この記事では馬とロバの違いについてみていきます。どちらもウマ科ウマ属の家畜で、ロバは漢字で「驢馬」と書くこともできる。分類が近い馬とロバは見た目が似ているが、じつは出身地が違うんです。今回はそんな馬の仲間の見分け方や家畜としての用途の違いについて、大学で生物学を学んだライター2scと一緒に解説していきます。

ライター/2sc

生物学をこよなく愛するライター。大学の研究室で「生態学」を学び、卒論を制作した。「生物の華麗なる生き様」をお届けすることがモットー。

馬とロバの大まかな特徴

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馬とロバはともに、奇蹄目のうちウマ科ウマ属に分類される哺乳類。一見似ている両者は、正反対の生態をもっています。まずは馬とロバの、大まかな特徴についてみていきましょう。

馬の仲間は3つに分かれる

「馬の仲間」ともいえるウマ科ウマ属はさらに、ウマ亜属・ロバ亜属・シマウマ亜属3つのグループに分かれます。このうちウマ亜属・ロバ亜属は、それぞれ異なる地域にて家畜化が進められました。

群れで行動する馬

ウマ亜属こと馬の野生種は、モウコノウマを除きすべて絶滅しています。私たちが目にするは、すでに絶滅したノウマ家畜化したもの。

彼らは本来ユーラシア大陸の寒冷地に生息し、群れで行動する動物でした。ですが現在の馬人の暮らしに合わせて改良され、野生本来の姿を失っています。そのため馬には、体格・毛色が異なるさまざまな品種が存在。彼らは競走馬や馬車馬など、広く利用されています。

一匹で行動するロバ

一方ロバの祖先現在もアフリカ北部の乾燥地に生息しています。家畜のロバは、ロバ亜属のアフリカノロバを改良したもの。彼らは少食で、丈夫な体をもつため利用されてきたのです。ですが決まった群れを作らないロバには、馬のような従順さがありません。そのため彼らの用途は、荷物の運搬に限られます。

\次のページで「馬とロバの見分け方」を解説!/

馬とロバの見分け方

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馬とロバの見た目には3つの違いが存在。以下の違いを知っているだけで、両者を見分けることができます。

その1.耳

別名で「うさぎうま」と呼ばれるロバは馬よりも、はるかに大きな耳をもちます。これは生息地の違いによるもの。本来砂漠に生息していたロバは、体の熱を逃すために耳を発達させたのです。

その2.尻尾

馬の尻尾「ポニーテール」そのもの。尻尾の付け根から先端までが、長いふさ毛で覆われているのです。一方ロバの尻尾は、その先端のみがふさ毛で覆われています。

その3.たてがみ

長く伸びた「たてがみ」が特徴的。たてがみの先端は垂れ下がり、私たちでいうところの「前髪」をかたどっています。これに対してロバはたてがみが短く、前髪をもたないため判別が簡単です。

馬とロバの用途の違い

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馬とロバは、それぞれ異なる長所をもつため現在も家畜として利用されています。以下両者の用途の違いについてみていきましょう!

馬は万能選手

は社会性が高く、従順な動物。彼らは人の気持ちを察する能力に長けています。そのため馬は背中に人を乗せたり、複数で馬車をひいたりと幅広く活躍しているのです。

また馬は足が速いことでも知られています。競走馬は人を乗せて、時速60kmで走ることが可能です。このように万能な馬には、異なる強みをもつ品種が存在。その品種はスピードに特化した軽種や大柄で力持ちな重種、小柄なポニーなどに分けられます。

\次のページで「ロバはとにかく頑丈」を解説!/

ロバはとにかく頑丈

ロバは馬のような社会性・足の速さもちません。ですが少ないエサで飼育できる経済的な家畜です。さらにロバは乾燥地や山岳地帯など過酷な環境に耐えうる丈夫な体をもちます。そのため彼らは、大食いで繊細な馬とは差別化ができているのです。ロバはその小柄な体格に見合わず力持ちであるため、人や荷物の運搬に用いられます。

いいとこ取りの雑種「ラバ」

「ラバ」はメスの馬オスのロバを掛け合わせた雑種です。馬の社会性ロバの丈夫な体を兼ね備えた彼らは、古代エジプト・ファラオの時代から人や荷物の輸送に用いられてきました。じつはナポレオン一世の愛馬も、このラバなのです。現在でも彼らは、勾配が急な山岳地帯での運搬に用いられています。

馬とロバは「頼れる相棒」

馬とロバはそれぞれ異なる強みをもつ家畜。彼らは古くから、人間とともにさまざまな仕事に従事してきました。自動車が普及した現在の日本において、彼らを目にすることは滅多にありません。ですがヨーロッパではいまでも、馬に乗った警官が街をパトロールしています。また荒地の多いインド・パキスタンでは、ロバが頼りになるそう。彼らは変わらず、頼れる相棒なのです。

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雑学

簡単でわかりやすい!馬とロバの違いとは?見分け方や用途、雑種について生物学専攻ライターが詳しく解説

この記事では馬とロバの違いについてみていきます。どちらもウマ科ウマ属の家畜で、ロバは漢字で「驢馬」と書くこともできる。分類が近い馬とロバは見た目が似ているが、じつは出身地が違うんです。今回はそんな馬の仲間の見分け方や家畜としての用途の違いについて、大学で生物学を学んだライター2scと一緒に解説していきます。

ライター/2sc

生物学をこよなく愛するライター。大学の研究室で「生態学」を学び、卒論を制作した。「生物の華麗なる生き様」をお届けすることがモットー。

馬とロバの大まかな特徴

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馬とロバはともに、奇蹄目のうちウマ科ウマ属に分類される哺乳類。一見似ている両者は、正反対の生態をもっています。まずは馬とロバの、大まかな特徴についてみていきましょう。

馬の仲間は3つに分かれる

「馬の仲間」ともいえるウマ科ウマ属はさらに、ウマ亜属・ロバ亜属・シマウマ亜属3つのグループに分かれます。このうちウマ亜属・ロバ亜属は、それぞれ異なる地域にて家畜化が進められました。

群れで行動する馬

ウマ亜属こと馬の野生種は、モウコノウマを除きすべて絶滅しています。私たちが目にするは、すでに絶滅したノウマ家畜化したもの。

彼らは本来ユーラシア大陸の寒冷地に生息し、群れで行動する動物でした。ですが現在の馬人の暮らしに合わせて改良され、野生本来の姿を失っています。そのため馬には、体格・毛色が異なるさまざまな品種が存在。彼らは競走馬や馬車馬など、広く利用されています。

一匹で行動するロバ

一方ロバの祖先現在もアフリカ北部の乾燥地に生息しています。家畜のロバは、ロバ亜属のアフリカノロバを改良したもの。彼らは少食で、丈夫な体をもつため利用されてきたのです。ですが決まった群れを作らないロバには、馬のような従順さがありません。そのため彼らの用途は、荷物の運搬に限られます。

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