雑学

簡単でわかりやすい!「冷酒」と「冷や」の違いとは?「燗酒」との関係や日本酒用語も雑学マニアが詳しく解説

よぉ、桜木建二だ。この記事では「冷酒」と「冷や」の違いについてみていくぞ。日本酒は種類も多いし飲み方も多い、どう飲んだらいいのかわからないという人も結構いるんじゃないだろうか。違いはずばり温度のようだが、細かく呼び方が分けられているなど、調べてみるといろいろ面白い点があるみたいだ。今回はそんな間違えやすい2つの違いを、日本酒用語も確認しつつ、雑学マニアの田坂と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/田坂バーシル

子供の頃から本の虫で、些細な事柄も調べずにはいられない性質。小説、漫画はもちろん、歴史、芸術、宗教、宇宙、アンダーグラウンドまで興味は尽きないようだ。今日も文字の大海原に驚きとときめきを求める雑学マニア。

「冷酒」と「冷や」はどう違うの?

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「冷やでもいいからもう一杯」なんて言い回しが落語にありますが、日本酒を飲む時にとても大切なのがその温度です。「冷酒」と「冷や」は字が似ていることもあって、混同してしまっている人もいるかもしれませんね。

実は「冷酒(れいしゅ)」は冷蔵庫や氷水でしっかりと冷やした清酒、一方の「冷や(ひや)」は口に入れた時にひんやりする程度の常温の清酒のことなのです。飲用温度帯が広く、香りや味わいが温度によって左右される清酒には、温度によってさらに細かな表現もあります。それでは詳しく見ていきましょう。

「冷酒」:5〜15℃のしっかりと冷やされた清酒

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実は「冷酒」という呼び名は比較的新しいものなんですよ。冷蔵庫が誕生する以前には、お酒には「冷や(常温)」と「燗酒(温めたもの)」しかなかったからです。そして冷蔵庫が普及するにつれお酒を冷たくして飲む人が増えたことから、冷やと区別するために冷酒という呼び名が生まれたのですね。

冷酒は温度によって以下のように呼び方が変わります。どれも風情を感じられる美しい呼び名です。

雪冷え(ゆきびえ):5℃前後。冷蔵庫から出してすぐのもの。香りが抑えられ、キンと鋭くクリアな飲み心地になります。洋食にも合いますよ。
花冷え(はなびえ):10℃前後。冷蔵庫で冷やしたものを出して5分ほど置いたもの。冷たさのあとに口の中で香りが広がります。
涼冷え(すずびえ):15℃前後。冷蔵庫で冷やしたものを出して10分ほど置いたもの。口当たりのよさや爽やかさを感じられます。

「冷や」:15〜20℃の常温の清酒

「冷や」あるいは「冷や酒(ひやざけ)」は温めていない清酒、ということで冷やと呼ばれていました。現在でももちろん常温の清酒を指すのですが、飲食店などで注文する際は、お店側が冷酒と冷やを混同している場合があるので、「常温」とわかりやすく伝えるのもいいでしょう。

しかし常温といっても日本の夏と冬では気温が大きく異なります。ですので冷やは季節に合わせてお酒の変化を感じられる温度ともいえますね。

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言われてみれば、昔は酒といえばそのままか温めるかしかなかったわけだ。日本に冷蔵庫が普及したのは1950年代後半だと言われているから、それ以前の人は酒を冷やして飲むなんて想像もしなかったんだろうな。

\次のページで「「燗酒」とは何が違うの?」を解説!/

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