
簡単でわかりやすい!映像と動画の違いとは?意味や画像との違いまで現役塾講師がわかりやすく解説

ライター/空野きのこ
大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。
映像と動画それぞれの言葉の意味

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まずは映像と動画、それぞれの大まかな意味を説明しましょう。もともと、「映像」とはテレビやスマホ、パソコンの画面や映画館のスクリーンなどに映しだされている画像のことで、「動画」とは次々と映しだされた画像が、一つの連続した動きに見えるもののことです。まだ違いなどはよくわからないかもしれませんが、今回はそれをわかりやすく解説していきたいと思います。
「映像」とは画面に映しだされるもの

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まず、「映像」とはその漢字のとおり、単純な意味としては「映された画像」、つまりテレビやスマホ、パソコンの画面や映画館のスクリーンなどに映しだされている画像のことです。
「舞台」に対する「映像」
しかし、「映像」には単純な「画面に映しだされている画像」以外にも少し違った意味で使われることがあります。というのも、テレビや映画館などで流される番組や映画といったコンテンツ自体のことを指す場合などもあるのです。
映画やテレビがあらわれるよりも前の時代は、人々の娯楽の中で舞台で行われる演劇などが今よりもっとメジャーなものでした。やがてそれが技術や文化の発達とともに、人々が集まるところにあらかじめ撮影したものを流す映画や、各家庭に番組を放送するテレビといった新しい娯楽があらわれ、映画やテレビは、舞台と区別するため、ひとまとめに「映像」と呼ばれるようになりました。そのため、例えば、舞台を中心に活躍する人を舞台俳優というのに対し、テレビや映画を中心に活躍する人を映像俳優などと言うのです。
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「動画」とはパラパラ漫画のようなもの

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動画とは次々と映しだされた画像が、一つの連続した動きに見えるものです。動画の中で一番単純なものとしてはパラパラ漫画が挙げられます。技術的にまだ静止画である写真しか無かったころ、動く画像についての研究を進める中で、パラパラ漫画をめくるように連続した静止画をつぎつぎと映しだすことで画像によって動きを表現する技術、つまり動画が生まれました。
このように「動画」とは、静止画である「画像」に対して、動きのあるコンテンツを指し示す意味で使われている言葉です。
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「動画」はアニメの訳語だった!
今では日本が世界に誇る産業の一つとなっているアニメですが、元は明治末~大正ごろに海外から伝わってきたものです。そして「動画」という言葉は、アニメーション作家の政岡憲三が「アニメーション」の訳語として考えたものとされています。ですから、以前はアニメのことを「動画」と呼んでいました。
しかし、やがて「アニメーション」やその略語の「アニメ」という呼称が広く知られて定着すると、「動画」という言葉がアニメを意味する役割は薄れていったのです。
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今日の「動画」はネットともに普及
今やアニメの訳語としての役割はほとんどなくなった「動画」ですが、静止画に対して動きを表現するコンテンツという意味での「動画」という言葉は、インターネットの普及や、Youtubeやニコニコ動画などの動画共有サービス、Netflixをはじめとする動画配信サービスなどの発展とともに使われる機会が増え、今日のように日常的に使われるようになりました。
映像と動画は使われてきた分野が違う
このように「映像」と「動画」という言葉はそれぞれ使われてきた分野が違います。ですのでもし使い分けるならば、テレビ番組や映画作品といったコンテンツに対しては「映像」、ネット上の動画コンテンツに対しては「動画」を使うのがふさわしいでしょう。
さまざまな区別のされ方
「映像」と「動画」は今回説明した以外にも、また違った区別のされ方をすることがあるので、それを紹介しましょう。「映像」は映画やテレビなど専門の人たちが作り上げるコンテンツである一方、ネット上の「動画」は誰でも作って公開できることからか、「映像」はプロフェッショナルが作ったもので、「動画」はアマチュアが作ったものだと区別されることがあります。
また、「映像」は「動画」のような広告や他のサイトへの誘導といったことがされないことから、「時間当たりの情報量」を意味するIPT(Information Per Timeを略したもの)の値が高いのが動画で、低いのが映像と言われることもあるのです。しかしこれはちょっと専門的すぎるので、まずは説明したように「映画やテレビのコンテンツ」か「ネットのコンテンツ」かといった違いを押さえておくだけで十分かと思います。
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