「貯蓄から投資へ」という言葉を聞いたことがあるか。日本では2000年頃から低金利が続いていますね。例えば貯蓄をしても金利が低いから利子も小さい。つまり儲からないわけです。だから、貯蓄ではなく投資をしようということです。その投資の方法としては株の売買が有名でしょう。では投資家と株主はどう違うんでしょう。その違いやそもそも株式や投資の仕組みを、最近投資を始めたプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。最近は個人で投資もしている。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

似ているようで全然違う投資家と株主

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2000年以降は低金利のため、銀行に貯金を預けてもあまり利子がつかなくなっています。以前を知らない人から見ればそれが当たり前なので実感がないかもしれませんが、かつてはもっと利子がもらえた時代もありました。そのような低金利時代に注目されているのが投資です。

投資といえば株を思い浮かべる方も多いかと思います。そのため、投資は株を買って株主となることと思っている方も多いのでは。実は投資家が必ずしも株主とは限りません。なぜ違うのか、そもそもどういう仕組みなのかを説明していきます。

投資家:投資をしている人

そもそも投資とはどういうものかから説明します。例えば、資格を取るための勉強にお金を出すことを「自分への投資」と言いますよね。このように投資とは誰かにお金を出すことで、その対価をもらうことです。例えば、ある会社にお金を貸したとします。その会社はそれで新しい機械を入れて儲けを増やせば、その儲けの中から貸したお金に儲けた分を上乗せして返してもらうことも可能ですよね。しかし必ず儲けが出るとは限りません戻ってくるお金が減ってしまうかもしれないし、無くなってしまうかも。

このような投資をしている人が投資家です。投資家は個人であることもあれば、会社組織であることもあります。

株主:会社の経営に意見できる人

では株を持っている人は投資家なのでしょうか。広い意味では間違っていません。ただ、株主=投資家ではありません。なぜなら投資の方法は株だけではないため。株を持っている株主は投資家ですが、すべての投資家が株主ではないわけです。

株主とは、株式会社の発行する株式(いわゆる株券)を持っている人のこと。ざっくり言うと会社にお金を出しているわけです。その代わりに、会社の儲けの一部をもらうことができます。また、会社の方針に質問や意見をします。また、社長が相応しくないと思えば別の社長に変えることも可能。つまり、株主とは会社の経営に意見できる人なのです。

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どういう仕組み?株式、株券と株主

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投資家について説明する前に、まずは株式や株券と株主について説明します。まずは株や株式というものがどういうものか。次に報道で聞くこともある株主総会について説明します。最後はなぜ株の売買で儲かるのかです。

会社に出資?株式とは

会社をつくるにはたくさんの資金が必要です。金持ちならよいですが、そうでない場合はどうやってお金を集めるのでしょうか。銀行から借りることもあります。他にもいろいろな方法がありますが、そのひとつが株式会社です。

個人では十分な資金がなくても、多くの人が集まってお金を出し合えば必要な資金を集めることが可能。株式会社ではこういう会社を作りたいということを説明して、そのために株を買ってもらうことで資金を集めます。お金を出すかわりに、会社が儲けを出した時にはその分もらえるのが配当金です。この株を持っている人が株主になります。

会社に意見?株主総会とは

株主は資金を提供するだけでしょうか。実は会社に資金を出しているので、会社の経営方針について確認したり、意見することが可能。ただ、それぞれの株主がバラバラに会社とやりとりしていたら効率が悪いですよね。そのため、多くの会社は1年に一度、株主総会を開きます

株主が集まって会社の方針を確認し、必要ならば意見を出すのが株主総会です。また、会社が出す経営の提案について賛成か反対か多数決で決めます。この株主総会に参加できるのは株主だけ会社の細かいことは社長をはじめとした経営陣が決めます。しかし、それを進めてよいかを決定するのは株主と株主総会です。

なぜ儲かる?株式投資とは

株式の仕組みと株主についてイメージをつかむことはできましたか。でも、なぜ株で儲けることができるのか。株式について最初に説明したように、株主には会社の儲けの一部が返ってきます。銀行預金で言えば利子にあたるものが配当です。また、日本の一部株式会社では株主優待制度があります。これは株主に対するお礼のようなもの。配当とは別にその会社の製品やサービスなどを受けることができます。

最後に株を安く買って高く売ることで、その差を儲けることが可能。ある商品が人気が出て品薄になれば値上がりしますし、逆に売れなければ値下がりしますよね。株も同じ。その会社が将来有望だと思われれば株の値段が上がります。逆に人気がなければ株の値段が下がるわけです。この上がり下がりを利用して差額で儲けます。

投資家って何する人?

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株主が株を持っている人ならば、投資家はどういう人か。ざっくり言えば「資金を投入する」ことが投資で、その投資をする人が投資家です。これだけではよくわかりませんよね。

例えば、会社は製品をつくって売るか、サービスを提供して対価を得ることで儲けます。その会社に資金を投入(投資)するのが投資家です。通常は会社は儲けの一部を使って会社を大きくします。しかし、例えば最新の設備を買うためには多くの資金が必要。それを自分の儲けだけで用意するのは時間がかかります。それを手助けするのが投資家の仕事です。投資家は会社から説明を聞きます。それが有効だと判断すれば投資するわけです。その会社の儲けの一部をもらうことで自分が儲けます。

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個人投資家とは?

ニュースなどで個人投資家や機関投資家という言葉を聞いたことがあるかと思います。その個人投資家とはどういう人でしょう。

その名の通り個人で投資をしているのが個人投資家。ただ、この個人投資家も様々です。例えば投資とは別に本業を持っていて、空いた時間で投資をしている人もいます。「貯蓄から投資へ」というのは主に普段は会社で働いている人が貯金する代わりに投資をしようという話です。それとは別に、投資を本業としている個人もいます。どちらの場合も個人で投資しているので個人投資家です。個人とは言っても何人かのグループで投資することもありますが、その場合も個人投資家になります。

機関投資家とは?

一方、個人ではなく組織、団体で投資をしているのが機関投資家です。リーマン・ショックで有名な投資銀行リーマン・ブラザースなど、投資をしている会社、団体を指します。

機関投資家についての厳密な定義は実は存在しません一般的には保険会社や銀行、証券会社などを指します。ざっくり言えば個人や会社から資金を集めて投資をする会社、団体が機関投資家です。そのため、一般的には個人投資家より多くの資金を持っていて、影響力も大きくなります。日本の個人投資家の数は6千万人近いです。しかし、その個人投資家が持っている日本の株の総額は全体の17%程度との調査結果が出ています。機関投資家の力がどれだけ大きいかわかりますよね。

投資家と株主の関係は?

最初に投資についてざっくり説明したように、株は多くの投資の方法の中のひとつです。例えば、債券やFX、暗号資産、不動産など、様々な投資方法があります。ですので、投資家が必ずしも株主とは限りません

また、会社によっては従業員に給料の他に自社の株を与えるストックオプションという制度があります。また、会社の従業員がお金を出し合って自社の株を買う持株会という制度も。これらの制度の利用者も株主です。しかし、投資というよりは会社に愛着を持ってもらうことや、労働意欲を高めることを目的としています。そのため、株主がすべて投資家かというとそうとも言い切れません投資家と株主は似ているが違うものと考えてください。

株は投資のごく一部、今はさまざまな投資手法が存在

昔は投資=株というイメージですが、今は様々な投資手法があります。今でも投資の多くは株が関係していますが、株以外の方法も増加。株が下がった時に補う意味でも、様々な投資手法を組み合わせる考え方が主流です。このように投資は様々な方法や考え方があります。

そのため投資家が必ずしも株主とは限りません世の中の投資に対する考え方も変化します。その結果、株主以外の投資家も出てきたわけです。

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簡単でわかりやすい!投資家と株主の違いとは?株や投資の仕組みもプログラマーがわかりやすく解説

「貯蓄から投資へ」という言葉を聞いたことがあるか。日本では2000年頃から低金利が続いていますね。例えば貯蓄をしても金利が低いから利子も小さい。つまり儲からないわけです。だから、貯蓄ではなく投資をしようということです。その投資の方法としては株の売買が有名でしょう。では投資家と株主はどう違うんでしょう。その違いやそもそも株式や投資の仕組みを、最近投資を始めたプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。最近は個人で投資もしている。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

似ているようで全然違う投資家と株主

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2000年以降は低金利のため、銀行に貯金を預けてもあまり利子がつかなくなっています。以前を知らない人から見ればそれが当たり前なので実感がないかもしれませんが、かつてはもっと利子がもらえた時代もありました。そのような低金利時代に注目されているのが投資です。

投資といえば株を思い浮かべる方も多いかと思います。そのため、投資は株を買って株主となることと思っている方も多いのでは。実は投資家が必ずしも株主とは限りません。なぜ違うのか、そもそもどういう仕組みなのかを説明していきます。

投資家:投資をしている人

そもそも投資とはどういうものかから説明します。例えば、資格を取るための勉強にお金を出すことを「自分への投資」と言いますよね。このように投資とは誰かにお金を出すことで、その対価をもらうことです。例えば、ある会社にお金を貸したとします。その会社はそれで新しい機械を入れて儲けを増やせば、その儲けの中から貸したお金に儲けた分を上乗せして返してもらうことも可能ですよね。しかし必ず儲けが出るとは限りません戻ってくるお金が減ってしまうかもしれないし、無くなってしまうかも。

このような投資をしている人が投資家です。投資家は個人であることもあれば、会社組織であることもあります。

株主:会社の経営に意見できる人

では株を持っている人は投資家なのでしょうか。広い意味では間違っていません。ただ、株主=投資家ではありません。なぜなら投資の方法は株だけではないため。株を持っている株主は投資家ですが、すべての投資家が株主ではないわけです。

株主とは、株式会社の発行する株式(いわゆる株券)を持っている人のこと。ざっくり言うと会社にお金を出しているわけです。その代わりに、会社の儲けの一部をもらうことができます。また、会社の方針に質問や意見をします。また、社長が相応しくないと思えば別の社長に変えることも可能。つまり、株主とは会社の経営に意見できる人なのです。

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