俺は普段高校生たちと関わっているのですが、やはり中学生時代にしっかりと勉強していた学生は呑み込みが早い。一方で中学生時代の勉強が抜けている奴はなかなか大変です。

そんな「中学生」と「高校生」ですが、実は様々な違いがあるんです。この違いを理解しておくと、自分や子供が高校に入学したときに戸惑わないで済むかもな。

よって今回は「中学生」と「高校生」の違いを、院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働く、日本で大学院修士課程までを修了した日本語教師。その経験を武器に言葉の違いや教育について分かりやすく解説していく。

「中学生」と「高校生」制度的には何が違う?

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皆さんは「中学生」と「高校生」の違いと言えば何を思い浮かべますか?もちろん年齢が違うのは当たり前ですが…。実は「中学生」と「高校生」には年齢以外にも様々な違いがあります。まずは、制度面での違いを見ていきましょう。

義務教育の途中である「中学生」と、義務教育終了後の「高校生」

「中学生」と「高校生」の大きな違いとして、制度面での違いがあります。「中学生」は、小学生と同様に義務教育の最中の子どもたちです。この義務教育は国民の義務として定められており、保護者は小学校と中学校の計9年間の教育を子どもに受けさせなければなりません。

一方の「高校生」は、義務教育はすでに修了しています。日本では中学校卒業後にほとんどの子どもたちが高校に進学するため、高校も義務教育の一環と勘違いされやすいですが、高校はあくまで個人の進路選択の上で進む場所なのです。

「中学生」と「高校生」の学習面での違い2点

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制度面では"義務教育か義務教育じゃないか"の違いがある「中学生」と「高校生」。ただ、実際に学校で勉強したり子どもを学校に通わせたりする分には、そこまで気になる違いではありませんよね。ここからは「中学生」と「高校生」の大切な違いについて解説します。まずは学習面での違いを見ていきましょう。

1.選択授業と文系・理系

学習面での大きな違いは、自身の興味や進路に沿った科目やコースの選択が「高校生」では可能になることですね。「中学生」は義務教育の範疇であるため、健全な大人になるために学ぶべき内容が事前に決められており、その通りに全員同じ科目を学んでいくのです。

一方の「高校生」には、自身の興味・関心や進路希望によって選ぶことができる選択科目が存在します。そして、多くの高校では2年生以降になると進路に合わせて”文系・理系”のコースを選択し、進路に合った学習を進めることになるのです。

\次のページで「2.学習科目の細かさ」を解説!/

2.学習科目の細かさ

そして、「中学生」と「高校生」では学習する科目の細かさも異なります。「中学生」は国語、数学、理科、社会、英語、技術・家庭科、音楽、美術、保健体育の9科目ですが、「高校生」はさらに科目が細分化され、学習する内容がより高度で専門的になるのです。

どのような科目が存在するかは高校によって異なる場合もありますが、「中学生」よりも学習内容が細かくなる科目には以下のようなものが存在します。(左が中学校での科目名、右が高校での科目名です。)

国語:現代文、古文 など
数学:数学1、数学2、数学3、数学A、数学B、数学C など
理科:物理基礎、生物基礎、化学基礎、地学基礎、物理、生物、化学、地学 など
社会:世界史A/B、日本史A/B、地理A/B、政治経済、倫理 など
英語:ライティング、リーディング など

「中学生」と「高校生」の生活面での違い3点

学習面でかなりの違いがある「中学生」と「高校生」。実は学校生活や日常生活にも大きな違いがあります。全体的には、高校生の方がより大人に近い年齢であるため、より自由に行動できる範囲が広いと言えるでしょう。

1.校則はどっちが厳しい?

中学校や高校に通う生徒たちにとって気になるのは校則ですよね。もちろん学校によって厳しさはバラバラですが、全体的には「高校生」の方が自由が多いと言えるでしょう

「中学生」はあくまで子どもとして扱われますが、「高校生」は大人として扱われることが増えていきます。その分、生徒自身で判断して行動する部分が「高校生」では増えてくるわけです。先生たちの生徒たちへの接し方も、子どもに対するものから大人に対するものへと変化していく場合が多いでしょう。

2.通学範囲、手段の違い!

「中学生」と「高校生」では、学校に通学できる範囲が異なります。小学校や中学校までは、公立の学校に通う場合は自身が暮らしている地域の中にある指定の学校に通うのが一般的です。よって、「中学生」の通学手段は原則として徒歩か自転車になります。

一方の高校の場合、私立高校には学区は存在しません。公立高校には都道府県によって学区が存在する場合としない場合があります。ただ、学区が存在する場合でも中学校の学区よりも大きく、学区内の高校でも電車を使って通学しなければならない場合も多いです。よって「高校生」の場合は、家と学校の距離によって徒歩や自転車の他に「電車」や「バイク」といった手段が登場します

通学手段のルールは各学校ごとに校則で定められているので、そのルールに従ってくださいね。

\次のページで「3.「高校生」からはアルバイトや免許取得が可能に!」を解説!/

3.「高校生」からはアルバイトや免許取得が可能に!

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そして「中学生」と「高校生」の大きな違いと言えば、"アルバイト"と"免許"でしょう。

まず、「高校生」からはアルバイトをすることが可能になります「中学生」までは一部の例外を除いて法律上アルバイトをすることはできませんが、「高校生」からは可能です。部活動に入らずに放課後にアルバイトをしている人も「高校生」ではいますね。

そして、原付免許(バイクの免許)や普通自動車免許を取得できるようになるのも「高校生」の特徴です。原付免許は満16歳以上、普通自動車免許は満18歳以上から取得可能であるため、「高校生」の間に免許をとることも可能になります

ただ、アルバイトや免許の取得は校則で禁止されている場合も多いです。法律上可能であっても、校則で禁止されている場合は校則に従いましょう

どちらも大人への階段として大切な中学生時代と高校生時代

今回は「中学生」と「高校生」の違いについて解説しました。「中学生」と「高校生」の違い、改めて並べてみると意外とたくさんありますね。ただ、「中学生」も「高校生」もどちらも大人へと成長するための大切な時間です。今「中学生」だったり「高校生」だったりする人は、このかけがえのない時間を本当に大切にしてください。大人たちは、「中学生」や「高校生」が充実した時間を過ごせるよう、応援しましょう!

" /> 簡単に分かる「中学生」と「高校生」の違い!何が変わるの?院卒日本語教師が分かりやすく解説 – Study-Z
雑学

簡単に分かる「中学生」と「高校生」の違い!何が変わるの?院卒日本語教師が分かりやすく解説

俺は普段高校生たちと関わっているのですが、やはり中学生時代にしっかりと勉強していた学生は呑み込みが早い。一方で中学生時代の勉強が抜けている奴はなかなか大変です。

そんな「中学生」と「高校生」ですが、実は様々な違いがあるんです。この違いを理解しておくと、自分や子供が高校に入学したときに戸惑わないで済むかもな。

よって今回は「中学生」と「高校生」の違いを、院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働く、日本で大学院修士課程までを修了した日本語教師。その経験を武器に言葉の違いや教育について分かりやすく解説していく。

「中学生」と「高校生」制度的には何が違う?

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皆さんは「中学生」と「高校生」の違いと言えば何を思い浮かべますか?もちろん年齢が違うのは当たり前ですが…。実は「中学生」と「高校生」には年齢以外にも様々な違いがあります。まずは、制度面での違いを見ていきましょう。

義務教育の途中である「中学生」と、義務教育終了後の「高校生」

「中学生」と「高校生」の大きな違いとして、制度面での違いがあります。「中学生」は、小学生と同様に義務教育の最中の子どもたちです。この義務教育は国民の義務として定められており、保護者は小学校と中学校の計9年間の教育を子どもに受けさせなければなりません。

一方の「高校生」は、義務教育はすでに修了しています。日本では中学校卒業後にほとんどの子どもたちが高校に進学するため、高校も義務教育の一環と勘違いされやすいですが、高校はあくまで個人の進路選択の上で進む場所なのです。

「中学生」と「高校生」の学習面での違い2点

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制度面では”義務教育か義務教育じゃないか”の違いがある「中学生」と「高校生」。ただ、実際に学校で勉強したり子どもを学校に通わせたりする分には、そこまで気になる違いではありませんよね。ここからは「中学生」と「高校生」の大切な違いについて解説します。まずは学習面での違いを見ていきましょう。

1.選択授業と文系・理系

学習面での大きな違いは、自身の興味や進路に沿った科目やコースの選択が「高校生」では可能になることですね。「中学生」は義務教育の範疇であるため、健全な大人になるために学ぶべき内容が事前に決められており、その通りに全員同じ科目を学んでいくのです。

一方の「高校生」には、自身の興味・関心や進路希望によって選ぶことができる選択科目が存在します。そして、多くの高校では2年生以降になると進路に合わせて”文系・理系”のコースを選択し、進路に合った学習を進めることになるのです。

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