今回は「お化け」と「幽霊」についてみていきます。どちらも夏によく聞く怪談話の主役ですね。お化け屋敷には幽霊がいるので、その違いはあまり無いようにも思えるが…果たしてどうでしょうか?ライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。日本一怖いといわれるお化け屋敷に入った時は、恐ろしさより調度品が気になってお化けに注意されたほど。

「お化け」と「幽霊」の辞典での意味は?

image by iStockphoto

「お化け」と「幽霊」、改めて聞かれるとその違いがわからない人も多いかと思います。実はお化けや幽霊、妖怪や物の怪といった実在するかわからない不確かなものたちの境界線は曖昧です。しかし明確に違う点もいくつかあります。今回はその違いについてみていきましょう。

お化けの意味

まずは「お化け」の辞典での意味をみていきます。

1.ばけもの(幼児語的な表現)
2.気味が悪いほど大きなもの

出典:現代新国語辞典 第5版,三省堂,2015年

ばけものは、動物や植物・無生物が人間の姿で現れたもの。それを畏れや好奇心を織り交ぜ子ども向けの言葉にしたのがお化けです。2.については「お化けカボチャ」と言えば聞いたことがあるかもしれませんね。

幽霊の意味

次に「幽霊」を辞典でみていきましょう。

\次のページで「「お化け」と「幽霊」の違いを詳しく知ろう!」を解説!/

1.死んだ人の霊が、生きていたときの姿となってあらわれるというもの
2.実際にはないのに、あるように見せかけたもの

出典:現代新国語辞典 第5版,三省堂,2015年

幽霊は人を指す言葉であることがわかります。ですので、例えば「犬の幽霊」とは言わず「犬の霊」と言うのが正しいんですね。2.は「幽霊部員」などの表現で使われます。

「お化け」と「幽霊」の違いを詳しく知ろう!

image by iStockphoto

辞典での意味がわかったところで、さらに深掘りしてみましょう。実際「お化け」と「幽霊」の言葉はどのように使われているのでしょうか?またどのようなものがいるのでしょうか?

お化け:怖いものの総称

「お化け屋敷」には幽霊や妖怪がいますね。このことからわかるのは「お化け」には恐怖を与えるものの総称として使われることがある、ということです。

食べ物を粗末にしたときに出てくるという「もったいないお化け」は公共広告機構がテレビCM用につくったお化け。食事を残す子どもたちに向けた「食べ物を大切にするように」というメッセージです。さらに最近だとスマートフォンにお化けから電話がかかってくる演出のアプリがあります。これは親の言うことを聞かない子どもを脅かすためのもの。

このように「お化け」は大人から子どもへのしつけや教育を目的に使われる道具ともなっています。

幽霊:死んだ人が現れるもの

幽霊はこの世に未練や恨みがあって成仏できない死者が、因縁のある人や場所で生前の姿で現れるとされています。日本ですと四谷怪談のお岩さん、番町皿屋敷のお菊さんが有名ですね。日本の幽霊は足がありませんが、西洋の幽霊は足が生えていることが多いのが特徴です。

「妖怪」や「物の怪」との違いは?

image by iStockphoto

次に、似たような言葉の「妖怪」と「物の怪」の意味をみていきましょう。妖怪は『ゲゲゲの鬼太郎』や『妖怪ウォッチ』で馴染みのある人も多いのではないでしょうか?一方、「物の怪」はあまり身近で聞かない言葉にも思えます。

妖怪:幽霊を含まない奇怪な存在

まずは「妖怪」の辞典での意味をみていきましょう。

正体が何か分からないが、人を驚かす不思議な変化を見せるもの。

出典:新明解国語辞典 第8版,三省堂,2020年

妖怪といえば、天狗や河童・ろくろ首など様々な種類がおり、奇怪な存在を指す言葉です。お化けと似た存在ではありますが、お化けは幽霊を含むのに対し、妖怪は通常幽霊そのものを含まない、といった違いがあります。

\次のページで「物の怪:生霊を含んだ怨霊」を解説!/

物の怪:生霊を含んだ怨霊

次に「物の怪」の意味をみていきます。

人について悩ましたという死霊・生霊など。物の気とも書いた

出典:新明解国語辞典 第8版,三省堂,2020年

物の怪は、現在は妖怪やお化けと同じような意味で使われることも多いですが、本来の意味とは違うことがわかります。辞典での意味を見てわかる通り、もともとは「怨霊の祟り」を指す言葉です。物の怪は平安時代の文献によく見られます。有名なものは『源氏物語』葵巻で、葵の上に取り憑いた六条御息所の生霊です。

お化けは恐怖を与えるものの総称、幽霊は死んだ人が現れる現象

「お化け」は恐怖を与えるものの総称で、子ども向けの表現です。一方「幽霊」は死んだ人が現れる現象。また「妖怪」はお化けと似たようなものですが死者の霊は含まないのが特徴です。「物の怪」は怨霊の祟りで生霊も含まれます。このように、似たような存在でも少しずつ違い、それぞれ特徴があることがわかりました。

" /> 3分で簡単にわかる!「お化け」と「幽霊」の違いとは?「妖怪」や「物の怪」との違いもお化け屋敷好きライターがわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

3分で簡単にわかる!「お化け」と「幽霊」の違いとは?「妖怪」や「物の怪」との違いもお化け屋敷好きライターがわかりやすく解説

今回は「お化け」と「幽霊」についてみていきます。どちらも夏によく聞く怪談話の主役ですね。お化け屋敷には幽霊がいるので、その違いはあまり無いようにも思えるが…果たしてどうでしょうか?ライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。日本一怖いといわれるお化け屋敷に入った時は、恐ろしさより調度品が気になってお化けに注意されたほど。

「お化け」と「幽霊」の辞典での意味は?

image by iStockphoto

「お化け」と「幽霊」、改めて聞かれるとその違いがわからない人も多いかと思います。実はお化けや幽霊、妖怪や物の怪といった実在するかわからない不確かなものたちの境界線は曖昧です。しかし明確に違う点もいくつかあります。今回はその違いについてみていきましょう。

お化けの意味

まずは「お化け」の辞典での意味をみていきます。

1.ばけもの(幼児語的な表現)
2.気味が悪いほど大きなもの

出典:現代新国語辞典 第5版,三省堂,2015年

ばけものは、動物や植物・無生物が人間の姿で現れたもの。それを畏れや好奇心を織り交ぜ子ども向けの言葉にしたのがお化けです。2.については「お化けカボチャ」と言えば聞いたことがあるかもしれませんね。

幽霊の意味

次に「幽霊」を辞典でみていきましょう。

\次のページで「「お化け」と「幽霊」の違いを詳しく知ろう!」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: