この記事では染料と顔料の違いについてみていきます。2つとも「色をつけるもの」というイメージがあるよな。じつは染料・顔料は色のつき方や化学的な性質が違うんです。とくにプリンターのインクではその違いが目立つぞ。今回はそんな両者の違いを、その定義から、高校・大学と理系一筋のライター2scと一緒に解説していきます。

ライター/2sc

理系の大学院に通うかたわら、ライターとして活動。技術から生活までさまざまな知識を、科学の視点で解説する。この記事では色の表現に欠かせない、染料と顔料の違いについてわかりやすく解説していく。

染料と顔料を大まかに比較

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はじめに染料・顔料の定義について解説します。両者は今でこそ合成品が主流ですが、もともと別々の素材から作られていました。まずは染料と顔料の大まかな違いをみていきましょう!

染料は「しみこませる」もの

染料とは、布や紙に色をつける「染色」に用いられる色素です。染料が布・紙にしみこむことで、色がつきます。そのため染料は、水などの液体に溶けた状態で用いられるのです。古くから動植物に由来する色素が、染料として利用されてきました。

なかでも代表的な染料は、植物由来の色素であるインディゴジーンズ生地を染めるためには、このインディゴが欠かせません。

顔料は「ぬりつける」もの

一方顔料はもともと、身体に色をつけるために用られた粉末。現在でも物体の色上塗りするために、この顔料が用いられます。

顔料は染料と違って、液体に溶かす必要がありません。そのため昔は酸化鉄やラピスラズリなど、水に溶けにくい鉱物の粉末が顔料として用いられました。そんな顔料の化学的な性質は染料のものと異なります。次の項目で両者の具体的な違いをみていきましょう。

染料と顔料の具体的な違い

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染料と顔料は化学的な性質が異なります。そのため両者には、具体的な違い3つ存在するのです。以下その違いをみていきましょう。

\次のページで「違い1.溶けやすさ」を解説!/

違い1.溶けやすさ

布や紙を染色する際、染料を一度液体に溶かす必要があります。そのため染料は水・油などの液体(溶媒)に溶けやすいという性質をもつのです。一方顔料の粉末は液体に溶けません。そのため顔料は溶剤と接着剤からなる展色材に練り込まれ、ペースト状の「絵の具」として用いられます。

違い2.色がつく原理

布・紙にしみこんだ染料の分子は、化学結合または分子間力によって繊維の分子と結びつきます。そのため分子構造が異なる染料では、染めやすい繊維も変わるのです。これに対して顔料そのものは素材にくっつきません顔料の粒子は展色材の助けを借りて、ぬりつけた物体の表面接着するのです。

違い3.用途

染料はおもに糸・布の染色に用いられます。着物やデニムなど、衣類に色がついているのはこの染料のおかげです。一方顔料粉末のまま、食品や化粧品、絵の具に加えられます。一般に素材を選ばない顔料のほうが幅広い用途に向くのです。

プリンターにおける染料と顔料の違い

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プリンターのインクには染料・顔料のうち、どちらかが用いられます。この項目ではインクの種類別に、長所・短所を比較。印刷物との相性についても紹介していきます。

\次のページで「1.染料インク」を解説!/

1.染料インク

染料インクは紙にしみこみ混ざり合うため、グラデーションの表現が得意です。さらに紙表面の質感残しておけるのも染料インクの強み。その反面しみこんだインクは、乾燥するまでに時間を要します。また染料インクを用いた印刷物は水にぬれるにじんでしまうのです。そんな染料インクは写真印刷との相性が抜群!光沢紙を用いることで、写真がなめらかな仕上がりになります。

2.顔料インク

顔料インクの長所は保存性の高さ。このインクはによる色あせや、によるにじみに強いのです。また顔料インクは紙の表面にとどまるため、文字や図形をくっきりと表現できます。その一方で色や質感の表現力に欠ける点が、顔料インクの短所です。読みやすさと保存性が求められるビジネス文書には、このインクをおすすめします。

色のつけ方も「いろいろ」

私たちの暮らしには染料と顔料が不可欠。さまざまな色が人の衣食住を華やかに飾り立てているのです。そんな染料・顔料は、表現したいものの違いによって使い分けられます。色の付け方の違いを意識することで、アートやファッションなどさまざまなカルチャーを深く楽しめますよ。

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雑学

簡単でわかりやすい!染料と顔料の違いとは?定義や性質の違い、プリンターのインクについて理系ライターが詳しく解説

この記事では染料と顔料の違いについてみていきます。2つとも「色をつけるもの」というイメージがあるよな。じつは染料・顔料は色のつき方や化学的な性質が違うんです。とくにプリンターのインクではその違いが目立つぞ。今回はそんな両者の違いを、その定義から、高校・大学と理系一筋のライター2scと一緒に解説していきます。

ライター/2sc

理系の大学院に通うかたわら、ライターとして活動。技術から生活までさまざまな知識を、科学の視点で解説する。この記事では色の表現に欠かせない、染料と顔料の違いについてわかりやすく解説していく。

染料と顔料を大まかに比較

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はじめに染料・顔料の定義について解説します。両者は今でこそ合成品が主流ですが、もともと別々の素材から作られていました。まずは染料と顔料の大まかな違いをみていきましょう!

染料は「しみこませる」もの

染料とは、布や紙に色をつける「染色」に用いられる色素です。染料が布・紙にしみこむことで、色がつきます。そのため染料は、水などの液体に溶けた状態で用いられるのです。古くから動植物に由来する色素が、染料として利用されてきました。

なかでも代表的な染料は、植物由来の色素であるインディゴジーンズ生地を染めるためには、このインディゴが欠かせません。

顔料は「ぬりつける」もの

一方顔料はもともと、身体に色をつけるために用られた粉末。現在でも物体の色上塗りするために、この顔料が用いられます。

顔料は染料と違って、液体に溶かす必要がありません。そのため昔は酸化鉄やラピスラズリなど、水に溶けにくい鉱物の粉末が顔料として用いられました。そんな顔料の化学的な性質は染料のものと異なります。次の項目で両者の具体的な違いをみていきましょう。

染料と顔料の具体的な違い

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染料と顔料は化学的な性質が異なります。そのため両者には、具体的な違い3つ存在するのです。以下その違いをみていきましょう。

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