役塾講師がわかりやすく解説

この記事では「動線」と「導線」の違いについてみていきます。どちらも「ドウセン」と読み、意味も非常に似通っているがゆえに、これらの言葉は使い分けに迷う人もいて当然でしょう。今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

動線と導線の違い

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まず、「動線」と「導線」のざっくりした違いを説明したいと思います。「導線」という言葉にはいくつか意味がありますが、混同されやすい「動線」と「導線」の意味の違いは、「動線」「人や物などが動く方向や経路を示す線」であるのに対し、「導線」「店側がお客を誘導する経路」であるということです。

動線は「人が動く」線

動線は、その漢字のとおり人が「動く線」という意味です。ですので、お店の中などにおいて、あくまで本人の意思で自然に動き回れる経路のことを指します。漢字としては簡単な言葉ですが、「家の中で人が動き回る経路」を意味する生活動線や「家事をする時の移動経路」を意味する家事動線など、主に建築用語として使われることが多いので、なじみのない方もいて不思議ではありません。

導線は本来「電線」のこと

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「導線」はもともと「電線」の意味で使われていた言葉です。「あれ、自分が思っていた「導線」とは全然意味が違うんだけど?」という方もいるかと思いますが、それはこの後解説していきたいと思います。

「人を導く」意味の導線

最近では「電流」ではなく「人を導く線」のことを「導線」と呼ぶケースが増えています。「動線」は単に「人が動く線」を意味していましたが、それよりも「人を導く」ことに重きをおいて使われる言葉です。「導線」は主に百貨店や、コンビニ業界などで「店側がお客を商品に導くための経路」という意味で使われており、今では辞書の中にも、そういった意味まで掲載しているものもあります。

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