「中国語」と聞いてみんなはどんなイメージを持つ?同じ漢字を使う言語だから、外国の空港で英語やその国の言葉がよく分からない時は、中国語の案内がヒントになるんですね。俺は結構興味がある言葉です。ただ、同じ漢字を使う言語だとはいっても、それ以外の点での違いは非常に大きい。

今回は、そんな「中国語」が「日本語」とどのように異なるのか、中国人の学生を相手にしたことも多い院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉や言語について分かりやすく解説していく。

漢字を使うのは一緒だけど…

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「中国語」と「日本語」の違いについて見ていく前に、まずは共通点を少し見ていきましょう。「中国語」と「日本語」の共通点と言われて思い浮かべるものは何ですか?そうです。共通点は"漢字を使う言語"であることですよね。

現在漢字を多用している言語は「中国語」と「日本語」だけ?

現在漢字を使用している言語と聞いて何語を思い浮かべますか?「中国語」と「日本語」はもちろん、「韓国語」や「朝鮮語」を思い浮かべる人もいるかもしれません。たしかに韓国や北朝鮮の人名や地名は漢字でも表記されますが、韓国で漢字教育が廃止されるなど、実は「韓国語」や「朝鮮語」では漢字はあまり使用されていないのです。

かつては、ベトナムでも漢字や漢字を元に開発された文字が使用されていましたが、現在ではほぼ使用されていません。よって、現在漢字を多用している言語は「中国語」と「日本語」だけなのです。

「中国語」と「日本語」の決定的な違い2点

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同じ漢字を使う言語だと言っても、「中国語」と「日本語」は違いが大きい言語です。その証拠に、「中国語」が一切わからない日本人が「中国語」の会話を聞いても、何一つ理解できないですよね。もしも似ている言語であれば、少しは何か理解できるものなのですが…。では何が違うのか。決定的な違いを見ていきましょう。

1.文法

「中国語」と「日本語」の決定的な違いの一つが文法ですね。

「日本語」は基本的に、主語(S)・目的語(O)・述語(V)…という構造です。たとえば「私は肉を食べます」という文では、「私は」が主語、「肉を」が目的語、「食べます」が述語となりますね。一方の「中国語」で「私は肉を食べます」を表現すると「我吃肉」となります。「我」は「私」という意味を、「吃」は「食べます」という意味を表しますが、「中国語」では、主語(S)・述語(V)・目的語(O)…という英語と同じ順番になっていますよね。この文法構造に違いがあることは、言語の違いとしてとても大きい事なのです。

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2.発音の仕組み

「中国語」と「日本語」の決定的な違いの1つが発音です。まず、「中国語」は「日本語」と比べて基本となる音の数が多いですね。「中国語」は方言によっても多少異なりますが、「日本語」は母音がa,e,i,o,uの5個なのに対し「中国語」は36個もあります。そして子音についても、「日本語」は9種類ですが「中国語」は21種類もあるのです。つまり、「日本語」に存在しない発音が「中国語」にはたくさんある…ということになります。

また、例えば同じ「ma」という発音であっても、発音の仕方によって意味が変わるという「日本語」にはない特徴があるのです。これは「四声(しせい)」と呼ばれ、4つの異なる発音の方法が1つの音に存在します。

「中国語」と「日本語」で異なる漢字の使い方

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「中国語」と「日本語」の決定的な違いとして文法と発音をご紹介しましたが、実は共通点である漢字についても「日本語」と「中国語」で違いがあります。どのような違いがあるのか、ここで詳しく見ていきましょう。

「中国語」と「日本語」で少し異なる漢字の形

まずは「中国語」と「日本語」で漢字の形が若干異なります。大陸の中国本土で使用されている漢字は「簡体字(かんたいじ)」と呼ばれ、日本で使われている漢字がより簡略化されたものです。また、台湾で使用されている漢字は「繁体字(はんたいじ)」は昔ながらの漢字で、日本で使われている漢字と画数は同じか、より多い字が使われているかのどちらかになります。

日本人にとっては「繁体字」の方が普段使っている漢字に近く、認識しやすいかもしれないですね。

「中国語」は漢字の読みが1通りだけ!?

「日本語」では1つの漢字に音読みと訓読みが存在したり、音読みも訓読みも複数存在したりと、漢字の読み方が多いですよね。たとえば「頼」という字は、「らい」「りょう」「より」や、送り仮名をつけて「たの(む)」という読み方があります。一方の「中国語」は、一部の例外を除いて1つの漢字に対して読み方は1つだけです。

「中国語」と「日本語」で意味が異なる漢字も!

「中国語」と「日本語」の漢字でややこしい点の1つが、同じ漢字や漢字を使った言葉でも、意味が異なる場合がある点です。たとえば「湯」という字は「日本語」では通常「お湯」を意味しますが、「中国語」では「スープ」を意味します。また「手紙」は中国語では「トイレットペーパー」を意味するというのも、有名な話ですよね。

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同じ漢字を使う言語なのに、色々と違う「中国語」と「日本語」

今回は「中国語」と「日本語」の違いについて解説しました。同じ漢字を使う言語ですが文法や発音は全く違いますし、共通点である漢字も、「中国語」と「日本語」では異なる部分も多いですね。同じ漢字を使い、そして距離もそこまで離れていない両国の言語がここまで異なるのは、なかなか興味深いと思います。

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雑学

簡単に分かる「中国語」と「日本語」の違いとは?漢字の使い方や発音の仕組みも院卒日本語教師が分かりやすく解説

2.発音の仕組み

「中国語」と「日本語」の決定的な違いの1つが発音です。まず、「中国語」は「日本語」と比べて基本となる音の数が多いですね。「中国語」は方言によっても多少異なりますが、「日本語」は母音がa,e,i,o,uの5個なのに対し「中国語」は36個もあります。そして子音についても、「日本語」は9種類ですが「中国語」は21種類もあるのです。つまり、「日本語」に存在しない発音が「中国語」にはたくさんある…ということになります。

また、例えば同じ「ma」という発音であっても、発音の仕方によって意味が変わるという「日本語」にはない特徴があるのです。これは「四声(しせい)」と呼ばれ、4つの異なる発音の方法が1つの音に存在します。

「中国語」と「日本語」で異なる漢字の使い方

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「中国語」と「日本語」の決定的な違いとして文法と発音をご紹介しましたが、実は共通点である漢字についても「日本語」と「中国語」で違いがあります。どのような違いがあるのか、ここで詳しく見ていきましょう。

「中国語」と「日本語」で少し異なる漢字の形

まずは「中国語」と「日本語」で漢字の形が若干異なります。大陸の中国本土で使用されている漢字は「簡体字(かんたいじ)」と呼ばれ、日本で使われている漢字がより簡略化されたものです。また、台湾で使用されている漢字は「繁体字(はんたいじ)」は昔ながらの漢字で、日本で使われている漢字と画数は同じか、より多い字が使われているかのどちらかになります。

日本人にとっては「繁体字」の方が普段使っている漢字に近く、認識しやすいかもしれないですね。

「中国語」は漢字の読みが1通りだけ!?

「日本語」では1つの漢字に音読みと訓読みが存在したり、音読みも訓読みも複数存在したりと、漢字の読み方が多いですよね。たとえば「頼」という字は、「らい」「りょう」「より」や、送り仮名をつけて「たの(む)」という読み方があります。一方の「中国語」は、一部の例外を除いて1つの漢字に対して読み方は1つだけです。

「中国語」と「日本語」で意味が異なる漢字も!

「中国語」と「日本語」の漢字でややこしい点の1つが、同じ漢字や漢字を使った言葉でも、意味が異なる場合がある点です。たとえば「湯」という字は「日本語」では通常「お湯」を意味しますが、「中国語」では「スープ」を意味します。また「手紙」は中国語では「トイレットペーパー」を意味するというのも、有名な話ですよね。

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